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ユダヤ人国際弁護士が斬る! だから損する日本人

だから損する日本人
石角完爾 著
  • 書籍:¥1,400(税別)
  • 電子書籍:¥1,120(税別)
  • 四六判・並製/228ページ
  • ISBN978-4-484-11229-9 C0036
  • 2011.11発行

反論しない、歯並びに無頓着、CAやウェイトレスに笑顔を見せない……典型的な日本人の振舞いが、欧米人からはどう見られているのか? ユダヤ人国際弁護士が語る、国際場裡で絶対に損をしない「世界標準の作法」。

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内容

反論をしない、「ふつうはそうしない」と言い訳する、人の真似ばかりする、会社のことしか言わない、歯並びに無頓着、CAやウェイトレスに笑顔を見せない……典型的な日本人の考え方や振る舞いがどれほど欧米人からバカにされ、「ちょっとしたこと」でどれだけ日本人が国際的な場で損をしているか。
海外旅行で、仕事の交渉で、留学中に……ゼッタイ損しないために、日本人が心得ておくべき全49項目。

「おわりに」より

 戦後の荒廃からスタートし、1980年代まで日本が「金儲け」できたのは、自分の力ではありません。アメリカがそうさせたのです。人のおかげなのです。これからは日本人の「金儲け下手」がますます日本の首を絞めつけるでしょう。
 この本で私が「金儲け」と言っているのは、ビジネス、政治、文化、軍事、科学、日常生活、宗教と、あらゆる分野における「戦略展開力」のことです。ここは誤解なきように願います。

(中略)

 「日本人は国際舞台で損をしている。それは金儲けが下手だからだ」というと、「そんなことはない。日本は世界第二の経済大国になったし、今は中国に抜かれたかもしれないが、なんといってもG7の一角を占めているではないか」という反論が聞こえてきそうですが、ならば、

・なぜGDPの225%にも迫らんとする借金を背負っているんですか?
・なぜ失業保険の受給者が86万人を突破し、戦後最高になったのですか?
・なぜ少子高齢化がここまで進み、年金の受給開始年齢がどんどん引き上げられているのですか?
・なぜ大震災が起こったら、消費税や所得税や法人税を上げないと復興資金すら賄えないんですか?

といくらでも反論できます。そういう国が、金儲けがうまいのでしょうか。金儲けが下手だから、日本はどんどん国富を失っているのではないでしょうか。

(中略)

 私は、日本人が「金儲け下手」な理由のひとつは教育にあると思っています。
 私がいま紹介したユダヤの寓話の話をした時、ある日本の財界人は「日本にはそういう寓話教育がないんですよね」と言って嘆いていましたが、これは、例えばイソップの童話を読むような「寓話教育」ではないのです。
 ユダヤが行っているのは、子どもの頭がやわらかいうちに、子どもにも分かりやすい寓話を通じて子どもと親とが徹底的に討論、対話、議論し、子どもが独創的な思想を持つように発育させていく大脳教育なのです。日本人の好きな言葉で「脳内革命」と言ってもいいでしょう。
 こういうことをやっている日本の親がいないから(受験塾に連れて行き、エリート校に入れることしか考えていない親が多い)、今の日本の哀れな姿があるのではないか。
 そう思って周囲を見渡してみた時、「日本人が政治、経済、文化、軍事、日常生活で損をしていることがどれほどあることか」に愕然として、この本を書くに至ったのです。
 というより、日本人は世界からそう見られている。面と向かって言われはしないが、そう思われている。本書は、ユダヤ人になり、ヨーロッパに住んでいる私だから書けた本なのです。

 もうひとつ、日本人が国際的なところで損をしている例を挙げましょうか。
 それは、日本人の得意な「相手の気持ちを察する」とか「場の空気を読む」ということです。これは、国際的な場所ではものすごく損をします。
 本書の中でも紹介しましたが、日本人はある人が何か質問をすると、その質問の理由や背景をついつい考えてしまって、その理由に対して答えようとします。
 この日本人の得意な「配慮」(私に言わせればまったく無駄な心の動き)が日本人に損をさせているのです。そんな配慮は、日本の外では有害無益、何の役にも立ちません。
 だってそうでしょう。国際的な場面では、相手が日本人ではないのだから、何を考えているのか察することなどできません。まして多くの国の人間が参加している会議の場(ダボス会議や国際的企業の取締役会など)で誰が何を考えているかなど、わかろうはずがないのです。場の空気を読むなどということは不可能です。
 そういう場で質問を受けた時には、端的に「イエス」「ノー」で答えるだけでいいのです。すると相手がまた次の質問をしてきます。そうすればまた端的に「イエス」「ノー」だけで答えればいい。
 それを、「場の空気を読んで」、あるいは「相手の気持ちを察して」日本人特有の答え方をするとじつにトンチンカンな答えになり、「こいつはバカか」と思われてしまいます。こうした場では、「何を的のはずれた答え方をしているんだ。それはおれの聞いていることじゃないよ」ということになってしまうのです。
 日本人は金儲けが下手なだけでなく、こんなふうに政治も演出も駆け引きも下手なために、世界からカモにされて損をしているのです。

(中略)

 ユダヤ教に改宗してからの私は、感覚としてはまさしく「ユダヤ人」であって、日本という国もある程度客観的に考えるようになっています。しかし、私が日本で生まれたのは事実。だからこの国土を愛しているし(GDPの200%を超える借金を押し付けた日本の政治統治機構ではない。まして国籍附与権限を持った日本国政府でもない。国土です)、この国土で生きている人々が幸せに暮らし、国際的に向上してほしいと本気で思っています。
 だからこそ、スウェーデンに住み、世界のユダヤ人の一員としてヨーロッパやアメリカを飛び回り、「世界の目」を知った立場から、とくにヨーロッパ人、アメリカ人の日本に対する本音を、厳しいことも承知のうえで紹介しました。
 ご批判もあるかと思いますが、日本人が世界からそう見られているのも事実です。
 みなさんが一人ひとり、私の指摘を踏まえて考え、ご自身の向上に活用してくだされば幸いです。

目次

第1章 交渉・プレゼン・発想力……
だから日本人は国際舞台でナメられる!

●なんでも「ハウツー」に頼るから損をする日本人
 「教えないこと」を教訓にするユダヤ人
●すぐにあきらめてしまうから損をする日本人
 どうしてモーゼやキング牧師が日本から出ないのか?
●「ふつうはそうしない」とずるい理屈をこねるから損をする日本人
 「私ならこうする」と言わないから無責任に見られる
●反対意見を言わないから損をする日本人
 沈黙は同意とみなされる
●議論をしないから損をする日本人
 なぜ日本の留学生が海外の学校で好成績を出せないのか?
●「Why」と訊かないから損をする日本人
 バベルの塔が象徴するもの
●「No」は言うけれど「Because」を言わないから損をする日本人
 「Noと言える日本」だけでは誰も認めない
●プレゼン力がないから損をする日本人
 「ぶら下がり会見」が日本の信用を落とす
●サービスができないから損をする日本人
 細部にこだわって、端的なニーズに応えられない
●すぐに「人を叱る」から損をする日本人
 褒める文化が日本には根付いていない

第2章 ショップで、レストランで、会話して……
海外で日本人が嫌われる13の理由

●簡単な英語、簡単なマナーを知らないで損をする日本人
 コーヒーの注文ができない日本人の不思議
●歯並びが悪くて損をする日本人
 どうして日本人は海外でブサイクに見られるのか?
●笑わないから損をする日本人
 「ニコッとする先制攻撃」の意味を知っていますか?
●ジョークが下手で損をする日本人
 ユダヤ流ジョークがあってもジャパニーズ・ジョークがない理由
●トンチンカンな答えを言って損をする日本人
 「質問」と「回答」が日本ではちぐはぐ
●質問をしないから損をする日本人
 日本人がよくやる「食べ物」の失敗
●テレビ報道を「引用」して損をする日本人
 古典を知らないとバカにされる
●「聖書」を知らないから損をする日本人
 欧米人とつきあうのに根本的なことを知らなすぎる不幸
●ウソに責任を持たないから損をする日本人
 ユダヤで許されているウソとは?
●成功者を賞賛しないから損をする日本人
 日本の経営者はおとなしすぎる
●酒を飲んだ後はかぎりなく損をする日本人
 日本人の酔っぱらいマナーは世界最悪

第3章 誰も気づいていないけれど……
ここがおかしい日本の習慣

●「天安門」を「テンアンモン」と読むから損をする日本人
 外国語を受け付けない日本の変な言語環境
●何事にも敏感に反応しすぎて損をする日本人
 お年寄りに席を譲らない国は、なんでも「言われたこと」を聞く
●「法の下の不平等」を認めてしまう日本人
 外国ではこんなこと絶対に許されない!
●プライバシーにこだわりすぎて損をする日本人
 この国が国際犯罪の餌食になってしまう理由
●公共の場での放送がやたらと多くて損をする日本人
 海外から見ると、この国はとても“うるさい国”
●物欲が強すぎて損をする日本人
 どうして日本人は海外の有名ブランドを買わされてしまうのか?
●意外と競争意識が強くて損をする日本人
 ユダヤ流の「逆向きに走る発想」を学ぼう
●会社のことしか言わないから損をする日本人
 自分のことを語らない人は海外で認められない
●「お金儲け」を神様に祈る変な日本人
 「お金」に対する考え方の、世界との大きな違い

第4章 日本が世界に置いていかれる根本的な理由……
非常識がまかりとおる日本人の考え方

●過去のことを忘れるから損をする日本人
 歴史に学ばない日本人の不思議
●失敗を恐れる文化のために損をする日本人
 ユダヤの「リスク管理」に学ぼう
●古典の教養がないからバカにされる日本人
 遊園地やゲームセンターより図書館に子どもを連れて行け
●クリスマスをお祝いすることで損をする日本人
 日本に足りない「統一性」の考え方
●「科学技術万能主義」で損をしている日本人
 世界では科学が通用しないこともある
●善人を善人だと思うから損をする日本人
 ユダヤの神様は冷酷に人を殺す
●「差別語」を平気で使うから損をする日本人
 「品格」という言葉を平気で使う無神経さ
●高齢者を差別するから損をする日本人
 60代、70代の人が日本ではとても活躍しにくい
●「格差」に敏感すぎて損をする日本人
 やる気のある人間、才能のある人間を潰してはいけない
●政府に頼るから損をする日本人
 優しい政府なんて海外にはない

第5章 おかしいのは政府だけではない……
日本人の間違った国際感覚

●円高に大騒ぎして損をする日本人
 問題を一方向だけでとらえていると……
●みんなの真似をして損をする日本人
 「船頭」が多いのは当たり前?
●アニメが「日本発の文化」だと思って損をしている日本人
 「スシ」で成功しているのはいったい誰?
●「日本人がノーベル賞をとった」と思って損をしている日本人
 日本のメディアしか見ないことが大きな誤解を生む
●「教育」に熱心でないから損をする日本人
 どうして世界で通用する日本人が少なくなってしまうのか?
●環境問題を気にしすぎて損をしている日本人
 反核には熱心でないことで失っている信用
●「領土の問題」がわかっていない日本人
 どうして尖閣諸島の問題が起きるのか?
●「国家」と「民族」の違いがわからないから損をする日本人
 あなたは「日本人」を定義することができますか?
●「日本人でない人」を理解できない日本人
 イザヤ・ベンダサンという作家は世界の常識ではありえない!

おわりに

略歴

[著者]
石角完爾(いしずみ・かんじ)
1947年、京都府生まれ。京都大学在学中に国家公務員上級試験、司法試験に合格。同大学を首席で卒業後、通商産業省(現・経済産業省)を経て弁護士に。ハーバード大学ロースクール、ペンシルベニア大学ロースクール修士課程修了。ニューヨーク、ウォールストリートの法律事務所を経て、現在、千代田国際経営法律事務所所長、代表弁護士。国際弁護士としてアメリカ、ヨーロッパを中心にM&Aのサポートなどで数多くの実績がある。2007年、難関の試験を経てユダヤ教に改宗し、ユダヤ人となる。米国認定教育コンサルタント。スウェーデン在住。著書に、『ファイナル・クラッシュ』(朝日新聞出版)、『日本国債 暴落のシナリオ』(共著、中経出版)、『改訂版アメリカのスーパーエリート教育』(ジャパンタイムズ)、『お金とユダヤ人』(ソフトバンククリエイティブ)、『日本人の知らないユダヤ人』(小学館)など多数。
著者主宰の勉強会:丸の内スクエア・アカデミー(http://marunouchisquare.com/
連絡先:info@marunouchisquare.com
著者エージェント:アップルシード・エージェンシー(http://www.appleseed.co.jp

● 装丁/轡田昭彦、坪井朋子
● 編集協力/中川賀央