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先延ばし克服完全メソッド

ピーター・ルドウィグ 著
斉藤裕一 訳
  • 書籍:¥1600(税別)
  • A5変型判・並製/264ページ
  • ISBN978-4-484-18110-3
  • 6.28発売予定
 
九死に一生を得た著者だからこそ
世界中の最新「先延ばし研究」すべてを読破し、
「今すぐにやる」ための網羅的メソッドを開発。
「フォーチュン500」はじめ、世界中のエグゼクティブも実践!

 
「先延ばし」「後回し」などの悪習慣を絶ち、
生産的な人生をおくるためにはどうすべきか。
本書はモチベーションの上げ方、保ち方、決心のタイミング、
人間の心理など「先延ばし」のメカニズムと克服の方法を示した上で、
その悪癖に邪魔されずより生産的な人生を送るためのツール、
ヒントと実践方法を示す。

「先延ばし」撲滅のキーワードは「動機づけ」と「規律」!



先延ばし=意図的、あるいは習慣的にものごとを先送りすること

はじめに

 私は10年ほど前、これで人生は終わりだと覚悟した。体の半分をつかさど
る脳の部位の活動が止まってしまったのだ。不安と無力感にさいなまれたのと
同時に、奇妙な安らぎも感じていた。ベッドに横たわったまま、それまでの人
生のすべてが走馬灯のように脳裏をよぎり、自分がトンネルの先の光に向かっ
て進んでいるような感覚にとらわれた。それは映画とまったく同じ光景だった。
私は自分の人生の総括をしはじめ、失敗と実績について考えた。徐々に、自分
はもう死ぬのだという現実と向き合うようになっていた。
 しかし幸いにも、数日後から少しずつ正常な状態へ戻りはじめ、幸運にも後
遺症も残らなかった。生死の境を切り抜けたことは生涯で最も強烈な体験だっ
た。しばらくしてから、あの瞬間のことを忘れないように、私はこんなふうに
メモに書き込んだ。

精一杯に生きたと納得して死にたい。

 この誓いを実行に移そうとしたが、それには大きな強敵に勝たなければなら
ないことを思い知る。「先延ばし」という敵だ。
 そこで何人かの友人とともに、私たちはなぜ物事を先延ばしするのか、なぜ
これほど優柔不断で無能なのか、その根本的な原因を突き止めようとした。す
ると、まさに同じ問題をテーマに数々の科学的研究が近年行われていることが
わかった。その研究結果をふまえて、先延ばしと戦うための実用的なツールを
仲間とまとめ上げた。
 そうした方法が実際に役に立つことを確かめたうえで、できる限り多くの人
たちに共有してもらうことが世の中のためになると確信した。そして、一般の
人々のための訓練コースや大学生向けの講習を始めるに至った。他の人たちが
自分の時間と潜在的能力をより良く生かせるよう手助けする活動に、私たちは
意義を感じた。
 私には世界中を旅してきた経験があり、それが先延ばしと戦うための効果的
な方法を編み出すうえで役立った。長年、多数の一流企業を訪問し、社員のモ
チベーションや仕事の効率を高める方法について、経営幹部と個人的に話し合
う機会を得ている。この10年間で10万人以上が私たちの研修コースに参加し
ている。それに加え、個人カウンセリングも数限りなく重ねてきた。クライア
ントたちの経験とフィードバックをふまえて、少しずつ手法に磨きをかけてい
き、現在の形にまとまった。
 そうしているうちに、出版社から本を書かないかと持ちかけられた。最初に
頭に浮かんだのは「なんて大仕事だろうか」という思いだった。それと同時に、
自分が教えている手法をさらに試すまたとないチャンスであるようにも思えた。
しかし、先延ばしに関する本を書くのに、それを先延ばししてしまうことにな
らないだろうか―。
 人と一緒に仕事をすることに慣れている外向的な人間―セミナーやカウン
セリングもしている―である私にとって、この本を書くことは生涯で最も大
きな挑戦の1つになった。原稿を書くというのは内向的な活動そのもので、私
にはまったく不慣れな作業だ。それを先延ばしすることにならないように、先
延ばしと戦うためのすべての武器をフルパワーで駆使しなければならなかった。
 あなたが今、この本を手にしているのは、私が仕事を成し遂げたということ
を意味している。この本を楽しんでもらいたいし、あなたが先延ばしとの戦い
に勝てるように、心から祈っている。少しずつ成功を収めていけるはずだ。私
はそう確信している。
  
                      ピーター・ルドウィグ

目次

イラストのもくじ
著者まえがき
 
はじめに―先延ばしとは何か、なぜそれと戦うのか?
先延ばしの歴史
現代は「決断のまひ」の時代
情報を得る最も効果的な方法は?
自己開発のシステム
    モチベーション
    規律
    成果
    客観性
この章のポイント―はじめに
 
モチベーション―モチベーションを高め、それを維持するには?
外からのモチベーション―アメとムチ
内なる目標に基づくモチベーション―長続きしない喜び
「内なる旅に基づくモチベーション」―「今」の幸福
              なぜ「意義」がそれほど大事なのか
              集団的ビジョンの力
    最もメリットが大きいのは、どの種類のモチベーションか?
ツール――自分のビジョン
    SWOT自己分析
    自分の業績リスト
    モチベーションを生む活動の分析
    自分のビジョンのベータ版
    最終版の自分のビジョン
この章のポイント――モチベーション
 
規律―自分自身に命令を下し、それを守るには
頭は「はい」と言っているのに、気持ちが「いいえ」と言っているとき
    感情的な象と合理的な象使い
    認知リソース――自己統制のカギ
    認知リソースの補充
    認知リソースを高める
    習慣化――自分の「象」をどう訓練するか
    習慣を乱さずに維持するには
    悪い習慣を断ち、二度と戻らないようにするには
ツール――「習慣リスト」
    「習慣リスト」の使い方
    さらに効果を高めるためのアイデア
    「習慣リスト」が効果を生む理由
    起こりやすい問題
「決断のまひ」
ツール――「To-Doトゥデー」
    「To-Doトゥデー」の使い方
    このツールの拡張法
    「To-Doトゥデー」が効果を生む理由
     起こりやすい問題
ツール――「To-Doオール」
     「To-Doオール」システムの使い方
     新しい仕事にどう対処するか
     システムを拡張する方法
     「To-Doオール」システムが効果を生む理由
     起きやすい問題
群衆のコンフォートゾーン――悪が生まれる場所
ツール―「ヒロイズム」
     「ヒロイズム」を高めるには
この章のポイント―規律
 
成果―幸福を感じ、それを維持するには
ネガティブな感情はどこから生まれるのか
「学習性無力感」のサイクル
              「ハムスター」と戦うには
ツール――「インナースイッチ」
              自分の失敗に対処する
              運命のいたずらによる打撃を乗り越える
              「ネガティブな過去」から「ポジティブな過去」に移るには
ツール――「フローシート」
ツール――「ハムスターからのリスタート」
自分の成長と退行
この章のポイント――成果
 
客観性―自分の欠点に目を向けることを覚える
ダニング=クルーガー効果と「病態失認」
    甘美な無知――私たちの脳の守り手
    なぜ非客観性と戦うのか
    客観性を高めるには
この章のポイント――客観性
 
最後に―永続性へのカギ
ツール――「自己会議」
    「自己会議」のやり方
    起こりやすい問題
先延ばしの終わりと新しい始まり
 
原注

プロフィール

<著者>
ピーター・ルドウィグ Petr Ludwig
チェコ出身。科学コミュニケーター、起業家。ブルノ工科大学情報学部、マサリク大学法学部卒業。事故による瀕死状態から九死に一生を得た経験により、悔いのない人生を送るために「先延ばし」に関する研究を友人と始め、大学在学中にLifeWeb社(現・GrowJOB社)を設立。脳神経科学と行動経済学に基づいたメソッドで「フォーチュン500」企業のコンサルタントもつとめている。


<訳者>
斉藤裕一 Yuichi Saito
ニューヨーク大学大学院修了(ジャーナリズム専攻)。主な訳書に『マッキンゼー式 最強の成長戦略』(エクスナレッジ)、『最新 ハーバード流3D交渉術』『「評判」はマネジメントせよ 企業の浮沈を左右するレピュテーション戦略』『脳のフィットネス完全マニュアル』『頭と仕事をシンプルにする思考整理50のアイディア』(以上、CCCメディアハウス)などがある。
本文デザイン&装丁 竹内淳子(慶昌堂印刷株式会社)
校閲 円水社