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英語を社内公用語にしてはいけない3つの理由

英語を社内公用語にしてはいけない3つの理由
津田幸男 著
  • 書籍:¥1,500(税別)
  • 四六判・並製/208ページ
  • ISBN978-4-484-11214-5
  • 2011.06発行

英語の社内公用語化が日本を救う?とんでもない!英語の公用語化は日本を衰退させかねない危険をはらんでいます。グローバル化の側面だけではわからない英語社内公用語の「危険性」を考えるための必読書。

書籍

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内容

英語の社内公用語化が日本を救う? とんでもない!
英語の公用語化は日本を衰退させかねない危険をはらんでいます。

グローバル化の側面だけではわからない
英語社内公用語の「危険性」を考えるための必読書。

楽天とユニクロが英語を社内公用語にするというニュースを知った津田幸男・筑波大学教授は、なんとしてもこれを止めなければ、と両社に抗議文を送りつけました。
本書では、その抗議文を掲載するとともに、英語社内公用語化がなぜ問題なのかを徹底的に追及します。
英語を単なる道具だと考えている人は多いですが、言語にはそれ以上の大きな役割があります。英語によって社会格差が拡大し、日本語で考える権利を奪われるとしたら……。

「本文」より

 英語を純粋無垢な道具ととらえて、ただ勉強すればよいと思っている人は星の数ほどいるでしょうが、そのような単純な言語観では英語の正体はつかめません。
 現在、英語は大きな権力になっています。英語をつかむ者はのし上がり、そうでない者は落ち目になるというように、「格差」と「序列」と「不平等」を生む権力なのです。ですから安易に英語を社内公用語などにしてはいけないのです。
 この大きな権力を安易に日本の中に根付かせることは、日本社会の根幹を揺るがすような影響をもたらします。私たちはこの権力としての英語の「恐ろしさ」を忘れずに、英語への警戒心をしっかり持つべきです。

目次

序章  楽天、ユニクロへの手紙
本書の概要と構成

1章  英語社内公用語の実態--英語化する企業
主要5企業の「英語化」と「英語社内公用語化」
(1)日産自動車 (2)パナソニック (3)ユニクロ (4)楽天 (5)シャープ
企業の英語重視政策--採用、昇進に英語力がどれほど求められているか?
「英語力」を採用条件にしているか?
「英語力」を昇格の条件に入れているか?
楽天、ユニクロ社員のホンネ--「プレジデント」の特集より

2章  英語公用語論の歴史--公用語とは何か?
森有禮の「英語採用論」
志賀直哉の「フランス語採用論」
2000年の「英語第二公用語論」--その副産物と誤謬
「公用語」とは政府・会社が使用を約束する言語

3章  英語を社内公用語にしてはいけない理由(1)--日本語の衰退を招く
日本は英語偏重社会になっている
(1)実用英語に傾斜する大学教育
(2)英語教育の早期化
(3)「英語力」が人生を左右する
(4)文科省「英語が使える日本人」育成政策
英語偏重は日本語の衰退を招く
(1)深まる「英語信仰」、広がる「日本語軽視」
楽天・三木谷氏の「英語信仰」と「日本語軽視」
「人格形成」よりも「競争力」を強調する三木谷氏の教育論
英語偏重は日本語の衰退を招く
(2)英語が「上位言語」、日本語が「下位言語」
(3)英語への「乗り換え」が起きる
100年後、日本人は日本語を話しているだろうか?

4章  英語を社内公用語にしてはいけない理由(2)--格差を拡大する
英語が格差を生み出す
(1)英語力が高収入、高位置につながる
(2)「英語を使う人」と「英語を使わない人」の収入格差
(3)「英語が出来る階層」と「英語が出来ない階層」への分裂
(4)「日本語ができない外国人」の増加
(5)日本企業に就職できない日本人の増加
英語社内公用語が格差を拡大する
(1)「英語偏重社会」から「英語格差社会」へ
(2)「二重言語社会」が日本を分断する
(3)日本が「ガイジン天国」になる
(4)「英語特権階級」の出現

5章  英語を社内公用語にしてはいけない理由(3)--言語権を侵害する
「言語権」とは何か
言語権と基本的人権、人格権、精神の自由権
世界言語権宣言--広がる「言語権」意識
「英語の強制」はさまざまな権利を侵害する
(1)「英語の強制」は基本的人権の侵害である
(2)「英語の強制」は「人格権」の侵害である
(3)「英語の強制」は「精神の自由権」の侵害である
(4)「英語の強制」は「自己決定権」の侵害である
法律の専門家も疑問視する「英語社内公用語」
「言語」は「単なる道具」ではなく、「権利」である

6章  もしあなたの会社が英語を社内公用語にしたらどうすべきか?
積極的順応
消極的順応
闘争的抵抗
平和的抵抗
分離
「英語社内公用語」が日本のためになるか考えよ

7章  日本語優先主義のすすめ
英語より日本語を
日本語優先主義の5つの主張
(1)日本人の英語信仰が日本を滅ぼす
(2)日本人とは日本語人である
(3)日本語は日本の基盤であり共有財産である
(4)国際主義ではなく日本回帰を
(5)世界の平和のために
「英語優先」から「日本語優先」に軌道修正せよ

終章  経済至上主義から文化至上主義へ 
経済至上主義--戦後パラダイムの終焉
文化至上主義--災後の新しいパラダイム
文化至上主義の目標--環境保護と伝統文化保存
日本からの発信--日本型ソフトパワーの輸出

あとがき

著者

津田幸男(つだ・ゆきお)
1950年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。専門は英語支配論、言語政策、国際コミュニケーション論。都立高校の英語教師を務めた後、1985年に南イリノイ大学で博士号を取得。名古屋大学教授などを経て、2001年より現職。著書に『英語支配の構造』(第三書館)、『侵略する英語 反撃する日本語』(PHP研究所)、『英語支配とは何か』(明石書店)、『日本語防衛論』(小学館)など。

●カバーデザイン/ヤマダ・マコト(志岐デザイン事務所)
●カバーイラスト/カワチ・レン
●本文デザイン・DTP/萩原 睦、沖田匡宏(志岐デザイン事務所)
●校正/熊澤華栄