幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?

幸福の計算式
ニック・ポータヴィー 著

阿部直子 著

  • 書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • 電子書籍:定価1408円(本体1,280円)
  • 四六判・並製/304ページ
  • ISBN978-4-484-12101-7 C0033
  • 2012.01発行

もし幸福度を比べることができたら、私たちの人生にどんな影響を与えるだろう? 結婚、子ども、友情、仕事、あるいは離婚、失業、死――幸福経済学が「本当の幸せとは何か?」という人類永遠の命題に迫る。

書籍

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内容

結婚、子ども、友情、仕事、あるいは離婚、失業、死――
あらゆる「幸せ」には、値段をつけられる!

誰もが幸せになりたいと思っている。
だが、人生の選択のひとつひとつは、どれだけの幸せを運んでくれるのだろう?
もし幸福度を比べる方法があったら?

なぜ、結婚は20万ポンド(約2500万円)もの価値があるのだろう?
なぜ、子どもをもつと不幸になるのだろう?
なぜ、宝くじに当たってから幸せを感じるまで2年もかかるのだろう?
なぜ、愛する人の死は時が忘れさせてくれるのに、
通勤時間の苦痛はいつまでたっても消えないのだろう?

お金で買えない「幸せ」に値段をつけてみれば、新しい世界が見えてくる!

目次

第1章 幸福の探求

第2章 幸福と科学の関係

第3章 お金で愛は買えないが、幸せなら買えるのだろうか?

第4章 お金で買えないものの値段:パート1

第5章 お金で買えないものの値段:パート2

第6章 時は本当にすべての傷を癒してくれるだろうか?

第7章 「自分だけじゃない」

第8章 フォーカス幻想

第9章 なぜ、私たちは幸せにならなければならないのか?

第10章 幸福を決めるのは誰か?

第11章 おかしな話だが……

謝辞
訳者あとがき

注/参考文献

第1章「幸福の探求」より抜粋

私たちのほとんどは、どうすれば自分が幸せになれるか、はっきりわかっていると信じて生きている。たいていの人は、自分が必要としているのは愛する人が自分のことを愛してくれることだけだ、と思っている。あるいは、より多くのお金、いい仕事、安定した結婚生活、完全な健康体といったものをあれこれ望んでいる場合も多いだろう。休日、秋の午後の澄んだ青空、暑い日の冷たくておいしいカプチーノ、1時間の足つぼマッサージ、友人や家族と笑って過ごす一日、パートナーとの邪魔の入らない45分間のセックスと、それを維持できるエネルギー、といったささやかな願いの場合もある。
だが残念なことに、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズの言葉を借りれば、欲しいものは必ずしも手に入るわけではない。少なくとも、欲しいものがいつでも手に入るわけではないことは確かだ。しょっちゅう休みがあるのはいいことのように聞こえるが、考えてみれば、そのぶん収入は少なくなる。だから、それはまったくいいことではない。人生を幸せにするものに対して私たちが抱いている抽象的な概念からすると、お金はとても大切だからだ。
わかった。それならもっと働けばいい。でも待てよ。そうすると友人や家族と過ごす時間は少なくなる。それもまた、あまり幸せなことではなさそうだ。
では、どうすればいいのか? 「もし、こうだったら」というさまざまな組み合わせの中で矛盾が生じ続けることが人生だというのなら、私たちはいったいどうすればいいのだろう? どこまでいっても時間やお金には限りがあり、「どのように生きても、すべてを手に入れることはできない」のなら、私たちは何をすればいいのだろうか?
意思決定の専門家であると思われる経済学者たちに言わせれば、たいていは自身の選択に従ってベストを尽くすしかない、ということになる。あらゆる選択肢について情報を集め、理屈づけと試算を行う。それぞれの決断が自分の幸福度にどんな影響を及ぼすか、心の中でひそかに議論を戦わせる。そして、「私を幸せにするすべてのこと」というルールブックに照らし合わせて、優先順位に従って並べ替え、時間とお金の制約の中で自分の幸福度を最大限に高めてくれる、最良の組み合わせを選ぶのだ。
簡単なことだ。

略歴

[著者]
ナッターヴート(ニック)・ポータヴィー Nattavudh (Nick) Powdthavee
経済学博士。行動経済学者。 シンガポール南洋理工大学経済学部助教授。 幸福経済学の専門家として、ニューヨーク・タイムズ、 ガーディアンなど50以上の主要国際紙に取り上げられている。 幸福の価値の見積もり方に関する最先端の研究を、 親しみやすく楽しく読めるかたちで一般読者に紹介している。 「子どもをもつと不幸になる」と論じた記事は イギリスのテレビ番組でも大きく取り上げられ、論争を呼んだ。 タイ出身。

[訳者]
阿部直子(あべ・なおこ)
翻訳者。主な訳書に『神のシークレット』(地引網出版)、『オバマ ホワイトハウスへの道』(共訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップ1958‐2009』(共訳/青志社)など。

翻訳協力:トランネット

●ブックデザイン/鈴木正道(Suzuki Design)
●カバーイラスト/市原 淳

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