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ココロとカラダに効くお寺

ココロとカラダに効くお寺
朝倉一善 著
  • 書籍:¥1,400(税別)
  • 電子書籍:¥1,120(税別)
  • A5判・並製/192ページ
  • ISBN978-4-484-10212-2 C0026
  • 2010.05発行

お寺に行ってお参りするだけなんてもったいない! 坐禅や写経以外にもさまざまな体験ができるお寺は、もっとも身近な“パワースポット”。さあ、癒しと健康をもらいにお寺へ行こう! 《全国「体験できる」お寺ガイド》

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内容

あなたは、お寺に行って何をしますか?
お賽銭をあげて、お参りして、おみくじを引いて……それだけ?
お寺は、坐禅や写経ができるだけでなく、精進料理教室があったり、
鍼灸治療をしてくれたり、落語の寄席が催されたりと、
さまざまな体験ができる“憩いの場”でもあるのです。
そこでは、悩みもストレスも、病気さえもどこかへ行ってしまいます。
まさに、私たちにもっとも身近なパワースポット!
さあ、心も体も癒されるお寺めぐりへ出発しましょう。
――永平寺から柴又帝釈天まで《全国「体験できる」お寺ガイド》

はじめに

コンビニの倍以上もある寺院数
 日本全国の郵便局の数はおよそ2万5000軒といわれる。すっかり私たちの身近な存在になったコンビニ(コンビニエンスストア)はそれよりもずっと多く、約4万軒。
 では、寺院の数は日本全国でいくつあるか? 実にコンビニの2倍以上の約8万5000軒もあるのだ。にもかかわらず、郵便局やコンビニよりも〝全く〟身近に感じられない、という人は多いのではないか。
 ほとんどの日本人にとってお寺とは、時どき訪れる観光地の寺院か、葬式や供養の墓参りで数えるほどしか足を運ばない菩提寺のことである。葬式仏教ということばがあるが、心ないお寺が檀家制度に胡あ ぐ坐らをかき、本来の仏教による檀家の人々の精神面でのケアや救済をおろそかにして、戒名料をはじめとする高額なお布施を要求するばかりで、一般の人々が身近に感じられないどころか寺離れ、仏教離れをおこす例も少なくない。

仏教は究極の健康法だった
 二千数百年の昔、お釈迦さまが説かれた仏教とは、生・老・病・死にまつわる問題をはじめとする、人間の力ではどうしようもできないことがら(苦)と向き合い、それらに執着せず、こだわらず、折り合いをつけて生きる――心身ともに解放・救済し、活力を与える――ための総合的な文化であったと私は考えている。
 お釈迦さまの教えは、卑俗な「葬式仏教」などとは無縁の、どんなことがあっても生きて、生きて、生きぬいていくというものだった。
 私たちが、私たち自身に具そなわっている「生命の本源」に立ち帰り、その生命を全うすること。礼拝、読経、瞑想、作さ努む、食事といった日々の行を通じて我執(自分への囚われ、私が私がというしがみつき)をのぞき、本来の自己――宇宙を貫くエネルギー情報そのものである自分――に目覚めることである。そのための知恵として、古代インド医学のアーユルヴェーダと仏教の教理が深く結びついた多くの仏教医学も発展したのである。
 誤解をおそれずにいえば、仏教とは、生命(心身)の自在と制御を行おうとする究極の生き方=健康法であった、ということができると思う。「仏教は究極の健康法」という観点にたつと、お寺の生活はなるほど心身の健康を維持し結果として長寿をもたらす、すぐれた知恵に満ちていることがわかる。一般的に僧侶は、早寝早起きによる規則正しい生活、信仰・修行による心の安定、勤行・作努といった発声(呼吸)や適度な運動を伴う行い、精進料理の簡素な食事、境内の自然環境などがその健康維持に役立っているといえる。

お寺で元気になる
 坐禅、読経、真言・題目・念仏を唱える、御詠歌を詠ずる行は、いずれも臍へその下方三寸(約9センチ)の下腹部奥にあるという丹たんでん田を意識して長ーく吐いていき(呼気)、すっと自然に吸う(吸気)丹田呼吸が主な要素として共通している。写経も姿勢を正して墨をすり筆を運ぶのは、丹田呼吸による行である。
 この丹田呼吸によって私たちの脳内の神経伝達物質であるセロトニンが分泌され、心を落ち着かせて心身ともにすっきり爽快な状態をつくることが医学的に確かめられている。イライラ、不安感やうつ状態、過度の興奮を抑える働きが期待できるという。
 精進料理は、脳や身体によい食材、飽食の現代にあっては足るを知るカロリーが身体をやさしく養ってくれる。舌だけでなく、目や耳でも味わい、自身で作ることもできれば、脳を満遍なく使って心身が活性化するのだ。鍼灸師の資格をもった住職による施術は、経絡を通じて身体機能を調え血行をよくし、さまざま症状を改善してくれる。
 琵琶や二胡の演奏、水琴窟は妙なる音の波動で聴くものを癒す。温泉はセロトニンを分泌させホッと安心させる。身体を温め血行をよくしてさまざな病気を防いでくれる。
 本書は、こうしたお寺のもっている心と身体の癒し、養生の知恵を知り、体験するための入門書である。あなたが気に入ったお寺に足を運び、我を忘れて行に打ち込むとき、熟練の施術、自然の食材や音色にふれて癒され心から感謝するとき、あなたは間違いなく「仏の生命そのもの」になって「今この一瞬」に生ききっていく、新しく生まれ変わっていくことができるだろう。

目次

はじめに

1章 坐禅で呼吸をととのえる
永平寺(福井県永平寺町) 曹洞宗の大本山で3泊4日の参禅修行
観音院(東京都武蔵野市) 坐禅を組み、お袈裟を縫って、福徳が生じる
全生庵(東京都台東区) 幕末志士の寺で学ぶ、丹田呼吸と仏教講座
 坐禅が体験できる全国のお寺

2章 読経・写経で心を落ち着かせる
浅草寺(東京都台東区) 東京の一大観光地で唱える観音経
帝釈天題経寺(東京都葛飾区) 寅さんが見守る柴又で癒しの読経を
證誠院(千葉県松戸市) 滝行で唱え、礼拝行で唱える
寿徳寺(東京都北区) 近藤勇の菩提寺で、写経によって無心になる
 読経・写経が体験できる全国のお寺

3章 精進料理と断食で体をきれいに
總持寺(神奈川県横浜市鶴見区) 食材とふれ合う精進料理教室
竹寺(埼玉県飯能市) 目と耳と舌で味わう、竹のお寺の精進料理
成田山新勝寺(千葉県成田市) 水だけで1週間、本格的な断食参籠
 精進料理・断食が体験できる全国のお寺

4章 鍼灸と温泉で体を温める
温泉寺(兵庫県神戸市北区) 有馬温泉の禅寺で鍼治療と普茶料理
金剛寺(埼玉県川口市) 伝統ある薬師堂でリラクゼーション灸治療
温泉寺(長野県山ノ内町) 信玄ゆかりの温泉寺の竈風呂で汗を流す
 鍼灸と温泉を体験できる全国のお寺

5章 演奏と歌に心癒される
阿弥陀寺(神奈川県箱根町) 草花豊かな箱根の寺で、心に響く琵琶弾奏
円通寺(山梨県富士河口湖町) 清浄な空間での坐禅、二胡演奏、そして朝粥
龍光寺(東京都杉並区) 仏をたたえる御詠歌の、おごそかな音色
恵法寺(山梨県笛吹市) 花々が咲き誇る庭園で、水音に耳を澄ます
 御詠歌と水琴窟を体験できる全国のお寺

6章 水とワインと笑いに元気をもらう
青苔寺(山梨県上野原市) 電子を付加した水に、身も心も浄められる
大善寺(山梨県甲州市) 国宝と秘仏に見守られ、自家製ワインを味わう
妙法寺(東京都杉並区) 古典落語の舞台の寺で、笑いでストレス発散
 名水とお酒と落語を体験できる全国のお寺

「あとがき」にかえて

著者

朝倉一善(あさくら・かずよし)
1951年、長野県に生まれる。健康ジャーナリスト。「エネルギー情報」をキーワードに全国の寺社、古流武道などを取材するほか、飲用できる温泉水の取材に関しては第一人者で、『医者もおどろく“奇跡”の温泉』(小学館)がベストセラーになる。そのほかの著書には、『四国お遍路の歩き方』(PHP研究所)、『クスリのいらない仏教健康法』(三笠書房)、『日本全国神仏修行入門』(講談社)、『“奇跡”の温泉 医者も驚く飲泉力』(朝日文庫)などがある。

●写真すべて/朝倉一善
●ブックデザイン/佐藤光生(SANKAKUSHA)
●DTP・校正/鴎来堂