トップ > 新刊書籍 > 「A4一枚」から始める最速の資料作成術

社内プレゼン一発OK! 「A4一枚」から始める最速の資料作成術

「A4一枚」から始める最速の資料作成術
稲葉崇志 著
  • 書籍:¥1,500(税別)
  • 電子書籍:¥1200(税別)
  • 四六判・並製/224ページ
  • ISBN978-4-484-19207-9 C0030
  • 2019.3発行
社内の提案書は「A4一枚」のサマリーで十分!
「ドラフト」による設計と「サマリー」の作成、そして「詳細資料」への展開まで。
これ1冊でどんな社内資料も最短で作成可能になる。

書籍

Amazon 7net 楽天BOOKS TSUTAYAonline

電子書籍

Amazon kindle 楽天kobo honto Reader Store 紀伊國屋書店 BookLive

内容

稟議文化の日本企業でも、即断即決型の外資系企業でも、
どこでも通用する資料をできるだけ短時間でまとめる技術。

「6要素」を「A4一枚」にまとめるだけ!

 
多くのビジネスパーソンは日常的に様々な資料を作成している。
しかし、自分としてはいい資料を作成したつもりでも、その意図が相手に伝わらないといった体験は誰しも覚えがあるだろう。
じつは、提案資料に書き込むことはほぼ決まっており(6要素)、各パートで何がどう書かれるか、説明されることに慣れた経営者・管理職にはおよそわかっている。

つまり、作成者が「つくりやすく」、見る側が「わかりやすい」資料こそ、求められているのだ。

また、「A4一枚」にまとめることは、単なる制約ではなく、資料作成に慣れていない人でも適切に情報を整理してまとめるのに役立つ。

本書は、NTTグループや日本IBMといった大企業で、適切な資料とプレゼンで複雑なステークホルダーによる合意形成を行ってきた経験をもつ著者が、どこでも通用する資料を短時間で作成する技術を公開したものである。


はじめに

 みなさんは「資料作成」にどれくらいの時間をかけていますか。
 働き方改革を背景に、多くの企業で社員の労働時間の抑制が課題となっています。とはいっても急に業務が減るわけでもなく、残業禁止のプレッシャーと戦いながら目の前の仕事をこなしている、そんな人も多いのではないでしょうか。個人としては、ビジネススキルを向上させ、業務を効率的に進めるしかありません。
 なかでも「資料作成」は、デスクワーク中心のビジネスパーソンにとって、業務時間のうちで大きな比率を占める作業の一つです。資料をまったく作成しない日など、ほとんどないといってもいいくらいです。
 しかしながら、資料作成について体系だった教育を受けられる機会はあまりありません。NTTコム リサーチと雑誌「プレジデント」が共同で実施したビジネスマンの資料作成に関する調査によれば、半数を超える人が資料作成について「とくに教えられていない」と回答しており、この結果として「自分の作成した資料に自信がない人」が全体の四割を超えています。ビジネスパーソンの多くが、個々に試行錯誤しながら資料づくりを行っているのが実態です。
 私自身も資料作成についての体系だった研修を受けたことはなく、これまでの会社員生活でおおいに苦しんできました。
 私はこれまで、製造業、IT企業、コンサルティングファーム、シンクタンクといった業種の六社で働いてきました。伝統ある日本企業もあれば外資系企業もあり、さまざまな組織文化を体験しました。組織文化が異なれば自ずと資料に対する考えも違います。ある企業で常識とされている仕事の進め方が、別の企業では好ましくないということは珍しくありません。
 たとえば、資料に関するジレンマの一つに、「正しさ」と「わかりやすさ」のバランスをどう解決すべきかがあります。上司はあるときには「読んでわかるように詳細まで書くように」と指示し、またあるときは「ぱっと見てわかるように簡潔に書け」と言います。
 これらの指示の違いは資料の使用目的によりますが、おおまかにいえば、日本の企業は複数の関係者全員に伝えるために「詳細まで書け」と言われるケースが多く、外資系企業では特定の人物が即断するために「簡潔に書け」と言われることが多いようです。
 私はNTTグループとIBMで働きました。同じIT業界にありながらもこの二社はまったく異なる文化をもっています。NTTはかつての電電公社、ご想像のとおり稟議文化の強い組織です。一方でIBMはスピード感があり、権限をもつ職位の人物がどんどん決断していく会社です。当然、使われる資料はまったく違います。
 そのため、私は稟議文化での資料のつくり方と、即断される資料のつくり方の両方を身につける機会に恵まれました。そうして一つの方法論として形にできたのが、本書で紹介する「A4一枚資料」のスタイルです。

 本書では、A4一枚で作成する「ドラフト」と「サマリー」のほか、A4一枚のサマリーからつくる「詳細資料」の三つの資料の作成方法について説明します。
 「三つもつくるの?」と驚かないでください。
 まったく別の資料をつくるわけではありません。「ドラフト」はいわば設計書です。これをもとに重要なポイントを簡潔にまとめた「サマリー」をつくります。社内で使うほとんどの資料はこれで十分に目的を果たすことができます。もし、「詳細資料」が必要な場合にはサマリーにもとづいて作成します。それぞれが次のステップ(ドラフト→サマリー→詳細資料)につながっています。
 なぜこのステップを踏むのかといえば、これが効率的だからです。たんに資料をつくるだけならいきなりパワーポイントを立ち上げて書き始めればいいでしょう。しかし、目的を果たせないものをつくっても「完成した」とはいえません。
 本書で紹介する方法のポイントは、資料を使用する「真の目的」に従うことにあります。目的を正しく理解し、それを実現する適切な方法をとれば、資料の質と作業の効率を両立することができます。

 この本は次のような方に読んでいただくことを想定して書きました。
 ◎ 初めて資料を作成する人
 ◎ いつも試行錯誤を繰り返して資料を作成している人
 ◎ 部下や後輩などに資料のつくり方を教える立場の人

 構成は次のとおりです。
 第1章では、本書で紹介する「A4一枚」の資料作成法について総論的に説明します。そして第2章の「ドラフト」、第5章の「サマリー」、第6章の「詳細資料」の三つの資料の作成方法が本書のメインです。
 第3章は「リサーチ」、すなわち資料に必要な情報の収集の仕方について、できるだけ簡単に費用をかけずにできる方法を中心に説明します。
 第4章は「ビジュアル」について、スライドの基本やわかりやすいグラフや図の描き方などを解説します。この二つの章は、どんな資料を作成する場合にも知っておくべき基本的な内容です。
 あえていえば、ビジネスにおける資料は情報を伝えるツールにすぎません。もちろん情報をいかに伝えるかということを軽視するわけではありませんが、ビジネスでは限られた時間で成果を得ることが求められます。
 「成果を得ること」こそが資料の目的であり、それを意識できれば資料の質と作成の効率を両立する道がひらけます。

                           稲葉崇志



目次

はじめに

第1章 資料作成は「A4一枚」から始める

 1 なぜ「A4一枚」がベストなのか 
  つくりやすく、わかりやすい ◆「 読む人が知りたいこと」だけをまとめる
 2 上司はどんな資料を求めているか 
  調査が必要な資料もある ◆ 問題解決まで求められることもある
 3 「報告書」と「提案書」の違い 
  読み手の行動を求める ◆ 資料に意志を込める
 4 三つのポイントを確実に押さえる 
  適切なクオリティでつくる ◆「 承認する立場」で考える ◆
  「シンプルな資料」か「正確な資料」か
 5 「A4一枚」に書き込む要素は六つ 
  相手に「伝わる」資料 ◆「 キーメッセージ」で構成する
 6 「A4一枚」から始める資料作成のステップ 
  まずドラフト(設計書)をつくる ◆ 完成版として「A4 一枚」のサマリーをつくる

第2章 「A4一枚」でドラフト(設計書)をつくる

 1 資料作成の前にドラフトをつくる 
  相手の意図を読み違えないために ◆ 設計書としてのドラフトをつくる
 2 「目的」「ターゲット」「メッセージ」を確認する 
  資料の位置づけを理解する 目的/ ターゲット/メッセージ
 3 資料の「ストーリー」をつくる 
  ピラミッド・ストラクチャーで考える
   ① メインメッセージを設定する
   ② 項目を設定する
   ③ キーメッセージを作成する
   ④ ストーリーをつくる
 4 ドラフトを完成させる 
  ドラフトに入れる要素は三つ ◆ 体裁よりもスピードを優先
 5 ドラフトを使って方向性を決める 
  ストーリーを確認する

第3章 資料に最適なデータを探す

 1 資料にはどんなデータが必要か 
  データでメッセージを強化する ◆ 三つのステップで使えるデータを集める
 2 データ収集の計画を立てる 
  資料に使うデータを特定する ◆ 期間と費用を見積もる
 3 まず「公開情報」を探索してみる 
  三つのステップで探す ◆「調べ方」を知る ◆ 解釈つきのデータを探す ◆
  書籍の探し方/新聞・雑誌の探し方 ◆ 情報源をたどる ◆
  グーグル検索の上手な使い方 ◆ 検索キーワードを記録しておく
 4 コストをかけずに「独自調査」を行う方法 
  読み手の関心を引きつけるデータ ◆ インタビュー調査を行う ◆
  「セルフ型リサーチサービス」を利用する
 5 集めたデータを評価する五つのポイント 
  メッセージの根拠として使えるか ◆ データの調査方法は適切か ◆
  「面白いデータ」はいらない

第4章 「見てわかる資料」に仕上げる

 1 「伝わりやすい資料」とは 
  見た目に凝るのは最悪 ◆ NTT とIBM の違い ◆
  社内資料はスピードやコストが優先される
 2 スライド表現は基本がわかれば簡単 
  スライドの三つの要素 ◆ 一枚のスライドに一つのメッセージ ◆
  図形にはそれぞれ意味がある ◆ フォントの選び方、装飾の方法 ◆
  社内資料には画像は使わない
 3 ひと目で伝わるグラフのつくり方 
  数値データはグラフ化する ◆
  グラフの加工の仕方 棒グラフ/折れ線グラフ/円グラフ
  グラフはエクセルでつくる
 4 イメージを伝える図のつくり方 
  図は「わかった気」にさせる ◆ オリジナルの図をつくる
 5 文章表現の基本を押さえる 
  「文章」で説明してはいけない ◆ 専門用語やビジネス用語を使う

第5章 「A4一枚」の資料を完成させる

 1 ドラフトから「A4 一枚」のサマリーをつくる 
  A4 用紙を横レイアウトで使う
 2 〈背景〉は「事実」をグラフで示す
  定性データではなく定量データを使う
 3 〈目的〉を箇条書きで思い起こさせる
  「ギャップ分析」で「問題」をとらえる
 4 〈提案〉はイメージとテキストでシンプルに述べる 
  キー概念のイメージを一つだけ準備する
 5 〈スケジュール〉はプロセスを示す
  「ステップ」をビジュアル表現で見せる
 6 〈体制〉はツリーを使って示す
  高いポジションの人を責任者に据える
 7 〈課題〉は箇条書きで明示する 
  三つの課題を提示すれば十分
 8 完成した資料をチェックする 
  読み手への期待が伝わる資料になっているか ◆ 投影する場合はスライドを用意する

第6章 A4一枚を「詳細資料」に展開する

 1 「A4一枚」のサマリーから詳細資料をつくる 
  サマリーに補足情報を追加する
 2 サマリーをスライドに展開する 
  各パートを一枚のスライドにコピーする
 3 補足スライドを追加する 
  キースライド一枚につき二~四枚
 4 プレゼンテーション資料として整える 
  表紙、目次、中表紙をつくる
 5 スライドのメッセージをチェックする 
  全ページをプリントして読み返す ◆ 補足資料として別途まとめる

あとがき



略歴

稲葉崇志(いなば たかし)
組織人事コンサルタント、株式会社メイクセンス代表取締役。
1972年京都生まれ、静岡育ち。NTTドコモや日本IBMなどでモバイル通信技術を利用した情報システムの提案や導入に携わる。NTTデータ経営研究所では民間企業に対する情報戦略や組織戦略領域のコンサルティング、中央省庁や地方公共団体、業界団体からの委託による調査研究案件を数多くリードする。その後、人事系シンクタンクの研究員としての勤務を経て、組織人事コンサルタントとして独立。人材教育や制度改革のコンサルティングなど、組織人事領域から企業の支援に取り組んでいる。会社員としての勤務の傍ら筑波大学大学院に入学、経営組織論や人材教育論の研究に取り組み経営学修士(MBA)を取得。これまでに、経済産業省や総務省の委託調査研究の報告書や各種白書の執筆、業界紙やWebメディアへの寄稿、経営者団体や大学での講演や講義など、多数の情報発信を行っている。





●装丁・本文デザイン/桐畑恭子(next door design)
●編集協力/大屋紳ニ(ことぶき社)
●校正/円水社
●企画協力/松尾昭仁(ネクストサービス)
●プロデュース/中野健彦(ブックリンケージ)