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脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド

脳を最適化する
アルバロ・フェルナンデス/エルコノン・ゴールドバーグ/パスカル・マイケロン 著
山田雅久 訳
久保田 競 解説
  • 書籍:¥2,000(税別)
  • 電子書籍:¥1,600(税別)
  • 四六判・並製/368ページ
  • ISBN978-4-484-15121-2 C0098
  • 2015.10発行
【ブレインフィットネスのバイブル、ついに日本上陸!】身体フィットネスと同じように、いま「ブレインフィットネス」が注目を集めている。運動、食事、瞑想、レジャー、人間関係、ストレス、脳トレ……あらゆる側面から脳をグレードアップする方法を、世界トップレベルの専門家たちが最新研究にもとづいて具体的にアドバイス。あなたの脳はもっと進化する! 

書籍

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電子書籍

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内容

【ブレインフィットネスのバイブル、ついに日本上陸!】

身体やメンタルと同じように、脳だって自分で鍛えることができる。
運動、食事、瞑想、レジャー、人間関係、ストレス、脳トレ……
あらゆる側面から脳をグレードアップする方法を、
世界トップレベルの専門家たちが最新研究にもとづいて具体的にアドバイス。

脳科学の最高権威・久保田競博士の解説も必読。

あなたの脳はもっと進化する!


◆無視できない一冊。洞察に満ち、要領を得ていて、実践的でもある。
――トバイアス・キーファー博士(ブーズ・アンド・カンパニー)
 
◆脳と心をよりよく理解するために、また、生涯を通じてそのふたつをどう成長させていくかを知る上で欠かせない資源。
――スーザン・E・ホフマン(カリフォルニア大学バークレー校オッシャー生涯学習研究所責任者)
 
◆最高の情報と実践的な方法論に満ちたすばらしい資料だ! どうしたら脳を健康に保てるかというテーマから、過度な熱狂と欺瞞を切り離し、そこにある希望に光を当てている。
――エリザベス・エドリー博士(アルツハイマー協会主任プログラム役員)
 
◆なぜ書籍が、(グーグル検索と比べて)私たちの時間と出費に見合うものであるかを思い出させてくれる。聴診器で患者の身体を入念にチェックする医師のように、読み込んでほしい。
――ジャン・ガーリー博士(内科専門医、ロバート・ウッド・ジョンソン・フェロー)
 
◆脳神経学とブレインフィットネス分野の製品やトレンドについての、洞察力に富み、余すところのない総覧だ。俗説を正し、脳をシャープに保ちたい人の必読書。
――グロリア・キャバノー(全米エイジング協会前理事長)
 
◆脳トレーニング革命における最高のガイド。信頼でき、科学的リサーチを土台としたブレインフィットネス文化を築くために、私たちの社会が今必要としている議論を盛り上げてくれるだろう。
――ムラリ・ドレイフォミイ博士(デューク大学精神医学部教授)
 
◆私が知る限り、生まれてから死ぬまで認知的に健康でいるための最新情報を網羅した、唯一の本だ。脳に関心があるすべての人にとってきわめて有益なガイドになるだろう。
――アーサー・クレイマ博士(イリノイ大学心理学部教授)

目次

まえがき
Introduction 「ブレインフィットネス」を始めよう
 

Chapter1 脳とはなにか。スタート地点はそこにある 
 
脳はなにをしているのか?
ニューロンはなにをしているのか?
脳はどんな構造をしているのか?
生まれてから死ぬまでの間に、脳はどのように変化していくのか?
生涯にわたって続く「神経可塑性」
 
Interview1 ロバート・シルウェスター博士――認知力と脳の発達
Interview2 ジェームズ・ズール博士――「学習」とはなにか?
Interview3 マイケル・ポスナー博士――「注意力」とはなにか?
 

Chapter2  脳を鍛えるには、患者ではなくコーチになれ
 
未来は(ほとんど)ここまで来ている
脳のメンテナンスを外部委託するな
科学的プロセスの価値
 
Interview1 ロバート・M・ビルダー博士――どうすれば脳は変わるか?
Interview2 アルバロ・パスカル=レオーネ博士――自己観察で脳の健康を理解する
Interview3 ウィリアム・ライヒマン博士――心臓の健康と脳の健康
Interview4 マイケル・メルゼニッチ博士――神経可塑性の今後
 

Chapter3  健全な脳は、健全な身体に宿る
 
身体エクササイズは、脳にどう影響するか?
運動を続けることが認知力を高める
運動を続けることは予防にもつながる
どんな種類のエクササイズを、どの程度やるか?
 
Interview1 アーサー・クレイマ博士――なぜ身体エクササイズが必要なのか?
Interview2 ヤコブ・スターン博士――身体エクササイズと認知エクササイズ

 
Chapter4  私たちは、ほぼ食べたものでできている
 
思考するための食物
栄養素が脳に及ぼす影響
オメガ3脂肪酸と抗酸化物質
サプリメントは良い? 悪い? 効果はない?
飲み物は脳にどう影響するか?――コーヒーとアルコール
問題を起こすふたつの要因――糖尿病と喫煙
肥満と認知力
 
Interview1 ラリー・マクリーリー博士――脳を健康にするためのアプローチ
 

Chapter5  使うか、失うか――メンタルから脳を鍛える

メンタルチャレンジが脳構造に与える影響
認知的予備力、脳神経的予備力に投資せよ
生涯にわたる認知エクササイズの効果
教育と仕事が脳を守る
認知的予備力を築くレジャー活動
 
Interview1 ヤコブ・スターン博士――認知的予備力とアルツハイマー病
Interview2 エリザベス・ゼリンスキー博士――健康的な年の取り方と認知力の強化
 

Chapter6  これから出会う人が、あなたの脳を変える

社会参加がもたらす効能
社会的つながりが、なぜ脳機能を強化するのか?
脳に良い社会的つながりとは?
社会とのかかわりを拡大するには?
ソーシャルメディアはどうか?
 
Interview1 オスカー・イバラ博士――社会的交流が認知力を強化する
 

Chapter7  ストレス・コントロールと、脳の回復力(レジリエンス) 
 
良いストレス、悪いストレス
脳はストレスにこう反応している
ストレスと抑うつ
生活のなかでストレスを解決する方法
瞑想――ストレスを管理し、回復力を築く技術

Interview1 アンドリュー・ニューバーグ博士――瞑想の価値
Interview2 ロバート・エモンズ博士――感謝の気持ちが幸福と健康をもたらす
Interview3 ブレット・スティンバーガー博士――ピークパフォーマンスを実現する方法


Chapter8  クロス・トレーニングで脳を最適化する

脳トレーニングとはなにか?
クロス・トレーニングの例
良質な認知トレーニングプログラムを求めて
 
Interview1 ジュディス・ベック博士――脳トレーニングとダイエットの関係
Interview2 マーティン・ブッシュキュール博士――知能は鍛えられるか?
Interview3 ジェリ・エドワーズ博士――ドライビング技術を向上させる
Interview4 トーケル・クリングバーグ博士――子どものワーキングメモリを改善する
 

Chapter9  自分の脳を導く「コーチ」になる
 
優先順位を決める
脳の状態を自己観察する――考え、知識、行動と能力
計画する
 

Appendix ブレインフィットネスに関する55の重要事項
あとがき

解 説――神経画像処理技術がもたらしたもの(久保田 競)
訳者あとがき
 
用語集
参考文献/協力者一覧

Introduction 「ブレインフィットネス」を始めよう

 数年前まで、「ブレイン」という言葉のあとに「フィットネス」や「トレーニング」といった言葉が続くことはまれだった。同じように「認知力」に「改善」という言葉が続くこともほとんどなかった。それが今では、「ブレインフィットネス」「脳トレーニング」「認知力改善」に関するニュースを見ずに終わる週はない。この変化は、科学界や医学界、そして一般の人たちが、脳機能を最適化することに強い関心を示し始めたことを反映している。
 
 複雑なだけでなく絶えず変化を続ける現代社会は、私たちの脳にさまざまな要求を突きつける。このかつてなかった状況が、生涯にわたって続くのだ。アメリカ人を例にとると、前世紀と比べて寿命が25年も伸びているので、脳を最適化したいという関心は、時代の必然であるともいえる。
〔中略〕
 
本書が目指すもの
 
 適度な身体エクササイズ、好ましい食習慣、「(脳を)使うか、さもなければ失うか」という警句など、ブレインフィットネスに良いとされる行動や習慣を耳にしたことがあるだろう。しかし、それだけでは、ブレインフィットネスの表面を引っ掻いているにすぎない。私たち自身が、生涯にわたるニューロン新生(新しいニューロンの生成)、生涯にわたる神経可塑性(体験を通して起こる脳神経の再結合)、認知的予備力(メンタルを刺激することでアルツハイマー病などの発症を遅らせること)などへ深く関与できる事実が矮小化されているからだ。
 
 ブレインフィットネスとは、クロスワードパズルを何回か余計にやることでも、朝食でシリアルと一緒にブルーベリーをたくさん食べることでも、少し長い距離を歩くことでもない。脳の可塑性のポイントは、ひとつの体験、ひとつの思い、ひとつの感情によって脳が変わってしまう可能性にある。それは、どう行ない、どう思い、どう感じるかによって脳を変化させることができる可能性も意味している。
 
 ブレインフィットネスや脳の最適化とは、クロスワードパズルとかブルーベリー以上のものだ。新しい考え方を培い、脳に秘められた信じられないほどの可能性について正しく理解し、そこから最大限の利益を引き出すツールキットになるものなのだ。
 
 脳はだれにとってもかけがえがない財産だ。だから、相応の投資が必要であることに間違いはない。しかし実際は、多くの人が、身体のほうの健康や経済的な財産のためにほとんどの時間やエネルギーや注意力を注ぎ込んでいる。それらの作業をうまく行なうためにも、その努力から生まれた果実を楽しむためにも必要な財産――脳と認知力――に思いを馳せる人は少ない。
 
 リタイア後の資金のために数十年間投資しても、そのリタイア後の人生を楽しむためになによりも大切な脳の健康と認知力に投資せずにいたら、すべての努力が水泡に帰してしまうこともある。
 
 ブレインフィットネス分野における科学や技術や市場の進展を追いかけることはとても大変で、〝脳〞も混乱する。幸運なことに、私たちはあなたの代わりにその仕事をすることができた。この本には、100人以上の科学者や専門家に話を聞き、数千人の消費者を調査し、数百の科学出版物や、脳に関する3つの世界的な会議の内容を再考した結果が含まれている。足かけ7年を要した調査が生み出したものだ。
 
 あなた自身があなたの脳をどのように最適化していくかにあたり、この本から情報と洞察を得てもらえたら、これに代わる喜びはない。そして、あなたのまわりにいる人たちにここで得た知識と試した結果を伝えてもらえたらと思う。


 本書は9つの章で構成されている。
 
 第1章は、あなたを脳のなかへと連れて行き、神経可塑性とはなにか、なぜそれがブレインフィットネスの核心になるかをあきらかにしている。
 
 第2章では、科学的発見をよりよく理解し、応用するための心構えをお伝えする。
 
 そこから先は、ブレインフィットネスの柱――脳を健康にし、認知力を改善する生活上の基本要素――について述べていく。それぞれの柱は、まるで、ブレインフィットネスというパズルを構成するひとつひとつのピースのように見えるだろう。それらのピースは互いに補いあっていて、最新の研究成果にもとづいている。互いが代わりになるというより、互いによって効果が増していくものだ。
 
 第3章では、身体エクササイズが脳に及ぼす影響についての研究成果、どのような身体エクササイズが良いかについてのガイドライン、また、身体エクササイズが神経可塑性へ及ぼす影響について紹介する。
 
 第4章では、脳の健康に対してバランスがとれた栄養素が果たしている役割と、健康にかかわる要素(糖尿病、喫煙、肥満)が認知力に与える影響について探っていく。
 
 第5章では、認知的予備力を強化する活動に焦点をあて、生涯にわたって認知力に影響を及ぼす要素(教育、仕事、毎日の活動)について説明する。
 
 第6章は、社会的なつながりが脳機能に与える影響を探る。
 
 第7章は、ストレス管理と見逃されがちな感情的な回復力に焦点をあてていく。
 
 第8章は、第3~7章までで述べた生活のなかで実践できる柱を超えたところにある、脳をクロス・トレーニングするやり方に焦点をあてていく。とくに、応用することが容易な技術や一般的に入手できるツールについて述べている。
 
 第9章は、この本で得た知識をどう適用し実行していくか、自分自身の〝ブレインフィットネス・コーチ〞になることで自分をどう導いたらよいかを要約して結びとしている。
 それぞれの章の後半には、2006年から2012年までに行なわれた著名な科学者へのインタビューが含まれている。脳神経学の世界を牽引する科学者たちが、その章で扱った内容についてより深い洞察を与えてくれるだろう。彼らは自分が今抱えている疑問や疑念にも言及している。
 
 これらのインタビューは、本文やほかのインタビューと、補いあい、立証しあい、発展させあい、深めあうが、時に、挑みあうものになっている。インタビューの主な内容は本文に沿っているので、本の流れに沿って読んでもよいし、後回しにしてもよいだろう。


 最後に強調したいことだが、私たちはいかなる医療の介入を命ずるものでも支持するものでもない。あらゆる企業や機関との間に利害関係を持たない最新の情報と分析を提供することで、あなたのユニークな脳とユニークな心をあなた自らが鍛錬し、あなたの脳が健康になり、あなたの認知機能が、今、そして未来において最適化されていくことを切望するものである。

略歴

シャープブレインズ SharpBrains
脳の健康に関する最新情報を調査し発信するマーケットリサーチ会社。急速に発展していくブレインフィットネス分野の開発シンクタンクでもあり、科学的研究に裏づけられた情報を中立的な立場から提供することを使命とする。とくに、身体を傷つけないで行なう技術や高齢者対象のプログラムに重点を置く。隔年でマーケットレポートを刊行するほか、専門家向けのバーチャルカンファレンスを毎年開催。情報提供の核であるウェブサイトには、月10万以上のアクセスがあり、ニュースレターの購読者は5万人を超える。

アルバロ・フェルナンデス Alvaro Fernandez
シャープブレインズ最高経営責任者。スタンフォード大学で経営学修士(MBA)と教育学修士、スペインのデウスト大学では経済学の学位を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー社でキャリアをスタートさせ、複数の会社の設立などに携わる。ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、ニューサイエンティスト、CNNなどのメディアに取り上げられ、世界的に活躍する講演家でもある。2012年3月、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダー」に選出。

エルコノン・ゴールドバーグ Elkhonon Goldberg, Ph.D.
シャープブレインズ最高科学顧問。ニューヨーク大学医学部神経学臨床教授、アメリカ専門心理学委員会の臨床神経心理学専門医。神経心理学と認知神経科学における臨床医、研究者、教育者、執筆家として世界的に知られる。神経心理学の創始者と呼ばれるアレクサンドル・ルシアに学び、その科学的・臨床的業績に貢献。『脳を支配する前頭葉 人間らしさをもたらす脳の中枢』(講談社)、『老いて賢くなる脳』(NHK出版)ほか著書多数。

パスカル・マイケロン Pascale Michelon, Ph.D.
認知心理学博士。ワシントン大学非常勤教員。ワシントン大学研究員として、脳が視覚情報をどのように処理し記憶するかを読み解くための神経画像処理研究を指揮。多くの査読論文を発表し、その科学業績に対して複数の賞を受賞している。本書では調査主任を務めた。

久保田 競 くぼた・きそう
医学博士、京都大学名誉教授。東京大学医学部、同大学院、オレゴン州立医科大学などを経て京都大学霊長類研究所教授、同所長を歴任。大脳生理学の世界的権威として、現在も精力的に研究・執筆活動を続けている。著書多数。

山田雅久 やまだ・まさひさ
医療ジャーナリスト。出版社勤務を経て独立。医学・健康関連書籍の編集および執筆を手がける。著書に『科学が見つけた! 脳を老化させない食べ物』(主婦と生活社)、訳書に『コンシャス・ドリーミング』(ヴォイス)、『フォックス先生の猫マッサージ』(洋泉社)などがある。
●カバーデザイン/神田昇和