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模擬起業 あなたの経営センスを試す起業シミュレーションブック

模擬起業
ヨアン・リエラ/トマス・ソレル 共著
加谷珪一 解説
円田 藍 訳
  • 書籍:¥2,000(税別)
  • 電子書籍:¥1,600(税別)
  • 四六判・並製/384ページ
  • ISBN978-4-484-15110-6 C0034
  • 2015.3発行
本書は、読者の選択によってストーリーが展開する――友人と起業した主人公は、会社経営のさまざまな場面で決断を迫られる。経営戦略、マーケティング、財務、業務運営、人材管理……選択をあやまれば、会社だけでなく人生さえも危機にさらされる。はたして、主人公の会社は成功するのか? それとも……?

書籍

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電子書籍

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内容

※注:本書は、読者であるあなたの決断によってストーリーが展開し、
   38パターンの異なる結末へと導かれます。

――――
主人公は、ある日、古い友人から起業の誘いを受ける。
かねて自分の手でビジネスを始めたいと願っていた主人公は、
友人とともに、新たなチャレンジをする決意を固める。
 
その後、主人公は、会社経営におけるさまざまな場面で《決断》を迫られる。
 
資金調達、経営戦略、マーケティング、財務、業務運営、人材管理……
会社の運命を左右する重要事項もあれば、
日々のささいなトラブルにすぎないように思えるものもある。
 
岐路に立たされた主人公の前には、いくつかの選択肢が提示される。
 
主人公が進む道を選ぶのは、読者。自分ならどうするか、
どれが最も適切な選択肢なのか、《決断》を下さなくてはならない。
その決断に従って、主人公は新たな行動をとり、ストーリーは進む。
 
ひとつの《決断》によって、思いもよらぬ展開が待ち受ける。
選択をあやまれば、会社だけでなく、人生さえも危機にさらされる。
 
はたして、主人公の会社は成功を収められるのか、それとも……?
――――

会社経営に必要な知識と教訓が、ゲーム感覚で身につく
画期的なスタートアップの教科書。
あなたの起業物語は、どんな結末を迎えるのか……ぜひ、ご体験ください。

これは、あなたの物語です。

読書上の注意

ページの順に始めから終わりへと読み進めないこと。
 
本書には、読者のあなたが主人公として体験できる、いくつものストーリーが用意されている。読み進めると、各ストーリーの終わりで決断を求められる。どれも企業経営のさまざまな状況で遭遇しうるものであり、会社を経営していくあなたを未知の冒険へと導いてくれる。
 
プライベートであれ職業上であれ、あなたの運命を成功へと導く方法は数多く存在する。しかし選択する以上、あなたはその決断に責任を持たねばならない。選んだら指示に従い、該当するページへ読み進もう。あなた自身がストーリーを進め、決断の行く末を確認できるのだ。
 
冒険が終わりを迎えたら、もう一度スタート地点に立とう。誰もが2度目のチャンスを与えられるべきだから。本書を読み返すことで、あなたは新たな体験を重ねることができる。前回とは異なる道を切り開き、そこに待ち受ける、これまでにない結末を楽しんでほしい。
 
なお、本書で経験可能な道のりすべてを読破するには、目次の既読チェックボックスを活用するといいだろう。選択肢がなくなったら、本書で提案した38の結末のひとつを終えたことになる。その場合は、ボックスにチェックを入れて、ストーリーの始めに戻ろう(なお、*のついた用語は、巻末の解説も参考に)。

幸運を祈る!

目次

推薦の辞  リカルド・フィサス・ムリェラス
 
はじめに――決断の準備はできているだろうか?
読書上の注意
 
 
1  アイデアが生まれた日
 
2-1 列車が通過するのは一度だけ……乗ってしまおう
2-2 まずはチーム作りから
2-3 この列車は速すぎる。見送るのがよさそうだ
 
3-1 まずは、ビジネスプランの精度を上げる
3-2 近道はベンチャーキャピタル
3-3 相談するなら親類や友人
3-4 観光業界での経験があるアンドレア
3-5 全幅の信頼がおけるルイス
3-6 モチベーションが高く、行動力のあるサンジェイ

4-1 類似のスタートアップと比較する
4-2 販売予測のために顧客と話す
4-3 これ以上ビジネスプランに時間を割けない
4-4 販売戦略
4-5 品質向上とセグメンテーションの戦略
4-6 成功への道は、販売準備の整った競争力ある製品から始まる
4-7 環境、ロケーション、そしてイメージ。それが会社発展の鍵
4-8 製品開発プロセスに顧客を参加させる

5-1 最初のステップ
5-2 代替案を取り入れる
5-3 代替案を取り入れない
5-4 大口の顧客
5-5 販売チャネルのための教育とインセンティブ
5-6 価格を上げる
5-7 販売を急ぐ。インターネットへ進出
5-8 慌てず、これまでどおりの戦略で行く
5-9 ライバル企業の営業担当を雇う
5-10 コラボレーション。驚きの連続

6-1 提案を拒否する
6-2 提案を受け入れる
6-3 委任する
6-4 監督付きで委任する
6-5 製品戦略:研究と開発
6-6 状況が悪化する前に解雇する
6-7 もう一度話し合い、チャンスを与える
6-8 給与アップに応じない
6-9 給与アップし、引き留める
6-10 サンジェイの資本参加とオフショア開発
6-11 産業投資企業に協力を求める
 
7-1 起業家フォーラムを利用してみる
7-2 起業家フォーラムを利用しない
7-3 公的資金を活用する
7-4 コンサルタントを雇う
7-5 コンサルタントを雇わない
7-6 歩合給+インセンティブ
7-7 固定給
7-8 歩合給
7-9 若さを信じて
7-10 現地で人材を契約し、本国から監督する
7-11 信頼のおける営業担当者を現地へ派遣する
7-12 ライバル企業に先に進出させてみる
 
8-1 ベンチャーキャピタルの提案を受け入れる
8-2 ベンチャーキャピタルの提案を拒否する
8-3 融資を受ける
8-4 融資を受けない
8-5 今回は見送る。新たなオファーがあると信じて
8-6 オファーを受け入れる。休暇前に契約締結しなければ
8-7 売却のプロセスに入る
8-8 今回は断念する。またチャンスが巡ってくるはずだ
8-9 問題を公表する
8-10 危機を隠す 
8-11 ホセを支持して、当面ネット販売はしない
8-12 製品を再構築し、ネット販売を強化する
8-13 好機を逃さず、成長するに任せる
8-14 ペースダウンして、組織の強化と合理化を進める
 
9-1 AVRキャピタル・パートナーズ社のオファーを受ける
9-2 ムルティ・ロヒア社のオファーを受ける
9-3 ともかく、ホセなしでやっていく
9-4 友情に勝るものなし
9-5 社内起業家。成果は未知数のアイデア
 
 
おわりに
 
解説――「起業」という未知の世界へ  加谷珪一
用語解説

解説――「起業」という未知の世界へ

起業家ほど、その等身大の人物像が世の中に伝わっていない人種はいないかもしれない。
 
大成功した起業家というのは、全体のごくわずかであり、そうなれる確率は宝くじに当たるより低いというのが現実だ。
 
だが多くの人にとって、起業家として思い浮かぶのは、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏やフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏など、天才的な能力とある種の強運を持ち合わせたスーパーマンのことである。
 
一方、シニカルな人であれば、成功した起業家の背後には何百、何千という失敗が隠されており、彼等の悲惨な結末は、決して表には出てこない――そう考えているかもしれない。
 
現実の起業家のほとんどはスティーブ・ジョブズではないし、失敗した起業家が皆、悲惨な人生を送っているわけでもない。そこには、成功と失敗といったような単純な二元論には帰することのできない、様々な人生のストーリーがある。
 
高揚感の中でスタートしたはずのベンチャービジネスが、やがては日常となり、当初の思いとは正反対に退屈な人生を送ることになった起業家もいる。家庭と仕事の板挟みになり、二者択一を迫られた起業家や、家族・友人すべてを失うことになった起業家、最後まで仕事を優先し、その結果、社会からの賞賛という得がたい栄誉を勝ち取った起業家もいる。
 
本書はこうした等身大の起業家の実像を描き出したという点で非常に画期的である。
 
ビジネススクールで用いられるケース・スタディを研究すれば、ベンチャー企業がどのような課題に直面し、どうすればそれを乗り切ることができるのか、ある程度は、推測することができるだろう。だがそこには、無味乾燥な事例が並んでいるだけであり、理想と現実の狭間で揺れ動く、起業家の「心」を知ることはできない。
 
一方、起業家本人の伝記はドラマチックで思わず引き込まれてしまうものも多いのだが、あくまでそれは、その起業家固有の物語でしかない。
 
本書は、主人公が友人と立ち上げた、あるベンチャー企業を題材に、いくつものストーリーが用意されており、意思決定の場面ごとに、どのストーリーに進んでいくかを読者自身が選ぶ仕組みになっている。
 
それぞれのストーリーには、起業家であれば体験するであろう、ほとんどの事例が盛り込まれており、どのような結末を迎えるにせよ、起業家としての人生を擬似体験することができる。これは他ではなかなか真似できないものである。
 
私がそう断言できるのは、私自身、起業家としての経験があり、本書で示されているような事例について身をもって体験しているからである。
 
 
本書全体を通じて印象的なのは、起業家というのは常に決断を迫られるという現実である。すべての人が、日々、多くの決断を下しており、これは起業家だけに限られた話ではない。会社の中でも、意思決定は毎日のように行われているだろう。
 
だが、ほとんどの人にとって、人生を左右するような選択肢に出くわす場面はそれほど多いわけではない。会社の会議室で、ある商品の値段を決めたとしても、よほどのことがなければ、その決断が、その後の人生を大きく変えてしまうことはないはずだ。
 
起業家の場合はそうはいかない。
 
彼らは、経済的にも、精神的にも、肉体的にも、創業した会社にすべてを捧げており、毎日のちょっとした決断のすべてが、その後の人生に極めて重大な影響を与えることになる。ギリギリのところで勝負を挑むベンチャー企業にとっては、価格をいくらにするかという決断ひとつで、会社の将来と起業家の人生を左右してしまうのだ。
 
誰をパートナーにするか、どのように資金調達をするか、広告をどうするのか、こうした日々の決断すべてが、普通の人にとっては、結婚や転職といった大きな決断と同じようなインパクトをもたらすことになる。
 
どのような決断が、どの結末につながったのか、本書でぜひ体験してほしい。
 
(中略)
 
「恐怖はつねに無知から生じる」と喝破したのはアメリカの思想家エマーソンだが、起業に対する恐怖心のほとんどが、情報の欠如から発生している。
 
起業に興味があるが、なかなか怖くて踏み切れないと思っている人は、ぜひ本書を熟読し、起業家の人生を仮想体験してほしい。体験にまさる安心感はないことが実感できるはずだ。決断するのはそれからでも決して遅くはない。
 
特に起業は考えていないという人も、本書を通じて、社会における起業家の役割について再考してみてはどうだろうか。新しい発見があるかもしれないし、これまで抱いていた起業に対するイメージも変わっているかもしれない。
 
ひょっとすると、本書を数回読み返した後には、「自分も起業してみようかな」などと考え始めている可能性もある。本書は実用的な書物であると同時に、起業という未知の世界に読者を誘い込む、魅惑的な存在でもあるのだ。
 
 
加谷珪一

略歴

[著者]
ヨアン・リエラ Joan Riera
企業コンサルティング会社Active Development の創業者兼CEO。ESADE ビジネススクールで起業とイノベーションの講師を務める。エンジェル投資家として数多くの企業で顧問を務めるほか、シリアル・アントレプレナーとしての経験を生かし、これまでに400 以上の起業家に助言を与えている。執筆・講演活動も積極的に行う。ESADE ビジネススクールおよびコーネル大学ジョンソンズ・スクールでADE(企業管理経営)とMBA(経営学)の修士号を取得。
 
トマス・ソレル Tomás Soler
Global Vision Consulting およびAtiens e-Business Solutions の共同創業者。数多くの組織で顧問を務める。作家としても活躍し、講演も多数。イノベーションと経営開発の両面でスタートアップへの参加も数多い。ESCI ビジネススクールにて国際ビジネス、ポンペウ・ファブラ大学にて経営学の学位を取得。

[解説]
加谷珪一 かや・けいいち
東北大学卒業後、日経BP 社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務に従事。その後、独立して、コンサルティング会社を設立。中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事するほか、複数のウェブサイトを運営。ビジネス、経済、マネー、政治など多方面で執筆を行っている。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。著書に『お金持ちの教科書』『大金持ちの教科書』(ともにCCCメディアハウス)、『お金は歴史で儲けなさい』(朝日新聞出版)などがある。

[訳者]
円田 藍 まるた・あい
翻訳家、個人投資家。1965 年生まれ。
●翻訳協力/トランネット

●アートディレクション/宮﨑謙司(lil.inc / ロータス・イメージ・ラボラトリー)
●デザイン/井上安彦、和田浩太郎(lil.inc / ロータス・イメージ・ラボラトリー)