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ほんと、めちゃくちゃなんだけど 完璧ではないわたしのしあわせの見つけかた

ほんと、めちゃくちゃなんだけど
ルーシー・ヴァイン 著
森信太郎 訳
  • 書籍:¥1800(税別)
  • 電子書籍:¥1440(税別)
  • 四六判・並製/488ページ
  • ISBN978-4-484-18106-6
  • 2018.11発行
英国で発売と同時に大ベストセラー。ブリジッド・ジョーンズ、キャリー・ブラッドショーに次ぐミレニアル世代のヒロインに英国中の女性たちが笑い、そして泣いた。「結婚」「脱シングル」という周囲の圧力に悩むヒロイン、結婚したからといって「末永くしあわせに暮らしましたとさ」とはいかないヒロインの親友や姉。どんな道を選んでも生きることはたいへん。でもまたきっと、前を向く。いまを生きるすべての女性へ贈る1冊。

書籍

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電子書籍

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内容

全英が泣いた!(笑いすぎて)大ベストセラー!!

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うつむく日もある。でもまたきっと前を向く。

バレンタインデー当日、初デートの相手が現れない。
友人たちから「大丈夫?」のメッセージ、11件。
エレノア・ナイト、29歳。
絵文字だけで会話する女、ついに苦手な電話をかける…。
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ミレニアル世代のヒロイン、爆誕!

人生は永遠にエキサイティングで可能性に満ちていてほしい――

痩せたかったり、太りたかったり、安定を求めたり、自由を求めたり。
わたしたちはつねに落ち込み、不満を持つ。でも、わたしたちは自分を再プログラムできる。



ホット‐メス【Hot Mess】 エロくてめちゃくちゃ。ほんと、めちゃくちゃなんだけど。

主人公のエレノア・ナイト(エリー)は、子ども向け教材などをあつかうロンドンのデザイン会社で、名ばかりのイラストレーターとして働く29歳。大学では絵画を専攻し、派遣社員をしながら画家になることを真剣に夢見た20代前半を過ごしたが、それもいまではひと昔前のこと。いまは、何かにつけて英国の人気キャラクター『ペッパ・ピッグ』をパクりたがるクライアント対応を中心にした、日々のルーティンに追われている。

エリーの幼馴染みで親友のソフィーは、エリーからすると「ファビュラス」な女。いつもパリッとアイロンがかかった黄ばみのないシャツを着ているような隙のない美人だ。 かつては24時間以内に3人の男と寝たという記録も誇る彼女だが、それもまたいまは昔のこと。自分の乳首の接写をUFOだと信じ込ませようとした女にも、いまでは優秀な夫と、聞き分けがよくて可愛いらしい小さな娘がいるのである。

エリーとソフィーはいまでも盛んに行き来がある仲良しだ。そんな二人であっても30代を間近にすればそれぞれの状況が違ってくるのもまた事実。結婚寸前までいった恋人と別れてからというものしばらく彼氏のいないエリーは、親友のソフィーにも、毒舌の姉にも、窃盗犯が親友だという嫌味な50代の同僚にさえも同情されている。

”最初のうちは友達みんな「最高じゃん!」「よかったね」「楽しんで」「それでこそ」「本当に奥さんが死んだの?」って反応してくれたけど、この数カ月であからさまに態度が変わった。常にわたしのシングルっぷりを心配する状態で固定されはじめて、わたしがしあわせなのか、孤独なのか、ハードルが高すぎるんじゃないか、色々聞いてくるようになった。(中略)わたしは独身で大丈夫だし、むしろ自由で最高だと思ってたけど、そのせいで自問自答してしまう。そのせいで、わたしのほうに問題があるに違いないって思っちゃう。なんでわたしは一人なの? わたしにはぜんぜん、愛される要素がないの?”

わずらわしさはそれだけではない。エリー自身の問題に加えて、母と死別してからしばらくになる父の孤独が彼女に重くのしかかる。優しくて愛すべきちょっと困り者の父と、エリーの関係は良好(のはず)だ。エリーは母が亡くなってからも最大限に父に気をつかってきた。しょっちゅう会いにも通っている。それなのに、なぜか最愛のお父さんは、最近新たな出会いを求めるようになったのだ。誕生日にカクテルバーに行ってみたいから連れてってくれないか(この出会い系全盛のご時世に)なんて言い出すしまつで……。

「結婚」すべき、「脱シングル」すべきという周囲からの圧力。そして父までが――あまりの圧に耐えかねたエリーは、とうとう出会い系アプリで「この人(ザ・ワン)」を探すことにした。

解説:村井理子(翻訳家)







著者

ルーシー・ヴァイン(Lucy Vine)
 
作家、フリーランスジャーナリスト。英国ケンブリッジシャー出身、ロンドン在住。ロンドンのキングス・カレッジで英文学と語学を学んだのち、2005 年から雑誌の仕事をはじめる。現在は「Grazia Daily」に週刊時事コラムを執筆するほか、「Grazia」「Heat」「Cosmo」「Stylist」「Marie Claire」などの女性誌や、「The Sun」「The Telegraph」などの新聞に寄稿。映画のなかの「末永くしあわせに暮らしましたとさ」にうんざりして筆をとり、2017 年に本書『ほんと、めちゃくちゃなんだけど(Hot Mess)』(Orion)でデビュー。英国でたちまちベストセラーとなり、2018 年には二作目What Fresh Hell(Orion)を刊行。現在は三作目を執筆中。

Twitter:@Lecv

訳者

森 信太郎(もり・しんたろう)

1987 年、三重県生まれ。地元公立の小・中・高に通いながら、徹底した運動嫌いの少年時代を過ごす。2006 年、慶應義塾大学経済学部に進学し上京。テレビ好きが集うサークルに所属しながら勉学に励む。2010 年、必要な単位数ぴったりを取得して卒業後は、玩具メーカーに就職し、全国の玩具店を周ったり、ガチャガチャの商品企画をしたりしながら会社員人生を過ごす。2018 年3 月、翻訳家である村井理子氏の急病・降板に伴い開催された本書HOT MESS 日本版の訳者を決めるコンペティションに応募。翻訳学習も実務も未経験ながら250 人以上の応募者の中から選ばれる。現在は玩具メーカーを退社し、今後の人生の行く末について案じている。平和とポテトサラダをこよなく愛し、ソファで寝転びながら好きな本を読む時間を何よりも大切にする。

Twitter:@morishin5555

解説(全文)

(※以下、ネタバレを含みます)

本書は、イギリス在住の若手女性作家、ルーシー・ヴァインのデビュー作‘Hot Mess’ を日本語に翻訳した一冊である。主人公は、デザイン事務所に勤める女性、ロンドン在住のエリー・ナイト、二十九歳。結婚を前提に付き合っていた男性と別れて以来、決まった恋人はいない。デザイン会社での仕事は、自分が本当になりたかった絵描きの仕事とはほど遠く、同僚との仲も、いつも良好とは言えない。恋も仕事も友人関係も、徐々に変遷しつつあるエリーの悩みや葛藤が臨
場感たっぷりに描かれている。

本書の大きな特徴は、ティンダーやワッツアップといったアプリを駆使して男性と出会い続けるミレニアル世代のエリーと、エリーの母であった妻を亡くし、独り身となった父が、伴侶を求めて恋人を探す奮闘ぶりと、幸せな結婚生活を送っているはずの姉のジェンの葛藤といった、家族の物語が並行して描かれている点にある。エリーの六十代の父親は、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』さながらのエロチックな小説を書き、エリーと姉のジェンにメールで送りつけては無邪気に感想を求めるような人物だ。その文面たるや、抱腹絶倒ものである。はたから見れば、なんとも手のかかる父親ではあるが、その誠実な人柄と(そして憎めない性格と)、娘を溺愛する様子には思わず微笑まずにはいられない。エリーはそんな父親が心配でたまらず、呆れながらも父をやさしくサポートする優しい娘として描かれている。本書の終盤では、その父親の驚くべき人生の転機が綴られているが、それは本書を読んで確かめて頂きたい。そしてエリーに辛辣な姉のジェンは、子育てに、そして夫との結婚生活に疲れ切っている。悩みながらもシングルである妹のエリーと、破綻しそうな結婚生活に苦しむ姉のジェンの人生のコントラスト。どちらを選んでも、人生は平坦な道ではないということが率直に綴られている。

本書のもう一つの特徴は、シングルであり続けることに迷いを持たないと決意したエリーの毅然とした姿である。決まった恋人がいないことや未婚であることについて周囲から遠慮なしに与えられるプレッシャーをはねのけ、自分の夢を、まさに追いつつあるエリーの希望に満ちた様子は、素直に祝福せずにはいられない。周りに言われるがまま追い求めていたものが、自分の欲しいものではなかったことに気づくエリーと、そんなエリーを祝福する家族の言葉ひとつひとつが、本書の読みどころであり、また読者への力強いエールとなっている。

自分の人生を明るいものとしてくれるのは何かと考える時、それは周囲から認められた女性としての幸せなのか、それともひとりの人間として自分が追い求める夢を手に入れることなのか、揺れる気持ちを抱えている女性は多いだろう。そんな女性たちに、この愛すべきエリーという女性の選択と、彼女を支える家族の人生の物語は、大きな助けになると確信している。(村井理子)