料理と毎日 12か月のキッチンメモ
いつもの食材で知らない味に出会う食日記。
何気ない幸せを感じる日々の中に、意外な調理法、組み合わせ、
食べ方、献立、すぐにやってみたくなる食事のヒントが盛りだくさん。
noteで大反響!気鋭の料理家・今井真実のリアルな毎日ごはん。
毎日のごはんがちょっとの工夫で美味しくなるレシピや献立、料理の楽しみ方などを、思わずフフッと笑顔になる日々の日記と一緒に綴ります。時短、簡単、節約もほどほどに大切にしつつ、何気ない日常の幸せと食の喜びがしみじみと伝わる1冊です。
・焼き芋とマスカルポーネ
・気軽な牛ステーキ
・セロリとニラの餃子
・筍、ブロッコリーのからあげ
・いいかげんロールキャベツ
・ラム肉の梅シロップ炒め
・ゴーヤのベトナム風サラダ
・カリカリオクラ
・タコのポテサラ
など255品
冷蔵庫の余った食材を使う時に便利な「食材別さくいん」と、今日の献立作りに役立つ「料理の種類別さくいん」、2種のさくいんを巻末に収録。
- 書籍:定価1925円(本体1750円)
- 電子書籍:定価1925円(本体1750円)
- 2023.02.01発行
はじめに
よくもまあ、毎日こんなに料理して、毎日こんなに食べていたものだ、と自分でも驚いていますが、これは何も私に限った話ではありません。生きていればみんな誰しもが、日々何かしらを食べて人生を全うしていくのです。一家の料理番は来る日も来る日もキッチンに立っています。調理自体は難なくこなせても、その日のメニューを決めることにいつも小さな責任を担っています。この日記を書き始めたきっかけも、その「小さな責任」を果たしているみなさんのヒントになれば、という思いからでした。
ある夏の暑い日のことでした。その時の私は、正直もう食欲もないほど夏バテ気味。公園で、私と同じく子供のブランコを延々と押している友人に「ねえねえ、今日夜ご飯何つくるの? 私、なんにも浮かばないのよ」と話しかけました。すると友人は一瞬驚き、「うちは冷やし中華にしようと思っているのよ、暑いものね」と笑いました。ああその手があった、良いね良いね!とさっそく公園帰りにスーパーに立ち寄って、その夜は冷やし中華をつくったのでした。自分1人だと浮かばなかったメニューですが、友人のひと言でどれだけ心が軽くなったか。「救われた」と思いました。
この本のささやかなキッチンメモからでも、今日の献立やレシピを思いつき、毎日の料理番を楽しく乗り越えられるはずです。みなさんはすでに魔法の手を持っています。だって日々、お野菜やお魚、お肉といったそのままで食べられない素材を「料理」にしてしまうんですから。それってすごいことでしょう?
「料理と毎日」は、私自身の日記ですが、いつもキッチンに立っているあなたへのお手紙でもあります。この本が、あなたにとって夏の暑い日の友人のひと言のような存在になってほしい。その日の買い物が、調理が、少しなめらかに、楽しい時間になるように。そんな願いをこめて、今日もせっせと自分のご飯を記録し続けています。
さあ、今宵も一緒にキッチンに立ちましょう。ともにつくり、ともに食べようではありませんか。
目次
はじめに
Column 梅仕事と環境問題
7月の料理
Column 休日は、ちょっと鎌倉に
Column あなたと月を見たいから
Column お月見に台湾料理はいかが?
Column お肉屋さんのお惣菜、スーパーのパック寿司
Column 年末のぎっくり腰
Column 昔の曲ばかり
Column 私を育てたレシピブック
おわりに
略歴
料理家。神戸市生まれ。「作った人が嬉しくなる料理を」という考えを基に、雑誌をはじめ、web媒体、企業広告など、多岐にわたるレシピ製作を担当。noteに綴るレシピやTwitterでの発信が注目を集める。著書に『毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ』(KADOKAWA)、『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』(左右社)がある。
装丁・本文デザイン 木村裕治
写真・コラムイラスト 今井裕治
校正 文字工房燦光
DTP 畑山栄美子(エムアンドケイ)
装丁画 長谷川潾二郎