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投資と金融がわかりたい人のための ファイナンス理論入門 プライシング・ポートフォリオ・リスク管理

投資と金融がわかりたい人のための ファイナンス理論入門
冨島佑允 著
  • 書籍:¥1800(税別)
  • 電子書籍:¥1440(税別)
  • A5判・並製/200ページ
  • ISBN978-4-484-18214-8 C0033
  • 2018.3発行
投資と金融の土台を支えている「数学的な考え方」を、金融工学を駆使するプロが基礎の基礎から懇切丁寧に解説。今度こそ「ファイナンス」がわかりたいあなたに!

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内容

投資に使える! 金融がわかる!


これから始める人でもファイナンス理論の
“あの独特な考え方”
が一から理解できるように、
資産運用に携わってきた金融のプロが

1.プライシング理論(“本来の価値”をどうやって求めるか?)
2.ポートフォリオ理論(どの資産にどれだけ投資すればよいか?)
3.リスク管理(適切なリスクとは? 致命的な損失を避けるには?)

について最大限平易に解説。
併せて「エクセル関数を使って自分で統計分析する」方法も紹介。

これまでファイナンスの本を読んでみたけど挫折したという方は、
ぜひ本書で始めてください。





はじめに

 本書は、資産運用のプロが何を考えて投資を行っているのかを1冊にまとめたものです。筆者はメガバンク入行から転職を経て現在に至るまで、一貫して資産運用業に携わってきました。資産運用業界は多くの専門家に支えられていて、不動産投資の専門家もいれば株の専門家もいて、さらには株も業種ごとの専門家に分かれていて……などと細分化されていますが、全てのプロが基礎知識として持っている「考え方」があります。本書ではそのような、プロにとっては基本中の基本である資産運用の考え方をまとめました。
  
 投資は元本割れのリスクがあるからなんとなく怖いと思っている方。資産運用の基本をコンパクトに学びたい方。教養としてファイナンス理論を学びたい方。金融機関や資産運用会社に勤めている方、または目指している学生の方。他のファイナンス理論の本を買ってみたけど、数式だらけで挫折した方。本格的にファイナンス理論を学ぶ前に、まず概要を知っておきたい方等々、本書は幅広い読者を想定しています。
  
「ファイナンス理論」という言葉は、投資や金融に係わる多くの理論の総称です。つまり、「ファイナンス理論」というたった1つの理論があるわけではありません。そのカバー範囲はとても広いのですが、大きくは資産運用に関する理論と、企業金融(コーポレート・ファイナンス)に関する理論に分かれます。本書で取り扱っているのは、主に資産運用に係わる理論です。コーポレートファイナンスの話も第1章第5節で少し出てきますが、それ以外は全て資産運用に係わる話題を扱っています。

■本書を読むことのメリット

 ファイナンス理論は非常に広大な分野で、難しい数式も沢山出てくるので、きちんと勉強しようとすると何年もかかってしまいます。そこで本書では、資産運用の実務の世界で特に重視されている部分にフォーカスして、なるべく数式を使わずに説明しています。本文中には電卓でできる程度の計算しか出てきませんし、それより複雑な計算はエクセル関数で行う方法を紹介しています。
  
 自分や家族のお金を守り増やしていくために、資産運用の基本的な考え方を身につけることはとても重要です。例えば、銀行や証券会社に運用の相談に行ったとき、基本的なことを知らないのと知っているのとでは、担当者が提案してくる運用商品に対する理解度も大きく変わってきます。また、投資や金融に係わる仕事をされている方にとっては“常識” ともいえる内容をまとめていますので、そういった業界に勤める方や、これから勤めることを考えている学生の方にとっても本書が役に立つでしょう。

■本書の構成

 資産運用を行う上では、①なるべく割安な価格で買うために、投資対象の割安・割高を判断する基準が必要になります。また、②世の中にある色々な投資対象のうち、どの投資対象にいくら投資すべきかを決めなければなりません。そして、運用を開始した後は、日々の価格変動によって損益が出ます。そうやって価値がブレるのはやむを得ませんが、③あまりに大きな損を出して破産してしまうのは避けなければなりません。
  
 ファイナンス理論では、資産運用における①・②・③の課題を、以下の3つの理論で取り扱っています。

①プライシング理論:割高、割安を判断する
②ポートフォリオ理論:どのような投資対象にいくら投資すればよいかを決める
③リスク管理:致命的な損失を避ける
  
 資産運用の基本となるこれら3つの理論について、①は第1章、②は第2章、③は第3章で解説しています。また、これらの理論に係わる分析や計算をエクセルで行う方法を第4章で紹介しています。「理論」というとなんだか大げさですが、要するに「考え方」です。
  
 本書に書かれた「考え方」は日本に限らず、世界中の資産運用のプロが実践しているものです。このような考え方をしっかり身につけ、資産形成やキャリア形成において読者のみなさんの一助としていただければ幸いです。
  
冨島 佑允
 

目次

はじめに
・本書を読むことのメリット
・本書の構成
 
第1章 プライシング理論
    “本来の価値”をどうやって求めるか?
 
1 株・債券、不動産、プロジェクト、企業
  ……全て同じ考え方で価値を求められる
2 全てを「お金の流れ(キャッシュフロー)」として捉える
3 キャッシュフローに「値段」を付ける
4 キャッシュフローの「値段」はどうやって決めるのか
5 いろいろな資産の“本来の価値”を求めてみる
  5-1 債券
  5-2 株式
  5-3 不動産
  5-4 企業
  5-5 プロジェクト
   ①NPV法
   ②IRR法
6 将来キャッシュフローが状況によって変化する場合
7 将来キャッシュフローの推定自体がそもそも難しい場合
8 まとめ
 
第2章 ポートフォリオ理論
    どの資産にどれだけ投資すればよいか?
 
1 資産の組み合わせを合理的に決める
2 ポートフォリオ理論の土台は「資本資産価格モデル(CAPM)」
  2-1 CAPMとは何か?
  2-2 CAPM理論の要点
  2-3 CAPMの視覚的イメージ
   ①ポートフォリオをリスク・リターン平面上の点として捉える
   ②リスク性資産のポートフォリオは、効率的フロンティアから選ぶ
   ③リスク性資産のポートフォリオと無リスク資産を組み合わせる
   ④個別の証券と、市場ポートフォリオとの関係
   ⑤CAPMが世界に与えた影響
3 CAPMの先へ
  3-1 マルチファクターモデル
   ①マルチファクターモデルの理論的土台であるAPTについて
   ②Fama-Frenchの3ファクター・モデル
  3-2 最小分散ポートフォリオ
  3-3 リスク・パリティとリスク・バジェッティング
  3-4 インデックス運用とアクティブ運用
4 まとめ ポートフォリオ理論を学ぶことの意義
 
第3章 リスク管理
    適切なリスクとは? 致命的な損失を避けるには?
 
1 リスクとは何か
2 市場リスクの捉え方
3「非常事態への備え」の基本はValue at Risk
  3-1 VaRとは何か
  3-2 ヒストリカルVaRとモンテカルロVaR
  3-3 VaRをどのように使うか
  3-4 VaRの利点と限界
4 テールリスク管理
  4-1 ファットテール
  4-2 ストレステストで緊急事態に備える
  4-3 信用リスクについて
5 まとめ
 
第4章 統計分析
    自分で分析する方法を身につける
 
1 まずは、データに問題がないかを確認する
2 統計分析の実際
   ①リターン
   ②標準偏差
   ③相関
   ④VaR
3 計算した数値を使って、最小分散ポートフォリオを作ってみる
4 β(ベータ)の計算
5 まとめ
 
おわりに

略歴

冨島佑允(とみしま ゆうすけ)
1982年福岡生まれ。外資系生命保険会社の運用部門に勤務。
京都大学理学部・東京大学大学院理学系研究科卒(素粒子物理学専攻)。大学院時代は世界最大の素粒子実験プロジェクトの研究員として活躍。その後メガバンクにクオンツ(金融工学を駆使する専門職)として採用され、信用デリバティブや日本国債・日本株の運用を担当し、ニューヨークでヘッジファンドのマネージャーを経験。2016年に転職し、現職では10兆円を超える資産の運用に携わる。欧米文化に親しんだ国際的な金融マンであると同時に、科学や哲学における最先端の動向にも精通している。著書に『「大数の法則」がわかれば、世の中のすべてがわかる!』(ウェッジ刊)がある。
 

●装丁・本文デザイン/竹内淳子(慶昌堂印刷)
●校正/円水社