美しいソウル 韓モダンの旅

美しいソウル 韓モダンの旅
高恩淑(LIAKO) 著
  • 電子書籍:定価1408円(本体1,280円)
  • A5判・並製/176ページ(オールカラー)
  • ISBN978-4-484-12226-7 C0026
  • 2012.10発行

韓流ファンやリピーターにこそ知ってほしい、「見たことのない韓国」がここに――人気ファッション誌の元編集長でソウルを知り尽くす著者が、いま最も熱く美しいソウルを案内する、かつてない韓国ガイド。

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内容

韓国の伝統美×欧米のモダンスタイル=「韓モダン」

韓流ファンやリピーターにこそ知ってほしい、
「見たことのない韓国」がここに――
人気ファッション誌の元編集長でソウルを知り尽くす著者が、
いま最も熱く美しいソウルを案内します。

第1部では、伝統様式のなかに生まれた新トレンド「韓モダン」を知る。
そこにあるのは、美しく、やさしく、あたたかく……
伝統が息づく、まだ見ぬ韓国の姿。
韓服や韓屋をはじめ、寝具、韓定食、キムチやマッコリなども。

第2部では、ソウルの街を散策しながら「韓モダン」に出合う。
北村やカロスギルなど日本人にも人気のスポットはもちろんのこと、
付岩洞(ブアムドン)や通義洞(トンイドン)など、
今まさにトレンドになりつつある新エリアをいち早く紹介。

≪韓国の今昔に触れる70軒(DATA&MAPつき)≫

目次

I.韓モダンを知る

韓服
韓屋
寝具
韓国白磁
韓定食
精進料理
キムチ
カルビ
マッコリ
韓菓
韓方

II.韓モダンに出合う

北村
 嘉会洞
 三清洞
付岩洞
通義洞
仁寺洞
恵化洞・城北洞
漢南洞
カロスギル
島山公園周辺

DATA & MAP

はじめに

思えば3年前。夏のことでした。
わたしの心の中にある美しいソウルを、
韓国が好きな日本人に教えてあげたい、と心に決めたのは。
そのときわたしは、20年以上続けてきた雑誌の仕事をやめたばかり。
東京行きの飛行機に乗っていました。
「女の東京旅行」というコンセプトで、
ひと味ちがった視点から東京を取材するための旅でした。

たまたまわたしの隣の席に、韓国旅行を終えて帰国する
40代の日本人女性が4人、並んで座っていました。
そのうちの1人は韓国が大好きで、
今回が25回目のソウル旅行だったということでした。
彼女がそんなに好きなソウルって、いったいどんなところなんだろう?
興味をもったわたしは、聞いてみました。
「ソウルでは、どんなところによく行くんですか?」
だいたい同じパターンだというのが彼女の答えでした。
明洞(ミョンドン)や仁寺洞(インサドン)、南大門市場(ナンデムンシジャン)、
東大門市場(トンデムンシジャン)あたりでショッピング、
それから韓国料理を食べて、
汗蒸幕(ハンジュンマク)でアカスリとマッサージ……。
それを聞いたわたしは、
わたしが好きなソウルについて、さりげなく話をしてみました。
驚いたことに彼女は、それらの場所をまったく知らず、
好奇心に目を輝かせて、わたしの話に耳を傾けました。

2009年6月から翌年1月まで続いた、その東京旅行。
その日々の中で、わたしは、
わたしの中の日本を整理しなおすことができました。
そして2010年からは、京都を韓国に紹介する仕事も始めました。
京都で見つけた日本の姿、それは一言で言えば「和モダン」でした。
和モダンというのは、伝統とモダンが絶妙な調和を成す
現代の日本を表現した言葉だと思います。
そこからわたしは思い立ちました
わたしが知っている美しいソウル。
それを「韓モダン」のコンセプトのもと整理してみたらどうだろう、と。
これがわたしの「美しいソウル、韓モダンの旅」の始まりでした。

北村(プッチョン)とカロスギル。この2つのエリアは、
ソウルで最もトレンドに敏感な人たちに人気のスポットです。
今や大手ブランドのアンテナショップが立ち並び始めています。
ソウルの人たちでさえ、続々と出現するショップの良し悪しを、
なかなか見極められなくなっています。

人々が北村に目を向け始めたのは、骨董街として名高い仁寺洞が、
かつての韓国の色や香りを失い始めた頃だったかと記憶しています。
仁寺洞を愛していた人たちが、
1人、また1人と北村にその居場所を求め始めたのです。
今からほんの2~3年前までは、北村はまだ、
北村の良さを知っている人たちだけが集う場所でした。
もちろん、わたしもそのひとり。
北村の空気、そこに漂う人々の生活の匂いに惹かれ、
ランチや仕事の待ち合わせ場所をわざわざ北村にしたりしていたほどでした。

幼いわたしの記憶の中にある北村の風景。
小さな韓屋(ハンオク=韓国の伝統式家屋)に
銭湯、米屋、薬局、素朴な喫茶店……。
そんな昔ながらの北村の路地風景は、今や変化の波にさらされています。
それでも北村を想うわたしの気持ちは変わりません。
わたしを惹きつけてやまなかった北村の家々は、
今もその魅力を失ってはいないから。

こんなふうに、わたしが愛し続けてきた場所、
今も愛してやまない場所を、胸にしまった思い出を取り出しながら、
読者の皆さんにご紹介できたらと思います。

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略歴

[著者]
高 恩淑(コ・ウンスク)
1963年ソウル生まれ。韓国外国語大学でドイツ語と英語を専攻。卒業後は韓国の大手女性誌のエディター、ファッションディレクターとして活躍し、97年に東京大学大学院に留学(社会情報学専攻)。99年に帰国後、 日本の「an・an」やフランスの「marie claire(マリ・クレール)」の韓国版などの編集長を歴任。現在はLIAKO(リアコ)というペンネームで、自らが体験した日韓文化に関する記事を発信。様々なメディアにも寄稿している。

リアコだけが知ってる日本、リアコだけが知ってる韓国
liakomono.tistory.com

●ブックデザイン/松田行正+日向麻梨子

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