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中小企業が絶対黒字化できる「仕組み」

中小企業が絶対黒字化できる「仕組み」
児島保彦 著
  • 書籍:¥1600(税別)
  • 電子書籍:¥1280(税別)
  • 四六判・並製/256ページ
  • ISBN978-4-484-18217-9 C0034
  • 2018.4発行
会社は本来、儲かるようにできている。
普通の人にいい仕事をさせ、利益を漏らさず、逃がさない。
人を選ばず、業種も選ばず、地域も選ばず、どんな会社でもできる「もっと儲かる経営」とは。

書籍

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電子書籍

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内容

万年赤字会社を半年で黒字化!
地方の個規模市場で売上を大幅拡大!
利益率で全国ディーラートップ!
 を達成した著者の、超「現実的」な経営改革論。

中小企業のほとんどは、人材なし、市場なしの環境で生きている。著者が経営に参画した地方の自動車販売会社も長年、人材不足と市場の小ささに悩んでいた。そこで著者が取り組んだのが、出身企業である住友大阪セメントの関連会社社長のときに行った「当たり前のことを当たり前にやる」仕組みの導入である。

人材不足でも、小さな市場でも、会社は黒字にできる。処方箋は難しくない。当たり前のことを当たり前にやり続けることだ。それが黒字化の黄金律である。

しかし、当たり前のことをやり続けることは難しい。人には甘えやゆるみがあるからだ。当たり前の行動は習慣化して、はじめて「本当の当たり前の行動」となる。そこで鍵となるのが「仕組み」とその運用だ。

本書は、当たり前のことを当たり前に「やらざるを得ない」仕組みと、それを「習慣化する」方法について述べた、まさに“コロンブスの卵”的一冊である。

はじめに

 会社には2種類ある。儲かっていない会社と儲かっている会社だ。どちらの会社にも社長がいる。儲かっていない会社の社長は、うちにはいい人材がいない、市場の景気が悪い、資金がないと口癖のように言う。
 対して、儲かっている会社の社長は、うちにはいい人材がたくさんいる、お客にも恵まれていると胸を張る。金があるとまで言う社長はめったにいないが、儲かっているのだから金がないということはない。
 ところが多くの場合、どちらの会社の人材も、市場も、そう大きな違いがあるわけではない。では、何が違うのか。
 儲かっている会社には、普通の人がいい仕事をする仕組みがあり、儲かっていない会社にはそれがないということだ。違いは仕組みにある。
 いい仕組みは、仕組みに乗って働く社員にいい結果を出させる。いい結果を出すと、社員は生き生きとして仕事をするようになる。生き生きとして働いて、いい結果を出している社員は、周りからいい人材に見える。
 そして、社員がいい結果を出している会社は、当然ながら儲かっている会社である。儲かっている会社は、やはり周りから市場に恵まれているように見える。だから、儲かっている会社の社長は、うちにはいい人材がたくさんいる、お客にも恵まれていると言うのだ。

 儲かっている会社をよくよく見れば、いい人材といい市場があるからいい結果が出ているのではなく、いい仕組みが普通の人を動かしていい結果を出させているのだということがわかる。多くの場合、結果がいいから市場にも恵まれているように見えるだけだ。
 この仕組みのことを、社長の手腕という
 仕組みづくりは組織づくりであり、組織をつくることは会社をつくることに他ならない。会社をつくることは社長にしかできない仕事だ。したがって、仕組みづくりは社長にしかできないのである。
 つまり、会社とは畢竟、社長次第なのだ。
 うちにはいい人材がいないから儲からない、市場が小さいからダメだ、資金がないからうまくいかないというのは、社長の言い訳であり、愚痴であり、より厳しい言い方をすれば、自ら力不足を告白しているに過ぎない。
 いい人材も、いい市場も、社長の手腕の結果であって、原因ではないからである。

 では、社長がオールマイティな力のある人ならば、会社はすべてOKかというと必ずしもそうではない。ピーター・ドラッカーが言うように、経営とは人を通じて業績を上げることである。社長ひとりが、どんなに優秀で好業績を上げていても、社長がひとりで動いているうちは優秀な「経営者」とは言えない。
 社長ひとりの会社では、業績にも限界がある。
 儲かる会社の経営者になるためには、人を動かして結果を出すことが必要だ。そういう意味では、いい人材がいることはやはり大事なことに見える。
 だが、人材とは何かということを少し考えてみてもらいたい
 華々しい学歴、経歴を持つ人が、果たしていい人材だろうか。華々しい学歴、経歴の人が、実務ではあまりいい成果を出せないという話はよく聞く。私にも経験がある。学歴、経歴はその人の期待値に過ぎない。いい人材であるか否かは、出した結果で決まる。
 したがって、いい人材とは、社長が動かして結果を出せる人のことである

 結果は仕組みの良し悪しで決まると言った。したがって、いい人材とはいい仕組みの結果ということになる。
 では、いい仕組みとは何か。私は、会社全体が、当たり前のことを当たり前に、継続してやる仕組みが、いい仕組みだと考えている。
 言葉を換えれば、普通の人にいい仕事をさせる仕組みがいい仕組みなのである
 儲かっている会社とは、例外なく、当たり前のことを当たり前に、手抜きをせず、軽んぜず、途切れずに全員がやり続けている会社だ。
 こう言うと、当たり前のことをするなど、簡単なことではないかと思われるかもしれない。そう思われる人は、次の点に注目すべきである。
 儲かっていない会社は、例外なく当たり前のことができていない。
 たとえばあいさつ。あいさつをすることは、どこの会社でも、団体でも、当たり前中の当たり前のことである。ところが、あいさつが十分にできていると自信をもって言える会社はどれだけあるだろうか。
 忙しいからあいさつは後回しとか、部下からあいさつするまで自分からはしないとか、状況によって使い分けるようでは、とてもあいさつが徹底されているとは言えない。
 ホウレンソウと言われる報告・連絡・相談もそうだ。
 報告・連絡・相談が当たり前のことであることは言うまでもない。しかし、ほとんどの会社は、報告・連絡・相談がうまくできていないことが課題であると私は考えている。

 当たり前のことというのは、ひとつひとつは単純なことばかりだ。ところが、当たり前のことを徹底して、継続してやることはとても難しい。なぜなら、人間は忘れる、飽きる、怠けるからだ。とかく人は易きに流れる。そこで仕組みが必要となるのだ。仕組みに乗って動くことで、人間が忘れていようと、飽きていようと、怠けることなく仕事が進む。仕組みが習慣化すれば、人は仕組みの存在も気にしなくなる。
 それが仕組みの目指す姿であり、ゴールである。
 当たり前のことを当たり前に、徹底・継続してやっている会社は儲かる。この鉄則は、企業の大小、業種・業態、地域性を問わない。恐らく国が違っても変わらないだろう。少なくとも、企業規模と業種・業態、地域性を問わないことは私自身の体験から明らかだ。
 第1章で述べたとおり、私は大企業の子会社の建材会社と地方の自動車ディーラーの経営に携わった。赤字会社だった建材会社は半年で黒字に、自動車ディーラーは数年で利益率が全国ディーラーのトップになった。
 そのときにやったことは、当たり前のことを当たり前にやる、それを徹底・継続する仕組みづくりである。
 いい人材頼みの経営をやめて、当たり前のことを当たり前にやる仕組みづくりに切り替えることが大事だと私が言うと、人によって次のような批判が返ってくることがある。
 いやいや、会社は社長の器以上には伸びない、だから社長の器を磨き、大きくすることが大切である。
 あるいは、やはり人材は宝である、人材を育てることは何より大切だという主張である。
 これらは理想の追求だ。
 理想の追求は、人間にとって大事なことである。
 私も、社長の自己研鑽や人材育成が大事であるという主張に異論があるわけではない
 社長の自己研鑽とは、マネージメントを学ぶことであり、リーダーシップを身につけることであり、コミュニケーションレベルを上げることだ。つまり、知識を学び、人望を磨き、コミュニケーションスキルを身につけることである。

 私も若い頃には、これらの勉強のために本を読み、中小企業診断士の資格を取得した。
 私の勉強は仕事をしながらだったので、資格を取得するまでに3年を要した。社長の自己研鑽も、ある程度の成果が出るまでには一定の時間がかかるものだ。人材育成も同様である。人はそう簡単には育たない。
 一方、会社経営は待ったなしである。
 社長の器が大きくなり、人材が育つまで会社が倒れず、維持されるという保証はない。まして、現代は変化が急激である。これは現実論だ。儲かる会社をつくるには、現実論が基本である。
 歩ける前には、自分の足で立てなければならない。歩くこと、走ることとは、会社が大きく成長することである。自分の足で立つとは黒字経営を続けることだ。社長の器が十分でなくても、人材が育っていなくても、小規模でも、会社は黒字経営でなければならない。
 仕組みづくりの肝は現実論である。理想論で仕組みを考えてはいけない。
 会社経営も同様だ。将来の理想像、あるいは空想の中の理想論で経営しようとすれば、必ず現実とのギャップにつまずく。会社を黒字にするには、まず社長が現実を認識し、限られた選択肢から最善の手段を選ぶことが求められる。
 誤解を恐れず、あえて断言するならば、社長は理想論を排すべきである。

 私は今年で81歳になる。
 本書は、私の長い経営体験の結果たどり着いた、ひとつの会社黒字化の処方箋である。この処方箋のいいところは、患者(会社)を選ばず、さらに即効性があるという点だ。やればやっただけの効果が、ときをおかずに現れる。
 あなたが会社の黒字化に悩んでいるならば、一度試してみてもらいたい。
 百考は一行に如かずと言う。百の熟慮よりも、ひとつの行動が大事であるということだ。
 本書で紹介している事例は、関係者にご迷惑をかけないように、社名、人名を匿名にしている場合がある。また、どの会社の事例かなど、必ずしも事実をそのままでは紹介していない個所もある。その点はご容赦願いたい。ただし、事例の意味するところはまったく変わらないことも付け加えておく。
 本書が読者の行動に少しでも貢献できれば、著者としてこれに勝る喜びはない。

目次

はじめに

 

第1章 なぜ私は「絶対黒字化できる仕組み」にたどり着いたのか

会社の合併でドラマの筋書きが変わった

一念発起して中小企業診断士の資格を取得

第2の黒船「日米構造協議」が人生を変えた

万年赤字の子会社へ

ダメな会社は立て直さずにいられない

やる人が悪いのではない、やり方が悪いのだ

当たり前のことを当たり前にやる

改善はするが続かないのがダメな職場の特徴

当たり前が実は難しい

たかがあいさつ、されどあいさつ

あいさつは上司から

「川上から川下へ」の仕組みをつくる

押しつけの当たり前と本当の当たり前は違う

お互いに違いがあるか否かはやらせてみればわかる

当たり前のやり方では当たり前のことはできない

黒字化は徹底した現実論から生まれる

本社の社長が認めた子会社の黒字化

本の執筆に挑戦

65歳からのコンサルタント業

社長の力量を見込んでコンサルタント契約を決心

ケンカ前提で遠慮のないコミュニケーションを約束

人材なし、市場なしの老舗企業の経営を指導

黒字化の戦略を練る

社長とは何があっても毎朝ミーティング

老舗ゆえのさまざまな旧弊

人は論理で説得され、感情で動く

人材がいなくても、市場が小さくても、会社は必ず黒字化できる

儲けを取り逃がすな

 

第2章 「普通の人」を「いい人材」にする仕組み

いい人材の前提は社長が動かせる人であること

人材の理想論と現実論

育てて育つのは5人に1人

人は育てば他社に行ってしまう

わが社にとっての人材とは何かを定めよ

仕組みづくりとは会社づくりである

仲良しクラブは赤字の和、チームワークは黒字の和

間違った和で社員の成長の機会を奪うな

助け合いともたれあいは違う

評価を数値化して情実の入り込まない仕組みをつくる

やってほしいこととやって当たり前の仕事を混同しない

「やって当たり前の仕事」は何度も見直すこと

マイルストーンを数値で定めよ

真剣勝負をくぐり抜けて人は人材となる

過去の学習は必ず生きる

やらないほうがいい仕事を体験させるな

2:6:2の法則という現実

一騎当千の集団という幻想は捨てなさい

せめて半人前の仕事をする集団にせよ

ボトム20%をどうするか

社員に不良品はない、あるのは仕掛品だけ

社員の意欲を上げるも下げるも社長次第

トップ20%の余計な負担を減らす

ボトム20%の問題社員を蘇らせる方法

問題社員を辞めさせても残った社員で2:6:2は起きる

できない奴が変わることほど周囲を変えることはない

二宮尊徳の農村再興法

管理とは当たり前のことを当たり前にやらせること

管理者から管理業務を取り上げる

管理業務は一円も稼がない

恣意的な管理を組織から一掃せよ

「当たり前」を社会実験

当たり前のことを当たり前にやる過程は我慢比べ

人を動かす切り札

報酬が人を3倍動かす

身を切る決断で社員に報奨金を還元

 

第3章 「チャンスを逃さない仕組み」で市場が小さくても売上は伸ばせる

理想論のPDCAから現実論のPDCAへ

役割別のPDCA

DOはMUST TO DOである

日報システムの改革はPDCAサイクルの応用

チェックとアクトは一週間単位で

後継者不足は本当か

営業が「勘違いの当たり前」に陥っていないかを点検せよ

当たりくじに安住した営業を許すな

会社を太らせる営業と細らせる営業

営業に負の資産をつくらせるな

日報という情報源に注目せよ

監視ツールを廃止し情報収集ツールにつくり変えよ

日報はフォーマットを統一せよ

社内から「特になし病」を根絶せよ

日報で情報を探す癖をつけさせる

現場は宝の山である

日報がダメなのは上司の側に責任がある

日報の活用度と上司の態度が黒字化を決める

情報の共有化を売上アップにつなげるには

管理ソフトでやらざるを得ない仕組みを完成させる

ないものねだりはやめよう

ルールとシステムをさらに進めた管理ソフトを開発

管理者は日報を見ざるを得なくなった

顧客のABC分析で訪問管理表を設計

日報を書き上げるまで仕事は終わらない

日報の記述と管理はデジタル化で簡潔に

ミーティングは休むな、黙るな、遅れるな

ミーティングの中味は課題と報告と情報の3つ

上司はミーティングを説教の場にしてはならない

部下からの相談は黒字化を進める絶好のチャンス

アリバイづくりの相談に気をつけろ

「やらざるを得ない仕組み」の目的は強制することだけではない

一流スポーツ選手が受け入れたGPS管理


第4章 「利益を漏らさない仕組み」があれば黒字化は必至

利益とは漏れるものだと考えて仕組みをつくること

得た利益は漏らさず、得るべき利益を逃すな

管理ソフトに車検訪問を加える

漏れる顧客は新規開拓で補うしかない

ステップ管理で新規開拓のモチベーションを上げる

火のないところに煙は立たず。煙情報を軽視すべからず

うわさレベル、真偽不明の情報も「情報」である

現金の顔を見るまでは売上ではない

代金回収を徹底する仕組みをつくれ

ゲーム感覚で月次決算の精度を飛躍的に上げる

競争心で部門の報告をあおる

隠す、だます、ごまかす、を止めれば儲けは増える

隠すなと言っても正直に明かすのは3割

隠し事はそれ自体が負債であると心得よ

コンプライアンス違反、不祥事によるダメージをコントロールする仕組み

ダメージコントロールはスピードが命

即開示は罪に問わない

鍵は常に社長が握っている

決算書が読めない社長は隠れ負債にだまされる

負の資産は期中に処理せよ

組織変更で利益を生み出す仕組み

隠れ資産を掘り起こせ

CSを上げれば売上が上がるという幻想

儲けがあってこそのCS第一主義

安売りを止めるには、営業社員から価格決定権を取り上げよ

業界の常識を破る仕組みづくりに挑戦

危ない取引先を切るのは社長の仕事

水商売のオーナーに学べ

ムダな会議を止めれば利益は増える

人材に頼る経営の隘路には、必ず赤字の管理者がいる

背任横領を警戒せよ


第5章 社長も「儲かる会社をつくる仕組み」の一部分

「値引きで勝負」から「品質・サービスで勝負」へ

社長が決断すべき3つの改革

社長とは機能である

サイズの合わない服は着るな

組織の原点は軍隊にある

組織は目的を果たすために最も有効な形であるべき

社長は偉いと思われていいが、偉いと思ってはいけない

自画像を現実と勘違いしてはいけない

すべてのスタートは社長から

仕組みとルールが実績を生み、実績が実力となる

改革は社長から社員へ、そして社長に還る

苦労は分かち合えるが成功は分かち合えない

安定することで生じるリスク

社長は「これでいい」と考えてはいけない

会社を民主主義で経営することはあり得ない

決定は上意下達、情報は下情上通

社長は自分の現実を拡大評価してはならない

会社を守る力

成長は運、守りは実力

社長は口で夢と理想を語り、目と耳で現実をとらえよ

24時間365日、会社のことを考えているのは社長だけ

社長の財産と名誉のすべては会社にある

後継者は社長になってから育つ

社長という機能を最大限発揮せよ

仕組みに命を吹き込む力

 

あとがき

略歴

児島保彦 こじま・やすひこ
経営コンサルタント・中小企業診断士。
1937年、長野県千曲市生まれ。1961年、早稲田大学商学部卒業。住友大阪セメント常務取締役を経て1995年、オーシー建材工業社長に就任。赤字会社だった同社をわずか半年で黒字に転換。退任後、65歳で経営コンサルタントを開業。80歳を前に、開業時に掲げた目標「コンサルタント業でサラリーマン時代の生涯収入を稼ぐ」を達成する。三井住友銀行グループSMBCコンサルティング、日本経営合理化協会、大阪商工会議所他講師を歴任。清泉女学院短期大学兼任講師、信越放送「儲かる会社の必勝法」のコメンテーターも務めた。
著書に『儲かる会社は人が1割、仕組みが9割』(ダイヤモンド社)他がある。
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●編集協力/亀谷敏朗
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