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人を引きつけ、人を動かす きらりと輝く人になるコミュニケーション・テクニック70

レイル・ラウンデス 著

小林由香利 著

人を引きつけ、人を動かす

D・カーネギーの古典的名著『人を動かす』を現代に合わせて刷新! 人間関係を円滑にし、仕事と人生を成功に導く実践的スキルが詰まった英米人の「社交の教科書」、ついに日本上陸。

  • 書籍:定価1870円(本体1,700円)
  • 電子書籍:定価1496円(本体1,360円)
  • 2011.11発行
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内容

著名な作家・講演者・企業トレーナーで、コミュニケーション分野で国際的に高い評価を受けている著者が、ビジネスで、恋愛で、友だちづきあいで、パーティーで、必ず相手を惹きつける技術を紹介。
初対面の相手に対し、よい第一印象を与え、相手を魅了する会話を成立させ、自分を際立った存在として記憶させるための70の方法とは? 「社交の教科書」として英米でロングセラーを続ける新古典。

人生における成功の85%はコミュニケーション能力によって決まると言われています。明確で自信にあふれ、信頼できてカリスマ性のあるコミュニケーションのために、ぜひ本書を役立ててください。

● はじめに――どんな相手からもあなたが望むものを手に入れる(少なくともできるだけやってみる)方法

「なんでも持っている」ように見える人生の成功者にあこがれのまなざしを向けたことはあるだろうか。ビジネスミーティングで堂々と、あるいはパーティーでよどみなく会話を楽しんでいる人たち。彼らはなんでも持っている。誰よりもいい仕事、誰よりも素敵な夫や妻、誰よりも立派な友人、誰よりも多い銀行預金、あるいは誰よりもおしゃれな街にある自宅。
でも、ちょっと待って! 成功者の多くはあなたより賢いわけじゃない。教育水準が高いわけでもない。見た目だって大して変わらない!なのに、どうして?(親の遺産だろうとか、結婚して手に入れたとか、とにかく運がいいという意見もあるが、そんなことはない)結局は、人との付き合い方がうまいからだ。
自分独りの力でトップに上り詰める人はいない。「なんでも持っている」ように見える人は、実は何年もかけて多くの人の心をつかみ、そうした人たちの後押しを受けて企業や社会で出世の階段を一段ずつ上ってきた。
自分も成功したいと思っている人は、階段のてっぺんにいる人を見上げて、お高くとまっていると言う。先輩の友情や愛情やビジネスのお裾分けにあずかれないと、「派閥」だの「学閥」だのと非難する。「ガラスの天井」にぶつかったとこぼす人もいる。
階段の下のほうで愚痴ってばかりの「予備軍」は、自分に問題があるとは思いもしない。人間関係や友情や取引がだめになったのは自分がうまくコミュニケーションできないからなのに、そのことがいっこうに分からない。人に好かれる人には手品師のかばんか、魔法か、やることなすことうまくいく力があるかのように考えている。
手品師のかばんにはいろいろなものが入っている。友情を確かなものにする薬、人の心をつかむ魔法、みんなを夢中にさせる不思議な力。上司が雇って昇進させたくなる資質、クライアントを必ず戻ってこさせる性格、顧客がライバルではなく彼らから購入したくなる利点。誰にでも、こういう才能が多少はある。個人差はあって、それをたくさん持っている人が人生で成功する。この本では、成功者が日頃使っている70のちょっとしたコツを紹介する。これで人生はあなたの思いのままだ。

「ちょっとしたコツ」が明らかに
大学時代、演劇の先生が私の下手な演技にたまりかねて、こう叫んだ。「だめ、だめ! 体とセリフがばらばらだ」。先生によれば、「小さなしぐさや姿勢のひとつひとつに、君の考えが表われる。顔は7000もの表情をつくれて、それぞれの表情は君がどんな人間で何を考えているかをさらけ出す」。先生が次にいった言葉を、私はけっして忘れない。「それに体だ! 君の体の動きが君自身の人生を語る」
本当に先生の言ったとおりだった! 人生という舞台では、無意識な動きのひとつひとつが、見る人すべてにあなたの人生を語る。犬は人間には聞こえない音を聞く。人間には何も見えない暗闇でもコウモリは物の形が分かる。人間の動作もそれと同じで、知らないうちに好感を持たれたり不快感を与えたりする。笑顔、しかめっつら、言葉の発し方や選び方ひとつで、他人を引き付けもすれば逃げ腰にもさせる。
虫の知らせで取引を中止した経験や、デートの誘いを受けるか断るかを勘で決めた経験はないだろうか。はっきり意識してはいなくても、感情を形づくっている要素は、犬の耳やコウモリの目と同じく、とてもリアルなものだ。
箱の中に二人の人間がいて、二人がやりとりする信号を箱の回路で記録するとしよう。一秒間にやりとりされる情報の量は一万単位にも上る。「二人が一時間にやりとりする情報を整理するには、アメリカの成人の約半数が取り組んで一生かかるだろう」と、ペンシルベニア大学のコミュニケーション研究の権威は見積もっている。
二人の間をかすかな動作や反応が無数に飛び交っているなかで、いったいどうすれば、明確で自信にあふれ、信頼できてカリスマ性のあるコミュニケーションができるのか。
そのためのテクニックを必ず見つけ出そうと、私はコミュニケーションスキルやカリスマ性や相性に関する本を読みあさった。リーダーシップを発揮して信頼されるための資質について、世界中の研究結果を調べた。果敢な社会科学者たちはくまなく調べていた。中国人の研究者などは、カリスマ性の秘訣が食にあるのではないかと考え、被験者の性格と尿に含まれるカテコールアミンの量を比較した。もちろん、実際にはそう甘くはなかったが。

デール・カーネギーは時代遅れ
研究のほとんどが、1936年に出版されたデール・カーネギーの古典的名著『人を動かす』を裏付けていた。カーネギーの長年の英知によれば、成功のカギは笑顔、他人に興味を示すこと、他人を気分よくさせること。「やっぱり」と思った。60年たった今も、それは変わらない。
カーネギーをはじめ多くの専門家が的確なアドバイスをしてきたのに、なぜ人と仲良くなり人を動かす方法について新たな本が必要なのか。大きな理由は2つある。
理由その1 賢者があなたに言った。「中国では中国語で話せ」。でも中国語は教えなかったとしたら? それと同じで、カーネギーをはじめ多くのコミュニケーションの専門家は、何をすべきかは教えても、どうやればいいかは教えない。今の世知辛い世の中では、「笑顔で」とか「心からほめて」と言うだけではダメ。いまどきのひねくれたビジネスパーソンは笑顔の裏を勘繰り、ほめ言葉を深読みする。優秀な人や魅力的な人のまわりに寄ってくるのは、笑みを浮かべ、興味があるふりをしてほめちぎる、ごますり屋ばかりだ。「そのスーツ、お似合いですよ」と言いながら、レジのキーを指で撫でている販売員に、客はうんざりしている。寝室のドアが目に入るところで「きれいだ」とささやく男性を、女性は警戒する。
理由その2 1936年と今では世の中はずいぶん変わったのだから、成功するためのコツも新しくする必要がある。そこで私は現在のスーパースターを観察した。販売員、講演者、宗教家、演技者、セックスシンボル、アスリートについて、それぞれプロ中のプロのテクニックを探った。
その結果、成功につながる資質に欠かせないものを見つけた。それらを分かりやすくかみ砕いて、すぐに使えるようにした。それぞれに名前をつけ、コミュニケーションで困ったら、ぱっと頭に浮かぶようにした。全米各地で行ったコミュニケーションセミナーでも公開し、参加者からアイディアをもらった。クライアント──多くがフォーチュン上位500社のCEO(最高経営責任者)──からも熱心に意見が寄せられた。
最も成功し、敬愛されているリーダーと同席する機会があると、彼らのしぐさや表情を分析した。さりげない会話、タイミング、言葉の選び方に耳を澄ました。家族や友人や同僚やライバルとの接し方に目を凝らした。コミュニケーションの魔法の気配がすると、それを意識の光の下に取り出して見せてくれるように頼んだ。彼らと一緒に魔法を分析し、誰もが簡単に真似できる「コツ」に変えた。
私の発見と大成功している人々のひらめきが、この本には詰まっている。何げないものもあれば、意外なものもあるが、どれも習得できるものばかり。マスターしたあかつきには、知り合ったばかりの人から家族や友人や同僚まで、みんながあなたに心を開き、家庭や会社のドアを開き、財布のひもさえ喜んで緩めて、与えようとするはずだ。
さらにおまけもある。新しいコミュニケーションスキルを身につけて人生の大海原を航海していれば、そのうち、ごますり屋に代わって、あなたに何かを与えたい人たちが笑顔で追いかけてくるようになるだろう。

目次

はじめに──どんな相手からもあなたが望むものを手に入れる(少なくともできるだけやってみる)方法

Part 1 ひと言も発さずにみんなの興味を引く方法
──目置かれるにはたった一〇秒あればいい

1 他人とはひと味違う笑顔にする方法
2 目の使い方で「できる人」と思わせる方法
3 まなざしで相手を落とす方法
4 誰からも100パーセント信頼できる人と思われる方法
5 超能力者のように相手の心を読む方法
6 絶対にひるまない方法

Part 2 うまく話を切り出す方法
7 素晴らしい雑談をスタートさせる方法
8 話し方で(どんな内容でも!)とても魅力的な人だと思わせる方法
9 人込みに割って入る方法
10 「で、お仕事は?」と聞かれるたびに勝ち組になる方法
11 会話を死の淵からよみがえらせる方法
12 相手のことを話題にして夢中にさせる方法
13 「次はなんて言おう?」と心配しなくて済む方法
14 相手に楽しくしゃべらせる(その隙にこっそり逃げ出すこともできる)方法
15 面白そうな話題に困らない方法

Part 3 大物のように話す方法
16 「お仕事は?」と聞かれて返事に困らない方法
17 会話で実際以上に賢い人と思わせる方法
18 話したくてたまらない感じを与えない(相手に似た者同士だと気づかせる)方法
19 「YOUを優先」で相手の敬意と好意を手に入れる方法
20 あなたが「誰にでも笑顔を振りまくわけじゃない」と相手に感じさせる方法
21 相手を乗せる話し方で会話を弾ませる方法
22 世界最悪の会話の癖を避ける方法
23 悪い知らせを伝える(それでさらに好かれる)方法
24 答えたくないときにうまく対処する(後は相手が黙ってくれることを祈る)方法
25 セレブに話しかける方法
26 「ありがとう」を言いたい気分にさせる方法

Part 4 どんなグループでも「通」になる方法
──みんな何を話しているの?

27 現代版ルネサンス人になる方法
28 相手の仕事や趣味についてなんでも知っているかのように話す方法
29 相手にとってホットな話題を知る方法(出だしが肝心)
30 話し方で(ほとんどなんでも)「特別優待価格」にしてもらう方法

Part 5 似た者同士だと感じさせる方法
──「あら、私たちってそっくり!」

31 相手と同じ「階級」だと感じさせる方法
32 相手に「身内」だと感じさせる方法
33 相手に本当にはっきり分からせる方法
34 思いやりのある人だと感じさせる方法(「ええ、うん、そうそう」だけじゃだめ)
35 相手が(「あなた」と「私」ではなく)「私たち」と考えるようになる方法

Part 6 効果的なほめ言葉とだめなお世辞を見分ける方法
36 (ごますりと思われずに)人をほめる方法
37 好意を運ぶ「伝書バト」になる方法
38 ほめ言葉を「思わず口にした」ように感じさせる方法
39 「必殺のほめ言葉」で相手にとって忘れられない人になる方法
40 「短いひと言」で相手を笑顔にする方法
41 完璧なタイミングでほめる方法
42 ほめたいと相手に思わせる方法
43 愛する人にあなたこそ人生のパートナーだと感じさせる方法

Part 7 電話で相手の心をつかむ方法
44 電話で相手をよりわくわくさせる方法
45 話し方で(何百キロも離れていても)そばにいるように感じさせる方法
46 電話してよかったと思わせる方法
47 欲しいものを手に入れる方法──タイミングによって!
48 留守番電話の応答メッセージで好印象を与える方法
49 折り返し電話をもらう方法
50 電話で「行間を読む」方法

Part 8 パーティーで人脈を広げる方法
51 パーティーでやりがちな失敗を避ける方法
52 忘れられない現れ方をする方法
53 出会いたい人に出会う方法
54 集まりで人を無意識に引き寄せる方法
55 相手を映画スターの気分にさせる方法
56 相手の言ったことを覚えていて驚かす方法
57 目を光らせて売り込む方法

Part 9 最も気づきにくいガラスの天井を破る方法
──人はときにトラになる

58 相手の失敗に目をつぶって好意を勝ち取る方法
59 口ごもった相手のハートをつかむ方法
60 相手に「どんなメリットがあるか」を分からせる方法
61 あなたの役に立ちたいと相手に思わせる方法
62 人にものを頼む(そして頼みを聞いてもらう)方法
63 ばったり会ったときに言ってはいけないことを知る方法
64 相手に聞く準備をさせる方法
65 相手の怒りを鎮める方法
66 (しくじってしまっても)好かれる方法
67 ネズミを品よく捕まえる方法
68 なんでも望みのままにサービス担当者から手に入れる方法
69 大勢のなかで(取り巻きではなく)リーダーになる方法
70 常に正しい判断をする方法

おわりに──あなたの運命は

略歴

[著者]
レイル・ラウンデス Leil Lowndes
コミュニケーションの世界的エキスパート。アプローズ社社長。ウォルト・ディズニーやコダックなどフォーチュン上位500社の企業をはじめ、ボランティア団体や外国政府、大学などでも実践的スキルを伝授するかたわら、テレビ・ラジオへの出演や雑誌への寄稿でも活躍。ビジネス誌のピュリツァー賞とも言われるジェシー・H・ニール賞を受賞(96年度)、テンプル大学から名誉博士号を贈られている。『最高の恋を射止める85の方法』(邦訳・日本文芸社)など著書やオーディオシリーズも多数。
公式ウェブサイト:http://lowndes.com/

[訳者]
小林由香利(こばやし・ゆかり)
翻訳家。東京外国語大学英米語学科卒業。訳書にリチャード・ロビンソン『やっぱり、あるあるマーフィーの法則』(共訳、阪急コミュニケーションズ)、P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』(NHK出版)など。

●装丁・本文デザイン/轡田昭彦・坪井朋子