「選ばれる人」の気遣い
元日本航空CAが教える、会社で思い通りの評価を得ている人がこっそり実践していることとは? 「誰からも認められ、必要とされる力」を身につけるために、知っておきたいこと全部が詰まった一冊。明日から仕事だけでなく、人生の質も高まる!
- 書籍:定価1650円(本体1,500円)
- 電子書籍:定価1320円(本体1,200円)
- 2015.08.27発行
内容
「選ばれる人」とは……一緒に仕事をしたいと思われる人、苦しくても一緒に頑張れる人、その人がいると不思議とプロジェクトがうまくいく人。
元日本航空CAが教える、会社で思いどおりの評価を得る方法。
選ぶのは「相手」、選ばれるのは「あなた」です。
プロローグ
はじめまして。この本を手に取ってくださいまして、ありがとうございます。これもなにかのご縁、とてもうれしく思います。
タイトルに惹ひかれて本書を手に取られたということは、きっとあなたはいま、自分の立ち位置や、人間関係のあり方について、思うところがおありなのでしょう。
もっと状況をよくしていきたい! といったポジティブな動機や、あるいは、思い悩むような出来事があったのかもしれませんね。
そのようなあなたに少し質問です。次のようなことを思った経験はありますか?
いつも自分に雑用ばかり回ってくる。
自分ばかり貧乏くじを引き、ほかの人ばかりがいい思いをしている。
もしもひとつでも当てはまるなら、ぜひこの本を読んでください。
自分の意見が通ることはあまりない。
仕事の成果の美おい味しいところを、ほかの人に全部持っていかれてしまう。
ほぼ同じ内容のプレゼンなのに、自分ではなく、ほかの人が選ばれてしまう。
残業して頑張っているのに、全然わかってもらえない気がする。
それほど優秀とは思えない人が、自分より先に昇進していく。
もう、転職したほうがいい気がする……!
もしもひとつでも当てはまるなら、ぜひこの本を読んでください。
同じように悔しい思いをしてきた私が、「なぜそのようになってしまうのか」というメカニズムを解析し、克服するためのくわしいプロセスを書いているからです。
私は約一二年間、飛行機のなかで客室乗務員として仕事をし、その後社員研修をメインに、講演、セミナー、大学の講義などを行ってきました。そして、再度エアラインの仕事
に復帰しました。
客室乗務員時代から現在まで、接してきた人々の数は一〇万人以上にのぼります。
そんななか、自分を含め、出会った方々の人間特性、人間模様、自己尊厳、それらを解析した結果、見えてきたことがありました。
あなたはいま、どんな「顔」をしていますか? ※顔のつくりのことではありません。
そして次に、とても大切な質問をします。
あなたはいま、どんな自分を「自分」だと思っていますか?
あなた自身は、自分がどんな人間かを、よくわかっていると思っていると思います。
●「選ばれない」のは、それなりの理由がある」
エアラインを辞め、社員教育を行ってきた私は、主に営業パースン研修にご縁をいただき、多くの営業パースンの姿を見てまいりました。
営業職ほど「人から選ばれる」ことが重要な職種はありません。
ここで踏まえておくべきことは営業成績だけで、その人を決定づけることはできないということです。
「売れる、売れない」だけではなく、人から「選ばれる、選ばれない」ということこそが重要であり、それは、その人の人生の質までも変えてしまうものなのです。
ではここで、あなた自身のことを見てみましょう。
あなたはいま、どんな「顔」をしていますか? ※顔のつくりのことではありません。
あなたはいま、どんな「格好」をしていますか? ※服の値段のことではありません。
そして次に、とても大切な質問をします。
あなたはいま、どんな自分を「自分」だと思っていますか?
あなたの価値観のなかで、いちばん大切なものはなんですか?
あなた自身は、自分がどんな人間かを、よくわかっていると思っていると思います。
でも本当に、あなたが思う自分が、この世のなかに存在している「あなた」なのでしょうか?
もしかしたら、周囲の人のほうが、あなたのことをよく知っているかもしれません。
おそらくあなた自身も、周りにいる人のことを、何気なく――しかしそれでいて、細かい部分までじっくりと――見ているのではありませんか?
果たしてあなたが見ているその人は、自分自身のことを、あなたが思うような人だと自分で思っているでしょうか?
私の研修では、「自己(自分から見た自分)」と「他己(人から見た自分)」の認識誤差チェックを行います。
視覚、聴覚、行動など、数十個の項目から、その人の「人となり」を、本人を含めた複数人でチェックしていくのです。
本人と、チェックした人たちの認識は、おもしろいまでに一致しません。人は、自分をうまく表現しているつもりでも、実際は、思うほど表現できていないのです。
……つづく
もくじ
プロローグ
「選ばれない」のは、それなりの理由がある
選ぶのは「相手」、選ばれるのは「あなた」
人は自分と同じように考え、感じているとは限らない
第1章 自分自身の探求へ――「自己を知る」ステップ
新しい自分になるために、「自分を知る」ところからはじめよう
自分を支配する「内なる声」に気づいて
人はすべて自分自身の「予言者」
「無意識」を解除し、「レッテル」を剥がし、決めつけから自由になろう
無意識下の行動が、意識下の行動を支配している
「人見知り」というレッテルが「人見知りな人」を作る
ポジティブシンキングの落とし穴
自分の思考・行動パターンを理解しよう
理想の将来を手にするための「自分棚卸し」術
〈性格傾向テストⅠ〉自分のパーソナルタイプを分析する
〈性格傾向テストⅡ〉集団における自分の立ち位置を分析する
第2章 自分ブランドの確立――「自分の核を作る」ステップ
望み通りの未来を引き寄せるためのハウツー
「今のあなた」はこれまでのあなたの集大成
選ばれる人になるための条件①「自分を信じる」こと
自分を愛せない人は高い評価を得られない
「自信」をさらに高める「自己リーダーシップ」と「自己マネジメント」
選ばれる人になるための条件②「覚悟を決める」こと人のせいにしない、覚悟を決める
選ばれる人になるための「能力の鍛え方」「魅力の伝え方」
「かんせいを磨く」ことで自己ブランドを確立する
「かんせいを磨く」ことで自己ブランドを確立する
いろいろな「かんせい磨き」レッスンをしよう
レッスン①「感性」編 レッスン②「観性」編 レッスン③「勘性」編 レッスン④「看性」編 レッスン⑤「幹性」編 レッスン⑥「寛性」編 レッスン⑦「間性」編 レッスン⑧「歓性」編 レッスン⑨「関性」編
第3章 自分プロデュースの構想――「自分を表現する」ステップ
極上の振る舞いはホスピタリティ精神から生まれる
選ばれる人だけが身につけている「特別なマナー」
洗練されたマナーはセンスが作る
最上級を知る人しか最上級は生み出せない
「内面を磨く」ということ
誰のために自分を整えるのか
存在感を高める「身のこなし」
いちばん見栄えのする「振る舞い方」の基本
「選ばれる人」の挨拶
お辞儀の角度で真心が伝わる
第4章 コミュニケーション力の鍛錬――「心を言葉で伝える」ステップ
言葉を制するものが人づきあいを制する
魅力的な話し手になる秘訣
言葉を超えて相手に伝わる「話し手の深層心理」
言葉が放つ不思議なエネルギー
信頼関係がなければ、言葉は響かない、広がらない
重要なのは「なにを言うか」ではなく「誰が言うか」
常に相手と向き合う心を忘れないで
円滑な人間関係を作る「話し方の作法」
相手の立場に立った「言葉の使い方」が人を動かす
心をつかむテクニック│選ばれる人の「話し方の技術」
第5章 さらに魅力あるパーソナリティへ――「内面の美しさを輝かせる」ステップ
常に嘘のない自分、努力できる自分であれ
「行動」「言葉」「意志」のバランス感覚
「嘘」の積み重ねが身を滅ぼす
人は言葉よりも態度を信じる
一期一会の精神が生み出す「心の輝き」と「人生の感動」
いつも相手を尊重する気持ちを忘れないで
日本航空に受け継がれるホスピタリティのDNA
どんな環境でも清廉な自分を保つ努力を
第6章 人を惹きつけるカリスマ性の発現――必ず選ばれる人になる
人間力を磨いて自分のステージを押し上げよう
信用の上にある信頼を勝ち取る
一目置かれる存在感を醸し出す
幸運に愛される人になる方法
すべての人と「Win・Win」の関係を築く努力をしよう
「運」が味方になる考え方・感じ方
陰口は運を逃し、人間を下げる
幸せをもたらすメッセンジャーになろう
人の気持ちを上げる「褒め力」の養い方
気持ちいい褒め上手になる秘訣
人の長所を見つける力を磨こう
エピローグ
略歴
佐野昭子(さの・あきこ)
元日本航空客室乗務員として約15年国際線に乗務。JALアカデミー研修講師、トラベルジャーナル旅行専門学校講師を経て、2002 年人材育成研修会社「プリサージュ」を設立。客室乗務員として10万人以上の接客を担当してきた経験と、剣道藩士八段の実父から学んだ「人間力」により、組織で必要とされる人間には共通の〝おもてなし資質〞があることを発見。ホスピタリティ向上をテーマとした研修プログラムを体系化。政府機関から大学、一般企業までさまざまな研修を担当。北海道洞爺湖サミットホスピタリティ調査委員、千葉商科大学客員講師、エン・ジャパン「エンカレッジ講座」講師なども務める。また、主宰するCA受験特別レッスン塾では、90% 以上の合格実績を出している。
その他、映画「沈まぬ太陽」に出演、CA役演技指導を行う。TBS「Nスタ」、「ひるおび」などコメンテーターとして多数出演している。
装丁/萩原弦一郎+ 藤塚尚子(デジカル)
校正/櫻井健司(コトノハ)