性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか

性欲の科学

坂東智子 著

  • 書籍:定価2090円(本体1,900円)
  • 電子書籍:定価1463円(本体1,330円)
  • 四六判・並製/416ページ
  • ISBN978-4-484-12103-1 C0098
  • 2012.02発行

認知神経科学者2人が、インターネットを情報源に男と女とゲイの「知られざる欲望」を解明。これは、キンゼイ・レポート以来の「偉業」なのか?
※参考文献のリストはここからダウンロードできます。

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内容

目次

本書に寄せて キャスリン・サーモン

はじめに 性的欲望をめぐる、世界最大の行動実験へようこそ

第1章 大まじめにオンラインポルノを研究する
――性科学と「セクシュアル・キュー」

まさに、ネットはポルノのためにある
「男と女のどっちを好きか」を決めるもの
男は映像を好み、女はストーリーを好む
性的欲望のソフトウエアのしくみ

第2章 熟女人気と体のパーツの好みに関する考察
――男の「目」を惹きつけるキュー

圧倒的な少女たち、がんばっているMILFたち
男性が性的に興奮する「ウエスト対ヒップ」の比率
どの文化でも、乳房は大きいほうが好まれる
なぜ手フェチじゃなくて、足フェチなのだろう
ペニスは見るのも見せるのも好き
世界中の男が日本のエロアニメに夢中な理由

第3章 お尻や乳房など、体ばかりに注目するのはなぜか
――男性の性的欲望

フェチを決定づけるのは青年期の「刷り込み」
ガイノイド脂肪が出産能力を測る指標となる
好みの乳房も「刷り込み」で決まる
独りぼっちで、すぐに興奮し……間が抜けている

第4章 セックスする前に、脳が男を品定めする
――女性の性的欲望

女性用バイアグラはなぜ開発できないか
頭では反抗していても、体が反応する
リスクをチェックする「ミス・マープル探偵団」
男のパーソナリティをチェックする判断基準
ソーシャルネットワークで情報収集する
「文化」に左右される女性のセックス観
女性は優秀な長期投資プランナーである

第5章 強くて支配的な大金持ちとちょいワルが好き
――女の「心」を捉えるキューその1ヒーロー

ロマンス小説には7480万人の読者がいる
ブルーカラーとお役人はお断り
ヒーローには「ココナツ」のようであってほしい
タイトルに「百万長者」がつくもの、415冊
進化の結果、有能で支配的な男を選ぶようになった
頭の悪い巨乳美人、背の高い陰気な公爵

第6章 自分の性的魅力で男たちを惹きつけたい
――女の「心」を捉えるキューその2ヒロイン

女性の「犯されたい」夢想の不思議
いつだって、いい男はみんな彼女がいる
一番欲しいのは「愛している」の言葉
「and」のパワーと「or」のパワー

第7章 ストレートの男と違うところは3つだけ
――ゲイの男を惹きつけるキュー

ストレートの男性と好みは同じ?
性的欲望ソフトと脳の「ボディマップ」
支配的な「タチ」より服従的な「ウケ」が多い
夢のようなセックスライフが当たり前

第8章 求む、背が高くてお尻がカッコいい男
――女の「目」を惹きつけるキュー

排卵期になると浮気したがる二面性
女性に人気のある動画、人気のない動画
バイセクシュアルの女性はポルノが好き
パートナーがポルノを見るのは浮気行為?

第9章 浮気妻と素人娘は、競争原理と本物志向の表れ
――男の「心」を捉えるキュー

妻に浮気されて興奮するのは、遺伝子のせい
なぜ「彼女がほんとうにイッたか」を気にするのか
「ガールズ・ゴーン・ワイルド」で1億ドル

第10章 「支配」と「服従」あなたはどっちがお好き?
――男女両方の「心」を捉えるキュー

男が辱められるポルノを楽しむ男たち
生徒に手を出した女性教師は男性の9倍
自分の体の支配権を他人に譲るBDSMの世界
男と女の性的欲望の本質を知る

第11章 そして欲望は、イリュージョンを生み新たな次元へ
――セクシュアル・キューの創造力

モナ・リザのような「ふたなり」の魅力
ヴァンパイアのとりこになる女性たち
射精シーンを組み合わせ、重ね合わせる
スラッシュ小説あるいは「やおい」に関する考察
「むりやり女に変えられた」快感

おわりに お互いのキューを理解すれば、もっとわかり合える

謝辞
訳者あとがき

※参考文献のリストはここからダウンロードできます。

略歴

[著者]
オギ・オーガス Ogi Ogas
ボストン大学で計算論的神経科学の博士号を取得。学習、記憶、視覚の数学モデルを設計した。米国土安全保障省の研究員を務め、MIT(マサチューセッツ工科大学)リンカーン研究所では生体防御系を研究。ボストン在住。

サイ・ガダム Sai Gaddam
ボストン大学博士課程で機械学習の生物学モデルを研究。ノイズの多いパラレルな脳情報処理を再現するナノプロセッサを、ヒューレット・パッカードと共同開発。現在はボストンとインド・ハイデラバードを往復しながら、顧客の好みを知りたい企業向けにデータマイニングの専門家として活躍。

[訳者]
坂東智子(ばんどう・ともこ)
上智大学文学部英文学科卒業。東京都在住。訳書に『なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?』(ゴマブックス)、『会社のルール』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『億万長者 富の法則』(中経出版)、『「お金」の実践経済学』(PHP研究所)、『幸福の秘密』(イースト・プレス)などがある。

●ブックデザイン/萩原 睦(志岐デザイン事務所)
●翻訳協力/株式会社トランネット
●校閲/円水社

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4億の検索ワーズ、65万人の検索履歴、数十万の官能小説、
数千のロマンス小説、4万のアダルトサイト、
500万件のセフレ募集投稿、数千のネット掲示板投稿を、
最新のデータマイニングを駆使して分析。
神経科学と性科学の研究成果も加味してまとめた。

これは、キンゼイ・レポート以来の「偉業」なのか?

男と女とゲイの性的欲望を解明する衝撃の問題作!

●ロイ・バウマイスター(フロリダ州立大学心理学教授)
「オーガスとガダムは、人間の行為に関する世界最大級の実験を成し遂げ、長いあいだ謎に包まれていた性についての、魅惑的な、ものすごい本を生み出した」

●サイモン・ルベイ(『脳が決める男と女』著者)
「この本は見事な娯楽作品だ。何百万人ものインターネットユーザーの無意識のうちの告白にもとづいて、性的願望という心の奥底の暗闇を見せてくれる」

●デイヴィッド・M・バス(『女と男のだましあい』著者)
「この本の内容には、たびたび驚かされ、ときにはショックを受け、退屈することはまったくない」

●ポール・ヴェイジー(レスブリッジ大学行動科学教授)
「人間のセックス心理を客観的に解明した本書は、性の研究者たちにとって、格好の議論材料になるだろう」

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