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新装版 フランス人 この奇妙な人たち

新装版 フランス人 この奇妙な人たち
ポリー・プラット 著
桜内篤子 訳
  • 書籍:¥1,800(税別)
  • 四六判・並製/388ページ
  • ISBN978-4-484-17150-0
  • 5.30発売予定
パリ在住30年のアメリカ女性が、フランスでの滞在を楽しむカギ、仕事をするときのコツをユーモアたっぷりに綴った「フランス人とうまくつきあう法」。旅行者、ビジネスパーソン必携!
 

書籍

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内容

フランスでは、「お客様は神様」ではありません!

フランス人は
・めったに笑顔を見せない
・時間にルーズ
・絶対にミスを認めない
・運転が乱暴
・無類の犬好き
・エチケットにうるさく皮肉屋
 ・・・・・・

「あるある!」が満載。
目からウロコの「フランス人とうまくつきあう法」

日本版への序文

 この度 “French or Foe?” の日本版が出ることを、とてもうれしく、また光栄に思っている。何年も前に『菊と刀』を手にして以来ずっと、私は日本の文化のすばらしさに感嘆の念を抱いてきた。その後、親しくしているアメリカ人の従兄弟が日本女性と結婚したので、ますます遠い島国である日本に親しみを感じるようになった。やさしくて、また頭の柔らかい彼女を、私はとても尊敬している。ふたりは現在、カナダ東部の霧の多い半島ノヴァ・スコシアに住んでいる。
 日本人にとっては、文化的な都会から遠く離れたノヴァ・スコシアの田舎に住むほうが、フランスに住むより気楽かもしれない。本書の冒頭でも紹介しているが、フランスに二〇年以上住んでいる精神科医、太田博昭氏は、多くの外国人がパリでノイローゼになっていることを指摘している(太田博昭『パリ症候群』〔トラベルジャーナル社刊〕)。
 おそらくフランスで、日本人以上にフラストレーションを感じている外国人はいないだろう。それは、ひとつには日本とフランスがかなり多くの共通点をもっていることに起因しているように思う。
 アメリカ人の私から見れば、日本とフランスは互いに似ている点が多い。どちらも古くから中央集権的な国家を頂き、ヒエラルキーが確立している。どちらも教育が国民の大きな関心事であり、学歴が重んじられる社会だ。そして官僚が非常に大きな力をもち、政府と財界は協力し合っている。最近日本でもフランスでも、政府と財界の高いレベルでのスキャンダルが注目を集めた。ビジネスをするときには人間関係が大切であり、あまり強引な売り込みはよしとされない。また儀式や社会的な規範を重んじる点でも共通している。料理は芸術のひとつと考えられ、美的な配慮がなされる。文学に対する思い入れも強く、あらゆることに歴史や伝統が生きている。年始に宮中で行われる歌会始ひとつとってみても、平安時代にまでさかのぼる古い伝統をもっている。パリでもノートルダム寺院で、一二世紀にはじまる儀式が今に至るまで行われている。
 だから、共通点があると思っていたフランスに来た日本人は、期待に反してフランス人が自分たちとは全然違うのを発見して、ショックを受ける。空間や時間に対する感覚や法に対する考え方、協調性などをめぐる基本的な相違点もあれば、もっと表面的な違いもある。
 私は、パリに長く住んでいる日本人や、フランスの文化に慣れるための私のセミナーに参加してくれた日本のビジネスマンたちに、とても感謝している。私は彼らから日本の習慣や感じ方について多くを学び、またフランスという異文化に対する彼らの感想も聞かせてもらうことができた。本書はおもに英語を母国語とする人を対象に書かれているが、日本版では彼らのコメントをいくつか本文に挿入させてもらった。彼らの貴重なコメントによって、日本の読者にフランス文化の違いをよりよく理解してもらえるのではないかと期待している。
 フランスでは予期しない事態に遭遇して苦い思いをすることもあるし、ときには危険なことさえある。そこで、この序文の締めくくりとして、とくに日本人がびっくりすることや、知らないがゆえの危険な落とし穴について、フランス通の日本人にアドバイスしてもらったので紹介しておこう。
  
●フランスの空港に降り立っても、空港の職員やタクシーの運転手、ホテルのフロント係やその他のフランス人から歓迎されるなどと思わないこと。つっけんどんな対応を受けても気にしないこと。笑顔を期待しないこと。
●できるだけフランス語を学ぶこと。とくに大切な表現は覚えておくこと。
●通りを横切るときは気をつけること。フランスでは車は右側通行で、フランス人のドライバーは予想もつかないようなことをする。
●すぐに車を運転しないこと。フランスではドライバーだけでなく歩行者も、予想もできないようなことをする。
●最後はとくに若い女性に。メトロで居眠りしないこと。スリに狙われるだけでなく、ほかの危険もある。またシャトレやバルベ、レ・アルなどの駅は避けたほうがいい。
  
 フランスのやり方に慣れた日本人は、フランスでの滞在を大いに満喫しているようだ。
 とにかく大切な表現を覚え、注意深く行動し、相手を魅了するつもりで振る舞い、ユーモアのセンスをもって、未知の世界を冒険する気持ちで臨むこと。そうすれば、きっとあなたもフランスが大好きになるはずだ。

目次

日本版への序文

はじめに

PartⅠ はじめが肝心 
1 6つの黄金律 ● 失礼かどうかは受け止め方次第 
2 フランス人の空間 ● フランス人はスキンシップがお好き? 
3 フランス人の時間の観念 ● 「なんでも余計に時間がかかるようにできている」 

PartⅡ 公の場におけるフランス人の流儀 
4 親切と不親切 ● 赤の他人の思いやり&近所の商店とのつきあい方 
5 デパートや大型スーパーの悲惨 ● 客を客と思っていない店員たち 
6 自分の非を絶対認めないフランス人 ● フランスでミスを認めると…… 
7 お役所に行く前に ● システムDを身につけよう

PartⅢ フランス的なるものの背景 
8 今は昔…… ● フランス史は必須課目 
9 フランスの家族 ● 世界一厳しいしつけと親密な親子関係 
10 学校生活 ● 頭のいい奴が生き延びる 
11 グランド・ゼコール  ●超エリートの集うところ 
12 フランス語に対するこだわり ● 情熱かはたまた信仰か? 
13 人生の愉しみ ● 恋と食べ物と言葉 
14 食卓におけるエチケット ● ディナー・パーティーに招かれたら 

PartⅣ フランス人とオフィス・ライフ 
15 フランス式経営 ● カルチャー・ギャップはとてつもなく大きい 
16 ああフランス企業 ● 外国人の不満とフランス人エグゼクティヴのアドバイス 
17 フランスの職場に慣れるには? ● 異文化体験のベテランたちのアドバイス

PartⅤ 立場変われば…… 
18 フランス人から見たアメリカ人 

おわりに ● 不満も見方を変えると……

略歴

[著者]
ポリー・プラット(Polly Platt)
米国フィラデルフィア生まれ。ウェルズリー大学卒業後、ニューヨーク・ポスト紙等でフィーチャー・ライターとして活躍。1967年にパリへ。86年、外国からフランスに赴任する企業幹部とその配偶者を対象とした異文化セミナーを主催・運営する会社「カルチャー・クロッシング」を設立。主なクライアントはゼネラルモーターズ、3M、コカ・コーラ、JPモルガン、マイクロソフト、米国大使館など。2008年逝去。
  
[訳者]
桜内篤子(さくらうち・あつこ)
フリーの翻訳家。東京生まれ。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学卒業後、編集者を経て現在に至る。おもな訳書に『タオは笑っている』『子どもの神秘生活』(工作舎)『庭づくりへの誘い』(晶文社)『女性として、人間として』(TBSブリタニカ)『吾輩はガイジンである』(岩波書店)などがある。
●装画/Maira Kalman
●装丁/川上成夫+川﨑稔子
●校正/円水社