アステイオン86

アステイオン86
公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会 編
  • 書籍:定価1100円(本体1,000円)
  • 電子書籍:定価1100円(本体1,000円)
  • A5判変型・並製/288ページ
  • 978-4-484-17215-6
  • 2017.05.18発行

特集「権力としての民意」 待鳥聡史/水島治郎/岡山 裕/高木佑輔/阿古智子/金井利之 <論考>五百旗頭 薫/奈良岡聰智/河野 勝/李 承赫/池内 恵<対談>ミラン・クンデラ+トマーシュ・セドラーチェク <往復書簡correspondence>ビル・エモット+ジョナサン・ラウシュ+田所昌幸<新連載>三浦雅士

ソーシャルネットワーキングサーヴィス(SNS)をはじめとするインターネットの急激な発達は、エリートの裁量行使を監視しつつ下支えしていたマスメディアへの信頼を揺るがせている。経済のグローバル化は、それまで代議制民主主義の下での繁栄を謳歌してきた先進国の人々に、かつてない危機感を抱かせている。
 エリートが信頼と自律性を失うとき、民意は代議制による封じ込めから脱して、ようやく権力者としての貌を顕わにする。各国においてそれがどのような背景と経緯から生じたのか、何を生み出すのかを、考えてみたいと思う。(巻頭言より一部抜粋)

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目次

特集   権力としての民意

巻頭言
・・・・・・待鳥聡史

民意がデモクラシーを脅かすとき――ヨーロッパのポピュリズムと国民投票
・・・・・・水島治郎

アメリカ二大政党政治の中の「トランプ革命」
・・・・・・岡山 裕

フィリピン・ドゥテルテ政権の政治――民主化後の政治発展とエドサ連合
・・・・・・高木佑輔

インターネット時代の中国ポピュリズム
・・・・・・阿古智子

小池都政における都民と”民意”
・・・・・・金井利之

<論考>
噓の明治史―五/七/五で噓を切る
・・・・・・五百旗頭薫

よりよき公文書管理制度のために――イギリスとの比較に基づいて
・・・・・・奈良岡聰智

安保法制は何を後世に残したのか――もうひとつの安倍政権論
・・・・・・河野 勝

「木」と「森」の区別ができる日韓関係とは――異なる「歴史物語」に基づく論争を乗り越える
・・・・・・李 承赫

二十一世紀の「大きな話」、あるいは歴史を動かす蛮勇
・・・・・・池内 恵

<地域は舞台>
島と人と時の流れと 三重県鳥羽市答志島・神島への旅
島の旅社推進協議会(三重県鳥羽市)
・・・・・・阿川尚之

   
<世界の思潮>
 會澤正志齋と「国家神道」の間
・・・・・・高山大毅  

 憤るアメリカ白人とその政治化
・・・・・・マルガリータ・エステベス・アベ

無限無窮(ルビ:Infinite)の日本語
・・・・・・ジェイ・ルービン  
 
激変する社会で求められる重厚な物語
・・・・・・泉 京鹿

<写真で読む研究レポート>
中世の声を訪ねて――題目立の今
・・・・・・沖本幸子

<時評>
 芭蕉「草臥れて」の一句とその仏訳
・・・・・・芳賀 徹
 
「切られた首」の崇拝
高階秀爾    
 
「偽物」の効用―「震災遺構」保存問題の周辺から
・・・・・・渡辺 裕
            
焼杉
 ・・・・・・藤森 照信    

モモンガの気持ち
・・・・・・奥本 大三郎  
 
文部省教科書『民主主義』と尾高朝雄
・・・・・・苅部 直 

<対談>
にわかに信じ難い運命―トマーシュ・セドラーチェクとの対話
・・・・・・ミラン・クンデラ+トマーシュ・セドラーチェク

<往復書簡correspondence>
今度ばかりは違うのか? リベラルデモクラシーの危機
・・・・・・ビル・エモット+ジョナサン・ラウシュ+田所 昌幸

<連載>
世界史の変容・序説―中国宋代から考える
・・・・・・三浦雅士   

<フォーラムレポート>
グローバルな文脈での日本
 
Table of Contents in English
バックナンバーのご案内       

●アステイオン編集委員会委員
 
委員長 田所昌幸 
    池内 恵
    苅部 直
    張  競
    細谷雄一
    待鳥聡史
顧 問 山崎正和

特集責任編集 中島秀人
 
●ブックデザイン/熊澤正人+村奈諒佳(POWERHOUSE)
●翻訳協力/ジャネット・アシュビー、斉藤裕一
●校閲/竹内輝夫
●編集協力/CCCメディアハウス書籍第一編集部

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