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おもひつ記

おもひつ記
小林一三 著
  • 書籍:品切れ
  • 四六判・上製/492ページ
  • ISBN978-4-484-08204-2
  • 2008.06発行

宝塚歌劇団を中心に、日本の演劇界に厳しくも温かいエールを送りつづけた小林一三(逸翁)が綴る、戦後の復興期から高度成長期にかけての貴重な日本演劇の記録。政財界のみならず、演劇界に遺した偉大な足跡を辿る!

書籍

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内容

阪急電鉄創設者にして宝塚歌劇団の生みの親・小林一三(逸翁)が、戦後復刊第二号の昭和21年5月号から昭和32年2月号まで、『歌劇』誌上に連載したエッセイを完全収録。宝塚歌劇団の天津乙女、葦原邦子、越路吹雪ら、往年のスターのエピソードをはじめ、理想の舞台芸術を追求し、日本の演劇界への叱咤激励と深い愛情を綴った、戦後の復興期から高度成長期にかけての貴重な演劇史。

目次

序 小林公平

昭和二十一年
五月号 宝塚大劇場の再開を喜んだが発疹チフス発生のため三週間延期/若いスタッフや有望な生徒を海外留学させたい/音楽学校の教育方針も戦後を機会に変更/真の芸能教育の殿堂をめざして/雑誌『歌劇』の復刊第一号を見て叱る
六月号 「春のをどり」が天然色トーキー映画になって米国で紹介/宝塚歌劇団は営利をはなれて理想的な芸能集団をめざす
七月号 宝塚歌劇団に男性が加入するという問題について/芸能人の労働組合活動に思う
八月号 西洋にくらべて日本の映画女優の人気の儚さを憂う/そして宝塚の場合は/よくなってきた『歌劇』誌
九月号 代役公演のこと/午前と午後に二組が違う公演をした二部制は大失敗/「宝塚舞踊会」を見て/再演「ジャブジャブコント」に失望
十月号 帝劇で「白鳥の湖」を観劇/初音麗子を千日前の大劇で見て卒業生たちの将来のことなどを思う/『歌劇』九月号を叱る

昭和二十二年
一月号 平井房人君から草笛美子劇団が九州で公演していると聞いて/京都では宇知川朝子も頑張っている/宝塚出身者たちだけの劇団は中劇場で出来ないだろうか/雑誌「宝塚ふあん」のこと/もし「たから座」を創って男性を加入した場合、宝塚の男役との関係はとかいろいろ考えるのも楽しい/東宝のストライキについて/宝塚の争議はどうなっているのか
二月号 改造なった中劇場の運営について/民主主義と共産主義
三月号 長谷川一夫と花柳小菊の川上音二郎一代記「白虎」をみての感想/宝塚ももっとスピード感ある舞台づくりを/「踊る四季」はなかなかの作品/軽音楽を重視すべし/大河内伝次郎君が来宅、「十人の旗の会」のことなど
四月号 中劇場で宝塚出身のスターを集めて「宝塚同窓座公演」とか出来ないだろうか/宝塚映画が再出発/映画「四つの恋の物語」のポスターに感心する/共産党機関紙「赤旗」を読んで
五月号 宝塚の生徒がダンスホールに居たという投書をもらって/宝塚に女子だけのバンドを創るという構想を聞いて
六月号 天津乙女の「私の踊り暦」を読んで/「宝塚ふあん」誌の岸勇君の死を悼む/宝塚の入学試験にあらぬ噂があると聞いて
七月号 轟夕起子と楠かほるが梅田映画でアトラクションに出演/東宝映画「音楽五人男」を叱る/有楽座で緑破とエノケンを見て、共演の三益愛子に失望/東京公演の再開は近いがいろいろと心配/葦原邦子が『歌劇』誌に寄稿した「日劇の客席から」を読んで
八月号 歌舞伎の襲名と松竹の襲名興行/「アサヒグラフ」の写真に抗議する/月組は続演が多くてかわいそうという投書に答えて
九月号 元出版部の丸尾長顕君と語り合う/引田一郎君の新計画や努力に応援を/九月にレビュー「モン・パリ」二十年記念を開催すると聞いて喜ぶ
十月号 中劇場での月組公演に失望、中劇場の運営についての一考を/岸田辰弥追悼「モン・パリ」を二十年ぶりに観劇して
十一月号 小野晴通の「千姫」を見て大満足、南悠子の熱演にも感心
十二月号 堀正旗の「リラの花咲く頃」は秀逸/中劇場での新進の研究劇「能因法師」「守銭奴」「たけくらべ」を見てなかなかの出来ばえ、二十年前の昔を思い出す

昭和二十三年
一月号 京阪神急行電鉄(阪急)のストライキが宝塚の芸術境にまで波及することに遺憾を覚える/思想の違いで宝塚を去る人は残念だがその芸術性は尊重するし、もし帰ってくれば歓迎したい/朝日コーラス団を知り、宝塚に男声コーラスの導入を考えてはと思う
二月号 冨士野高嶺の「宝塚日記」に感嘆/バレエ界の小牧正英氏とレッスン教育について話し合う
三月号 宝塚の男性加入問題と男生の教育
四月号 期待していた「早春賦」に大いに失望、テンポも鈍く脚本、振付も悪い
五月号 高崎邦祐「ベネチア物語」は傑作だが一工夫を/舞踊劇「になひ文」は後半が残念/内海重典「レインボーの歌」は合格/大劇松竹少女歌劇「春のおどり」を見ての感想/久松一声の「かまど姫」を丸尾長顕君が放送劇で男性を加えて放送、宝塚での男性加入問題の是非を考察
六月号 谷崎潤一郎が東宝映画「面影」を見てその愚劣さを痛感したとのこと/製作費が少ないと芸術的な作品が出来ないという連中
七・八月号 『歌劇』誌の発行日について/阪急電車のストのため宝塚まで休業とは/イデオロギーの非芸術的世界から超越した別天地を創るべき
九月号 労働基準法の制定で一組二十日間公演に、そのため花月雪に加えて星組が復活、四組編成となる/規則は厳守しなければならないが、宝塚は芸術活動であり労働時間等いろいろ工夫をする必要がある
十月号 水田茂の「弥次喜多道中記」と久しぶりの岡田恵吉の「二つの顔」を楽しく観劇/家庭人になる洋舞の名手玉津眞砂に思うこと
十一月号 星組の新編成をめぐって/『歌劇』誌への読者の思い
十二月号 星組に男性を加入させてはというご意見ほか/組の編成より作品の充実を

昭和二十四年
一月号 愛読者大会への高まる期待/宝塚映画がいよいよ再開
二月号 愛読者大会は期待外れだったが、同窓会は盛会/正月公演「ハムレット」と「花子」を見ての感想
三月号 同窓会に参加しての会話から/宝塚卒業生たちの互助的組織はできないものか
四月号 広く専門家に呼びかけて脚本懸賞募集を/戦前にあった宝塚小劇場運動の復活を
五月号 親切なS君からの忠告、スタッフも生徒もオーバーワーク/外部からのスタッフも導入しては
六月号 東京日劇公演の熱狂的ファンにお願い/月組「春の踊り」に落胆/越路吹雪の休演と水原節子の代役に思う
七月号 日劇公演に対するファンからのお手紙/丸尾長顕君の『宝塚スター物語』/宝塚の夜間営業/阪急の太田垣社長が渡米、電鉄や百貨店だけでなく映画産業も視察とのこと
八月号 『歌劇』誌は宝塚の公的記録誌でもある/法規を遵守しながら過度にならない公演日程の工夫を
九月号 専科を拡大し新鮮な組み合わせによる配役を提案する/無闇に生徒数が増えるのも考えもの、舞台人としての適性を考慮して将来のことを指導すべき/制作スタッフも含めた宝塚の適正な人員構成とは/座席券販売によせられた痛切な苦情
十月号 広告のない『歌劇グラフ』の編集方針と新機軸に敬服/機関誌『歌劇』に創意工夫を
十一月号 若手スタッフの育成を/宝塚の人員整理問題の誤解/室町良子の結婚退団を祝って
十二月号 喜寿のお祝いに生徒たちから嬉しい贈り物

昭和二十五年
一月号 宝塚歌劇の帝国劇場での定期公演を祝す/宝塚映画へのスタッフの参加/室町良子の結婚式で涙
二月号 懐かしい黒紋付に緑の袴の復活を、そして洋服の制服を作りたい/北野劇場での演出方法/十二月公演は中劇場と決めて新進の抜擢を/外部からも叡智良智を集める勇気を引田君に期待する/帝劇初公演「ウィンナ・ワルツ」に友人から辛辣な批評
三月号 帝劇が東京常演劇場になるためには生徒の心がまえと稽古が第一/朝日新聞に掲載された越路吹雪の「純粋な友愛」を読んで感服
四月号 帝劇での常演は成功したがさらなる努力が肝要/ラジオ「宝塚アワー」への一つの提案/バレエ「妖炎」を見ての感想
五月号 困った宝塚歌劇の偽者劇団/四月公演「春のおどり」はダラダラ長すぎて不評だったがカットして傑作になった/音楽学校卒業生の研究初舞台を見て
六月号 高木史朗「春のおどり」は傑作/絢爛豪華多人数だけのレビューではマンネリズムになりがち、欧米の舞台のような対話芸術や特殊な技芸を持った舞台人の養成が必要/時世に合わせた舞台づくりを
七月号 東京で宝塚歌劇学校の同窓会に呼ばれて/葦原邦子のスピーチ/香村菊雄の「西施」を観劇して/帝劇公演に対する厳しいご叱声をいただいて
八月号 帝劇が新会社として発足/帝劇公演の今後のありかた/宝塚を愛する老ファンから時代の変化、大衆と宝塚の関係など、厳しくも温かい手紙を頂いて感謝
九月号 久松一声七周忌記念「お夏笠物狂」の演出に不満/プールで水中ページェントを見る
十月号 受け取った手紙から/帝劇と江東楽天地と宝塚芸術とは
十一月号 「恋は御法度」と「ヤマ・ローサ」を観劇/引田理事長の新構想に期待する
十二月号 越路吹雪の映画「東京の門」外部出演/宝塚新芸座道場が結成され初公演/久慈あさみ退団の顛末と映画界の現状

昭和二十六年
一月号 「宝塚は映画女優の最高養成所」という記事を読んで/久慈あさみの引き抜き問題の後遺症/宝塚新芸座道場十一月公演を見る
二月号 久慈問題と東郷静男氏からの手紙/宝塚新芸座の将来に期待する/「エノケンの天一坊」を見る/白井先生の「ラ・ヴィオレテラ」を見て衣装、装置の豪華さに敬服/宝塚の題名は何故カタカナで難しいのか疑問である
三月号 観光地宝塚が昔のように家族的になって嬉しい/関西経済連合会の人たちの宝塚評/帝劇コミックオペラ第一回公演を観劇
四月号 宇知川朝子が新芸座に出演/「四つのファンタジア」「白き花の悲歌」共に秀作/東宝映画「宝塚夫人」を見て/春日野八千代の主演映画「情艶一代女」のセリフまわし
五月号 新芸座公演「恋のスタイルブック」を観劇/葦原邦子独唱会で思うこと、「芸術と生活の一致」/花柳禄寿の舞台びらき/新橋演舞場の「春の踊り」を見ての感想
六月号 新芸座「大阪おぼこ娘」を見る/ラッキー・セブン、いとし・こいし、A助・B助など/三浦光雄氏の「雑草なき花園」を読んで昔のことをいろいろと考える/特急ツバメの展望車にて
七月号 宝塚新芸座にスターの育成を/高木史朗の「河童まつり」は宝塚空前の壮挙、理想とする「国民劇」の創成である/歌舞伎もオペラも大衆を相手にした演劇にすべきである/西洋でもオペラはすでに大衆のものではない
八月号 宝塚新芸座が梅田や神戸で公演するのはまだ早い/雪組「浮かれ地蔵」は愚作/「南十字星は耀く」は帝劇向き/帝劇でコミックオペラ「マダム貞奴」を見る/東宝映画「海賊船」を見る
九月号 宝塚の組替えと新組長の誕生/下級生の長谷川季子の映画出演は早すぎる/白井鐵造「虞美人」は素晴らしい、早く東京へ持っていきたい
十月号 私の追放解除を祝って帝劇で宝塚カーニバル/続演の「虞美人」も大好評/帝劇で宝塚の初演をするのは危険
十一月号 新芸座が宝塚映画劇場(旧中劇場)へ進出/「虞美人」を四組で競演しては/国際劇場、日劇、帝劇三館で「秋の踊り」の競演/いろいろな投書を頂いて
十二月号 菊田一夫君が宝塚新芸座を見た感想/新芸座は浅草喜劇ではなく高尚なる音楽喜劇をめざすべき/宝塚映画製作所の開場式とその方針

昭和二十七年
一月号 宝塚映画製作所の処女作「元禄水滸伝」の成功を祈る/「シェヘラザード」と「花の風土記」を見ての雑感/下積みの生徒たちの才能を引き出そう
二月号 年賀式のあと「源氏物語」と「ブロードウェイ」を観劇/宝塚の生徒の常識がないという話を聞いて/梅田映画劇場で大谷友右衛門の実演を見て/映画「羅生門」について
三月号 宝塚映画「元禄水滸伝」がまずまずの出来で一安心だが反省点が多すぎる/宝塚での映画製作の方法と順序
四月号 新芸座「ほろ酔ひ街道」を見る/菊田一夫君の戦後初の宝塚作品「猿飛佐助」を見る/「虞美人」「源氏物語」「猿飛佐助」と大作が続いて嬉しいがスケールが大きく帝劇へ持っていけないのが残念、東宝劇場の早期の返還をのぞむ/衰微する大阪落語の再建計画を聞いて嬉しく思う
五月号 新芸座の「紅曲馬団」/月組「アメリカーナ」と「春のおどり」を観劇
六月号 新芸座「お宮と貫一」もうひと息/星組公演の天津乙女の「鏡獅子」を旧来の日本音楽で上演したが私は失望/宝塚映画「春秋鏡山城」は面白い/春日野八千代も小夜福子も良い
七月号 新芸座と東宝映画の両方で「三等重役」を見て/高木史朗の欧州土産「シャンソン・ド・パリ」は傑作で歓喜する/宝塚映画の三作目「娘十八お転婆時代」は上出来、ただ東郷晴子と新珠三千代の使い方に疑問
八月号 『歌劇』誌で一番面白いのは生徒の地方公演日誌/小野晴通「安珍清姫」について/帝劇用に新舞踊劇として「牡丹灯篭」「かさね」「八重垣姫」「お祭り佐七」「梅川忠兵衛」など出来ないか/映画脚本の募集
九月号 建物の買収、移築など決めたことは一刻も早く実行せよ/宝塚の生徒によるバレエ「白鳥の湖」を見て/新芸座「上海帰りの女」は成功、映画にしては/大劇場「トゥランドット」も力作、 故里明美が好演
十月号 「トゥランドット」の続演で言いたいこと/テレビ時代到来と興行界との関係視察のため米英仏へ出張旅行/宝塚も新芸座も今からテレビ出演の準備を
十一月号 菊田先生の「ジャワの踊り子」は良かった/帝劇の「天一と天勝」で越路吹雪の成功を確信
十二月号 旅先のニューヨークで『歌劇』十一月号を読んでの感想/ホテルの小さなベッドでいろんなことを考える

昭和二十八年
一月号 「パリ、ローマ」より/アメリカ公演のこと/映画の前途、宝塚の進むべき途、有望な新芸座、音楽喜劇の必要性ほか
二月号 NHKの「宝塚パレード」をもっと大事に/お正月公演「白蓮記」を見る/新芸座の「漫才学校」は面白い
三月号 宝塚の卒業生の百人中九十人は素晴らしく幸せな家庭婦人になっている
四月号 新芸座が新日本、朝日両放送に録音出演、帝劇にも出演が決定/新芸座と秋田實君/新芸座帝劇処女公演のプログラムから/新芸座も花月と二組に/大劇場「蝶々さん三代記」/有馬稲子の東宝入社第一作「ひまわり娘」を見て
五月号 新芸座の脚本募集の不手際を詫びる/真咲美岐の「オケラの戯れ言」の詩想に感嘆/油がのってきた新芸座/新芸座「春霞桜街道」の都蝶々の傑出した演技
六月号 入学試験についての苦情/病臥して聞いたラジオ番組、「上方演芸会」ほかの感想/ラジオ「花のいのちを」は面白くない
七月号 小西松茂、渡辺武雄両君の外遊みやげ「ニューヨーク幻想曲」を観劇/大仕掛けのレビューは年に一、二回にして残りの十ヶ月は三本立てか四本立てにしては
八月号 音楽学校の合唱は拙劣/菊田先生の「ひめゆりの塔」は申し分ない/新芸座「姿三四郎」は面白い/映画「アナタハン」に感激/宮城道雄氏の外国での演奏を祝福
九月号 三益愛子さんが外国から手紙/新芸座を見て思うこと/月組「桃太郎記」はスリルがあって面白い/帝劇に新劇団と俳優学校が出来る/秦君に期待/新芸座から漫才臭を少なくし、より高度な喜劇をめざすには
十月号 各組のスケジュールを公平に/新芸座の東京進出を夢想/赤穂宝塚映画劇場の新築落成で考えること
十一月号 宝塚は女優の宝庫でもあり実家でもある、彼女たちの将来と幸せを思いつづけて/「宝塚オールパレード」は盛会/星組の三本立ては成功、特に「船弁慶」と「薔薇の大地」は良い/テレビの舞台放送、天津乙女の「三番叟」以外は、「桃太郎」などに失望する/ザルツブルグのモーツアルト祭
十二月号 盛会だった宝塚同窓会/特急つばめの展望車でうつらうつら夢見る実家を離れた卒業生たちの活躍のこと

昭和二十九年
一月号 月組公演「アンニー・ローリー」は良い/新芸座「にしん場」「鼠小僧次郎吉」は一考を/年末の愛読者大会「宝塚歌謡四十年史」は涙が出るほど嬉しかった/南街会館の竣工、「明朗ダンスクラブ」の開業
二月号 雪組「人間万歳」を観劇/越路吹雪のショウを見て彼女が可哀そう/「第二回宝塚義太夫歌舞伎研究会」を見て/宝塚映画製作所の機械が古いと指摘されて
三月号 菊田先生に「君の名は」を宝塚レビューにしてほしい/月組、小牧正英先生の「プリンス・イゴール」は雑然、「大川端」は合格、内海さんの「たそがれの維納」は失敗/ブラウン氏の痛烈なご指摘に赤面する
四月号 若い歌舞伎役者が映画に出演することについて/「宝塚歌劇四十年史」の序文を書く/大劇場主義、新国民劇の創生、これからの映画について/三月花組公演は三作とも良い
五月号 宝塚歌劇団四十年祭に参列/その挨拶文から/「週刊朝日」の記事に抗議する
六月号 四十年記念「春の踊り」の続演/坪内士行の「女郎蜘蛛」の再演を見て/卒業生を交えた「宝塚歌劇四十年まつり」が大盛況/アーニー・パイルが還ってきそう/新芸座も健闘
七月号 阪急百貨店友の会公演「榎の僧正」「眼」「宝塚歌舞伎絵巻」を見ての感想/大劇場「サッカ・ローラ」と「若き日の花咲爺」/大阪に「北の文化地帯」を創る/OSミュージック劇場が竣工
八月号 「笛吹童子」「黄金の河」両作とも及第/新芸座の個性をどう出すか/映画界へのスター引き抜きは達観すべし
九月号 東宝とイタリアとの合作映画「蝶々夫人」撮影のため八千草薫と寿美花代がイタリアへ出発、後ほど東郷晴子ら十五名が合流/白井先生の「ラヴ・パレード」は良かったが淀かほる、故里明美らを女役に使うのはいかが
十月号 義太夫歌舞伎研究会で「鏡山」が好評/日伊合作映画「蝶々夫人」の主役に八千草薫が決定
十一月号 新芸座の大成を気長に待つ/アーニー・パイル劇場で吾妻徳穂一座を観劇/「秋怨」の天津乙女の芝居に失望
十二月号 菊田先生の「君の名は―ワルシャワの恋の物語」は傑作/新芸座「めし」は面白かった

昭和三十年
一月号 「君の名は」続演もよかったので嬉しい/菊田先生の指導法
二月号 藤間万三哉「雪物語」は綺麗だが長すぎる/「黄色いマフラー」は題名が面白い/新芸座「初笑い弥次喜多道中」「西遊記」は大成功/東京へ行ける/嵐三右衛門が軽妙
三月号 阪急百貨店友の会公演の企画は良いが作品が悪い/海外公演試作品「日本の祭りと民謡」「フォスター物語」も成功/アーニー・パイル劇場再開は「虞美人」と決定
四月号 アーニー・パイル劇場のために仕舞いこんでいた「虞美人」の再演を見て涙する/ハワイ公演の試演会を見ての感想
五月号 ミュージカル・ファンタジイ「眠れる美女」「春の踊り」も成功/新芸座も好調/上京して「蝶々夫人」を見て八千草薫に涙
六月号 ハワイ公演成功の報に接して/東宝芸能学校の開校式に参列して思うこと/東京宝塚劇場「虞美人」大成功
七月号 ハワイ公演土産「ブルー・ハワイ」成功「四つの花物語」は失敗/愛読者大会は盛況だったが客席でのお客さんとのやりとり
八月号 歌舞伎レビュー「曾我物語」と「ミランの恋人たち」を観劇/北野劇場で秋田實君の新芸座を見たがつまらない/笠置シヅ子の使いかたにも一考/南街ミュージックで新芸座の「恋愛特種合戦」を見たが良かった
九月号 六甲山ホテルで避暑中に読んだ雑誌、新聞の中から/「夢よりも現実―最近のヅカ新人かたぎ」「明るい夢の世界へ―宝塚こそ生きていく道」/花組「キスメット」は成功/大路美千緒が熱演/劇評家山本修二氏の「苦悩する関西歌舞伎」を読んで
十月号 新芸座が東宝劇場で初公演/月組「美女と野獣」「虹に歌えば」/新芸劇場で宝塚歌劇団の新人公演/小劇場で落語研究会
十一月号 新芸座「お転婆姫君」「恋愛選手」を見てガッカリ/雪組「出雲の阿国」「ボンジュール・パリ」
十二月号 東宝の「お軽と勘平」を観劇/評判悪し/伊藤寿二氏と秦豊吉氏のやりとり/星組「マルタ」と「国姓爺合戦」を見る

昭和三十一年
一月号 「巴里のモーツアルト」を見ての感想、もっとセリフの勉強を/『歌劇』誌の座談会から/各組にプロデューサーをつけては/宝塚大劇場で越路吹雪のリサイタル/大好評で嬉しい
二月号 下級生のレッスン/一月公演「鏡獅子」「若草物語」は上出来
三月号 雪組「雪と薔薇」「オテナの塔」を見る/東宝ミュージカルス/飯沢匡「泣きべそ天女」と菊田一夫「恋すれど恋すれど物語」を観劇して/宮城まり子は将来有望
四月号 菊田一夫作、春日野八千代演出「ローサ・フラメンカ」
五月号 宝塚映画撮影所の新築落成祝賀会に参列して/「聯隊の娘」と「春の踊り」両作とも白井先生では大変/「聯隊の娘」は浜木綿子の出世作/名古屋で歌劇月組の地方公演を見る/新芸座の「夫婦ぜんざい」ほか好調で嬉しい
六月号 東宝歌舞伎の盛況を喜ぶ/成功の陰の裏ばなし/新芸座から秋田實と蝶々、雄二が退団
七月号 「静御前」も「ホノルル・ホリデー」にも失望
八月号 週刊朝日で生徒のセリフのまずさを指摘される/大劇場「船弁慶」と「帰らざる女」
九月号 大劇場「貴妃酔酒」は残念/「インディアン・ラヴ・コール」は面白い
十月号 星組三本立てに新人抜擢で嬉しい/東宝ミュージカルに生徒を出したとお叱り/梅田コマ劇場の開場式に宝塚が出演するについて
十一月号 宝塚の舞台監督について/大劇場で飯沢匡の「ペロー博士の贈物」と「浦島もの狂い」「夜霧の女」を観劇/東宝歌舞伎は大入り満員
十二月号 菊田先生を酷使すぎと言われて/花組公演で武智鉄二先生の狂言レビュー「うかれ大名」を面白く見る/梅田コマ劇場の舞台開き

昭和三十二年
一月号 藤波洸子の結婚退団を祝す/宝塚生徒の下積み時代/十二月の月組公演を見て生徒に限らず演出陣・振付陣に有望若手が成長してきたことが嬉しい
二月号 「みどり」誌での佐々木市郎氏の「男優と共演する宝塚歌劇団」に共感/一月花組公演「宝塚おどり絵巻」と「メリー・ウィドウ」は両作とも良かった、批評はもう一度見てからにしよう

新しい高尚な国民演劇 辻井喬

著者

小林一三(こばやし・いちぞう)
1873年、山梨県生まれ。1892年、慶応義塾大学を卒業後、三井銀行に入行。1907年、同行を退社、箕面有馬電気軌道株式会社創立に参加し専務取締役となる。その後、新線を敷設し、1918年、阪神急行電鉄株式会社と改称し、1927年、社長、1933年、会長に就任。この間、宝塚新温泉の開設、宝塚少女歌劇団、阪急百貨店、東宝映画の設立と、興行界にも乗り出す。1940年、第二次近衛内閣で商工大臣、1945年、幣原内閣で国務大臣兼戦災復興院総裁を務めるが間もなく公職追放。追放を解除されると東宝に復帰し、同社社長となる。1957年、84歳で没す。

●装訂/三村 淳
●目次作成/松原徳一