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「透明社員」を使え! やる気のない部下を頼れる戦力に変える方法

「透明社員」を使え!
エイドリアン・ゴスティック/チェスター・エルトン 共著
古賀祥子 訳
  • 書籍:品切れ
  • 四六判・並製/240ページ
  • ISBN978-4-484-11107-0
  • 2011.05発行

目立たないように無難にやり過ごし、失敗を恐れてリスクをおかさない。そんな存在感の薄い「透明社員」があなたの会社にもいるはず。彼らを認め、正しく褒めることは、チーム力をUPさせる賢い投資!「透明社員」を「できる社員」に変えるノウハウを徹底解説。

書籍

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内容

結果を出しても評価されないから最低限の仕事しかしない。クビになりたくないから目立たないように存在を消す……こんな「透明社員」があなたの会社にもいるのでは? ある調査によれば、社員の9割は「自分の仕事を十分に認めてもらえていない」と感じている。

部下をやる気にさせ、能力を最大限引き出すには、彼らに目を向け、功績を認め、褒めること。「透明社員」をモチベーションの高い「目に見える社員」に変えることで、チームの力も会社の業績も確実に伸びるのだ。

“社員の褒め方”のエキスパートが、リーダーに必要なノウハウを徹底的にアドバイスする。NYタイムズ紙のベストセラーとなった話題の書の増補版。

「はじめに」より

 今、世界経済は未曾有の不安定状態にあり、思慮分別のある人なら誰でも、やがて内部崩壊するのではないかといぶからずにはいられない。今やビジネス界には、一時解雇、倒産、緊急財政援助、抵当流れ、経営破綻などの文字が氾濫している。
 あなたの職場でも、同僚との世間話が様変わりしたに違いない。以前はスポーツの試合結果や政治の話、社内の噂話で盛り上がっていたのが、今では「次は誰がクビになるか聞いたか?」なんていう惨めな話題ばかり。
 そんな状態では仕事にも身が入らないのでは?
 結果、社員たちはこぞって首を切られたニワトリみたいに慌てふためいて走り回ることになる。誰も彼も、次はきっと自分の番だと怯えている。パニックがさらにパニックを生み、「こんな無茶苦茶な状態がいつまで続くんだ?」と誰もが思っている。知りたい方のために言っておくと、ギネスブックに載っている首なしニワトリの世界最長生存記録は一八カ月。経済不況の平均持続期間とだいたい同じ長さだ。
 そういう社員たちは、どっちにしても誰も自分たちを救ってなどくれないと思っているかもしれない。彼らにとって上層部は敵なのだ。とすれば、この首なしニワトリたちはどんな戦法に出るだろう? 目につかないように隠れ、その場をやり過ごせるだけの仕事をして、事が収まるのをただじっと待つ。つまり、存在の見えない「透明社員」になってしまうのだ。
 奇妙なことに、この心理的パニック状態はずっと尾を引き、危機が去った後まで続くことがある。目立たないように無難にやり過ごすという行動が染みついてしまうのだ。普通ならチームリーダーになるようなずば抜けて有能な社員でも、あえてリスクを冒さなくなる。失敗したくないからだ。今のような経済事情では、失敗が招く結果はあまりにも大きすぎると思い込んでしまうのである。
 管理職が部下の能力を見出して育て、革新を奨励し、有能な人材をキープすべき時代があるとすれば、それは今だ。昨今の逼迫した情勢を考えれば、今こそ最後のチャンスだ。

(中略)

 競争の激しい今日の環境では、誰もが次の大プロジェクト、次の大きな可能性や解決策を探している。そうした成果を達成できる唯一の手段は、意欲と高い意識を持って仕事に取り組む「目に見える」社員の集団だ。プロジェクトの予算表や戦略文書の類にヒントを探しても、おそらくまったく的外れに終わるだろう。社員に目を向け、その努力に報いることに賢く時間を投資することこそ、あなたの会社を継続的な成功に導く鍵だ。それは、本当の意味で組織の市場価値を上げる投資なのである。
 この点は信用していただいていい。
 そこで、あなたが一歩踏み出すにあたってわれわれが望むのは、今あなたのもとにいる人材を使って組織の力を高める秘訣を知り、組織に利益をもたらす手段として本書を利用していただくことだ。この後のページを読めばおわかりになると思うが、社員の功績を認め、参加意識を高めることは、いわゆるビジネスのソフト面ではない。それこそがビジネスの成功の基盤だ。そして、広い意味での人生の成功の基盤でもある。認められ評価されることは、世界的大企業の社長から幼稚園に通う子どもまで、誰にでも必要なことなのだ。

(中略)

 われわれの望みはごくシンプルだ。あなたの組織や部署にいる「透明社員」を見つけて、彼らを日陰から連れ出し、その能力を最大限に発揮させてあげてほしい。われわれにとって本書は、日々懸命に働き多くの成果をあげているにもかかわらず、目を向けられず、認められないでいるすべての献身的な社員たちの声明書だ。彼らの功績に目を配り、認めることで、あなたのチームや会社の力はより一層高まるはずだ。
 そうすれば、やがて気づくだろう。「目を配る」ことが成果につながる──いつでも、どこでも、誰にとっても。

目次

はじめに

chapter 1 透明化する社員たち
社員はなぜ自分が「見えていない」と感じるのか
透明社員は「できない社員」になる
参加意識を高める3つのシンプルなステップ
出発点は社員の満足度を正しく知ること
□社員の「見える化」実践ツール:「透明社員度」を測ってみよう

chapter 2 社員が消える!
社員が会社を去る理由
有能な社員がまずいなくなる
褒めすぎてダメになることはない
離職・採用は想像以上に高くつく
□社員の「見える化」実践ツール:離職コストを計算しよう

chapter 3 すぐれたリーダーは社員を見ている
変化を起こせるのは「人」が見えるリーダー
社長より、あなたに認めてほしい
あなたが目を向けるべき方向は?
ビジョンを行動に結びつけて、明確に伝える
ビジョンは正しく定める
部下を観察し、徹底的に知る
デスクを離れて、顔を合わせる時間を
現金崇拝を打ち破れ
□社員の「見える化」実践ツール:部下が望むレコグニションの方法を把握しよう

chapter 4 社員の正しい認め方・褒め方
褒めることは、効果的な解決策
具体的に褒める
誠意を込めて褒める
公の場で褒める
適切な褒め方を選ぶ
何度でも繰り返して、日常的に褒める
50のレコグニション・モデル
□社員の「見える化」実践ツール:感謝を込めたメッセージを送ろう

chapter 5 社員の「見える化」で、結果も目に見える
成果は会社の損益に表れる

chapter 6 社員が戻ってくる!
社員は何を期待して入社するのか
オンボーディングを機能的に
期待に応える組織に変化させる
レコグニション研修の重要性

おわりに
いざ成功へ!

原注

著者

エイドリアン・ゴスティック(Adrian Gostick)
O・C・タナー・カンパニーのコンサルティング・研修事業部であるキャロット・カルチャー・グループ副社長。シートン・ホール大学で戦略的コミュニケーション/リーダーシップの修士号を取得、同大で組織文化論の客員講師を務める。エルトンとの共著『ニンジンの法則』(キングベアー出版)をはじめ、企業文化をテーマにした著書の多くがベストセラーになった。著書は20の言語に翻訳され、50カ国以上で発売されている。社員の参加意識に関する彼の研究は、CNNのラリー・キングに「現代のマネジャーの必読書」と称された。リーダーシップ論の専門家としてNBC「トゥデイ」など全米ネットのテレビ番組に多数出演するほか、多くのビジネス書や雑誌に発言が引用されている。

チェスター・エルトン(Chester Elton)
O・C・タナー・カンパニーの事業部、キャロット・カルチャー・グループ上級副社長。リーダーシップに関する多数の著書があり、2006年に出版された本書の初版はニューヨーク・タイムズのベストセラーに。著書は20以上の言語に翻訳され、世界で約100万部を売り上げている。モチベーションの専門家として、ウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズなどの新聞・雑誌に取り上げられ、CNN、NPR、CBS「60ミニッツ」などのテレビ・ラジオ番組に出演。KPMG、ウォルマート、ペプシ・ボトリング・グループなどのフォーチュン100企業のレコグニション・コンサルタントを務め、講演にも活躍している。

carrots.com では、本書に関連した情報や資料なども公開している。

訳者

古賀 祥子(こが・さちこ)
東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。コンピュータメーカー、外務省所管の公益法人勤務を経て実務・出版翻訳に携わる。訳書に、『ワールド・イズ・ブルー』(日経ナショナル ジオグラフィック社)、『なぜ女は昇進を拒むのか』(共訳、早川書房)、『アイデアマップ』(阪急コミュニケーションズ)、『この「聞く技術」で道は開ける』(PHP 研究所)など。

●カバーデザイン/ヤマダ マコト(志岐デザイン事務所)
●本文デザイン・DTP/萩原 睦、沖田匡宏(志岐デザイン事務所)
●校正/麦秋アートセンター