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未来を発明するためにいまできること
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未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学集中講義II

ティナ・シーリグ 著

三ツ松新 著

高遠裕子 著

未来を発明するためにいまできること

『20歳のときに知っておきたかったこと』の著者による待望の第2弾! 人生における最大の失敗は、創造性を働かせられないこと。自分の手で未来を発明するために、内なる力を解放しよう。

  • 書籍:定価1540円(本体1,400円)
  • 電子書籍:定価1078円(本体980円)
  • 2012.05発行
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内容

『20歳のときに知っておきたかったこと』の著者ティナ・シーリグによる待望の第2弾!

私たちはみな、自分自身の未来を発明する役割を担っています。
そして、発明の核心にあるのがクリエイティビティなのです。
――<はじめにより>

クリエイティビティというと、一握りの人だけがもっている特殊な才能だと誤解されやすいですが、実は誰もが内に秘めている力なのです。そしてその力は、解放されるのを待っているのです。
本書には、創造性を豊かにするためのさまざまなヒントが詰まっています。
言葉ひとつ、モノひとつ、アイデアひとつが、創造性を発揮する機会になることに目を見張るでしょう。

人生をチャンスに変えたいすべての人に贈る一冊。

日本の読者のみなさんへ

私の新しい著書『未来を発明するためにいまできること』inGenius: A Crash Course on Creativity を日本のみなさんにお届けできることをうれしく思います。前著『20歳のときに知っておきたかったこと』が日本で刊行されてから二年あまりのあいだに、二度にわたってみなさんの美しい国を訪れ、各地で学生や教育者、各界のリーダーと対話する機会に恵まれました。はじめて訪れたのは二〇一〇年の暮れ。その三か月後に、あの大震災が起きました。二度目の訪問は、八か月後のことでした。私は、新たに友人や仲間となった方々の身を案じ、胸を痛めました。その後、この悲しい出来事をきっかけに自分たちは変わった、という手紙を多くの読者からいただき、心を動かされました。私たち誰もが内なる力を発揮して、みずから未来を発明する時期が来ていると思います。

本書は、スタンフォード大学で起業家精神とイノベーションを教えてきた経験から生まれたものであり、誰もが内に秘めたクリエイティビティを解放することに焦点をあてています。本書には日本での経験に基づく逸話をいくつか盛り込んでいますが、そのひとつが、大阪大学の学生を対象に行なったワークショップです。これはNHKで放映された『スタンフォード白熱教室』の特別編として企画されたもので、スタンフォード大学での授業とおなじような課題を出して、日本の学生がどう取り組むかを見たい、というものでした。
私は、学生をおおいに刺激する有意義な課題を出したいと思いました。狙いは、身の周りを新しい目で見直してもらうことにありました。大阪大学では、クリエイティビティに関するワークショップを二時間行なった後、つぎのような課題を出しました。
「ゴミ箱の中のゴミを使って、できるだけ価値を生み出してください」
この課題を出すのははじめてで、何が飛び出すのかは予想がつきませんでした。

学生はまず、自分たちにとって「価値」とは何かを話し合いました。感情、実用性、経済的安心、コミュニティ、情報といった項目が挙げられました。このプロセスで、ゴミをどう捉えるかが見えてきました。そうして、多彩な案が出てきました。捨てられた紙に、大震災の被災者へのメッセージを書いてもらう案。エコ・キャラクターをつくる案。コンビニのゴミ箱のうえに空き缶を置いて、リサイクル行動を調べる案。近所のクリーニング店から譲り受けたビニールの衣装カバーを使って、キャンパス内の濡れた芝生のうえにも敷けるピクニック・シートを作る案。大阪大学の学生には、ほんとうに感心しました。学生は、もともとあった創意工夫の才を解放することによって、それまで気づかなかった新たな機会を見つけたのです。これこそクリエイティビティの力です。

本書では、個人やチーム、組織のクリエイティビティを引き出すために毎日活用できる手法や状況に注目しています。「イノベーション・エンジン」という新たなモデルを提示し、内なる世界と外的な環境がどう影響し合ってクリエイティビティが生まれるのかを描いていきます。

日本のみなさんに、楽しみながら本書をお読みいただけるよう願っています。そして、是非、感想をお寄せいただければと思います。

2012年4 月

ティナ・シーリグ

目次

日本の読者のみなさんへ
はじめに  アイデアは安いのではない タダなのだ

第1章 革命を起こす
リフレーミングで視点を変えよ

第2章 蜂を招き入れる
ありえない場所にヒントを探す

第3章 積み上げ、積み上げ、積み上げ、ジャンプ!
アイデアは永遠に止まらない波

第4章 忘れられた顧客カード
観察力を発揮していますか?

第5章 机の王国
空間という変数で行動が変わる

第6章 ココナッツを思い出す
プレッシャーをアイデアの触媒にする

第7章 猫のエサを動かす
フィードバックはゲーミフィケーションで

第8章 てっぺんのマシュマロ
チームがはまる落とし穴

第9章 がんがん動いて、どんどん壊せ
失敗は正しくやり直すチャンスだ

第10章 魔法の靴を履く人、履かない人
失敗する可能性のあるものは、修正しろ!

第11章 内から外、外から内へ

感謝の言葉

解説

略歴

[著者]
ティナ・シーリグ Tina Seelig
スタンフォード大学医学大学院で神経科学の博士号を取得。現在、スタンフォード大学工学部に属するスタンフォード・テクノロジー・ベンチャー・プログラム(STVP)のエグゼクティブ・ディレクター。米国立科学財団とSTVPが出資するエピセンター(イノベーション創出のための工学教育センター)のディレクターでもある。さらに、ハッソ・プラットナー・デザイン研究所(通称d.school)でアントレプレナーシップとイノベーションの講座を担当。工学教育での活動を評価され、2009年に権威あるゴードン賞を受賞。
@tseelig

[解説者]
三ツ松新(Arata Mitsumatsu)
イノベーション・コンサルタント。1967年神戸生まれ。幼少期をニューヨークで過ごす。神戸大学大学院農学研究科修了後、P&Gに入社。プロダクトマネジャーとして多くの新規商品、ブランドの立ち上げに携わる。グローバルプロジェクトにも参画、極東地域における特許出願件数歴代トップを記録した。独立後はイノヴェティカ・コンサルティング代表として、大手上場企業とベンチャー企業向けに大脳生理学に基づいた創造的思考法と新規事業開発のコンサルティング及び研修を行う。英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA(日本語)プログラム准教授も歴任。現在シンガポールと日本に拠点を置く。
@ArataMitsumatsu

[訳者]
高遠裕子(Yuko Takato)
翻訳家。主な訳書に『心のなかの幸福のバケツ』『経営は「実行」』(ともに日本経済新聞出版社)、『80対20の法則 生活実践編』『勝ち馬に乗る!』『20歳のときに知っておきたかったこと』(以上阪急コミュニケーションズ)など。

●装丁・本文デザイン/轡田昭彦・坪井明子
●校閲/熊澤華栄