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ドラッカーの黒字戦略

ドラッカーの黒字戦略
藤屋伸二 著
  • 書籍:¥1,600(税別)
  • 電子書籍:¥1,280(税別)
  • 四六判・並製/240ページ
  • ISBN978-4-484-14236-4 C0034
  • 2014.12発行
人手・資金がなくても「すぐ黒字!」「ず~っと黒字」――「日本一わかりやすくドラッカーを伝える男」がはじめて書いた、ヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ・情報が不足する企業にもできる、200社以上で実証ずみのドラッカー活用法。

書籍

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電子書籍

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内容

人手・資金がなくても「すぐ黒字!」「ず~っと黒字」

あなたに必要なのは、むずかしい理論の解説ではなく、
ドラッカー活用の超実践的ノウハウです!

「日本一わかりやすくドラッカーを伝える男」が
はじめて書いた、これまでになかった
“事業の黒字化”をテーマにした
“普通の会社” のための実践的ドラッカー本

<ニッチ×創造的模倣×連携>

ねらうべき「ニッチ」とは何か?
創造的に模倣するとはどういうことか?
なぜ他社と連携すべきなのか?
ヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ・情報が
不足する企業にもできる、200社以上で
実証ずみのドラッカー活用法。

業績向上のヒントは、じつは単純なものばかり!

序 章 利益を再考する
  ~ドラッカーの利益のとらえ方~
第1章 ダメな会社が犯しやすい5つのあやまち
  ~ドラッカーのマネジメント志向~
第2章 顧客志向と強みにもとづく差別化
  ~ドラッカーのマーケティング志向~
第3章 すぐ黒字
  ~ドラッカーの顧客とのコミュニケーション志向~
第4章 より黒字
  ~ドラッカーの選択と集中志向~
第5章 さらに黒字
  ~ドラッカーのニッチ志向~
第6章 ず~っと黒字
  ~ドラッカーの戦略志向~

〔本書の紹介ビデオ〕
http://youtu.be/cdi7ttkOWa0

はじめに

「黒字戦略」は、どう考えてもおかしなタイトルです。編集担当者とのはじめての打ち合わせのときに、出版社が考えたこのタイトルを提示されました。そのときの第一印象は、「違うだろう!」でした。

「黒字戦略」という表現は、ピーター・ドラッカーのどの著書にも出てきません。もちろん、他の経営学の本にも出てきません。多少なりとも経営学を勉強すれば「黒字戦略」などは存在しないことがわかります。正しくは、「黒字のための〇〇戦略」でなければならないからです。それで、担当者に再考するようにお願いしました。

しかし、数日考えているうちに「待てよ、おもしろいかもしれない!」と考えるようになりました。ドラッカーの理論を「利益」からとらえている「解説本」はありません(だからニッチ)。ましてや、「利益」からとらえている「ドラッカー活用本」はさらにないからです(超ニッチ)。

一方、本書の主な読者である経営者や管理者の一番の関心ごとは、利益、すなわち黒字です。つまり、タイトルの「黒字戦略」は、顧客ニーズにも合致しています。

そもそも私が企画書にまとめた構成案自体が、事業を「すぐ黒字、より黒字、さらに黒字、ず〜っと黒字」にしていくプロセスを示したものでした。どのような会社にしたいかというビジョンを描き、「赤字経営」から「ず〜っと黒字経営」になるために、やるべきことを明らかにしていくプロセスは、まさに戦略そのものです。

赤字の会社は「すぐにでも黒字」にしたい。黒字すれすれの会社は「より黒字」にしたい。利益幅が増えても、社内に蓄積がなければ「さらに黒字」にしたい。蓄積ができれば、「黒字体質」を確立したい。そう考えるのが本当の経営者です。そうでない経営者の会社は業績が低迷しています。だから、本書のタイトルは「黒字戦略」でいいのだと確信しました。顧客にとってプラスになることで、前例がないなら新しく創ればいいだけのことでした。

私は、1996年4月に藤屋マネジメント研究所を立ち上げました。すでに中小企業診断士の資格は取得しており、事務所設立の翌年には社会保険労務士の資格を取得したのですが、コンサルティングのレベルを上げるために、98年から大学院に入って経営を根本から勉強し直すことにしました。そのとき、修士論文のテーマにドラッカーを取り上げたことから、ドラッカー理論の完全攻略への取り組みがはじまりました。

それ以降、ドラッカーの著書は200回以上読み込みました。あるときはマーカーを使い、あるときはボールペンで書き込み、またあるときは自分なりのドラッカーノートをつくり、さらにあるときは、まとめたものを図式化したりして理解を深めていきました。それ以外にも執筆や雑誌の取材、セミナーの準備で著書の部分的なところを拾い読みしたものを含めると、読破回数は100回以上プラスされると思います。

このようにして深めてきたドラッカーへの理解をコンサルティングに応用してきたのですが、そのコンサルティング対象は、中堅・中小企業でした。「ドラッカーは大企業のもの」「中小企業には使えない」という誤解が世間に蔓延しています。しかし、私は経験から「中小企業にもドラッカーは応用できる」と確信しています。もちろん、ドラッカー理論をそのまま中小企業に適用するのではなく、中小企業のためのドラッカー活用法としてアレンジしなければなりません。

大企業に比べて、ヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ・情報が圧倒的に不足する中小企業には、ドラッカーが教える次の4つが欠かせないからです。

①非競争・弱競争のニッチ市場への集中的な取り組み
②他社の成功をひと工夫して創造的に模倣することで、成功の可能性を高める反面、失敗のリスクを抑える
③他社と連携して強みをさらに強くしたり、弱みをカバーしたりする
④強みを発揮できる分野を特定してフル活用する

また、中小企業のほうが大企業より、次の3つのメリットを活かせることも理由に挙げられます。

⑤経営者の決断ひとつで、すぐに行動に移せる
⑥全社員が顧客の近くにいるので、さまざまな顧客ニーズを拾いやすい
⑦認識の変化だけで簡単に起こせるイノベーションにも取り組みやすい

このような中小企業の特性を活かしたコンサルティングで、私はこれまで200社以上の業績伸長やV字回復を支援してきました。

なお、「中小企業」を「事業部・支店」などに置き換えると、本書で提示する「黒字戦略」は大企業の事業戦略や部門戦略としても応用できます。なぜならば、部門長は1年や2年の短期で評価されるので、中小企業の経営と同じ側面があるからです。

さて、「黒字戦略」において欠かせないのは、次の4つの基本です。この基本を徹底的に実践すれば、(1)すぐ黒字、(2)より黒字、(3)さらに黒字、(4)ず〜っと黒字への道が開けてきます。

(1)への王道は、「入るを量りて出ずるを制す」につきます。まず、今までの慣習にとらわれずに、不要不急の出費を抑える。また、不要不急の資産を処分する。そして、いま買ってくれている主要な顧客から「なぜ買ってくれているのか」を聞き、それを「顧客にとっての魅力」として打ち出し、社内外に周知徹底する。

(2)のためには、経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)の生産性を高めるべく事業を絞り込むことです。ヒト・モノ・カネ・時間がつねに不足している中小企業や事業部で、事業を手広く展開するということは、どの事業も人手不足、予算不足、物不足になることを約束するようなものです。

(3)のためには、ニッチに限定すること。強い相手と同じ土俵、同じ条件で競争してはいけません。ガップリ四つに組めば体格の良いほう、体力のあるほうがだんぜん有利です。ですから、強い企業にとって魅力がない市場、力を入れていない市場を対象にすることです。中小企業や事業部の対象市場としてのねらいは、強い相手と同じ市場から①変える、②少し焦点をずらす、③ニーズを細分化して対象市場を絞り込む、です。

また、リスクが少ないうえに成功の確率が高い創造的模倣をフルに活用すること。世の中に完全なオリジナル商品などほとんど存在しません。ですから、他社の成功や失敗を最大限に活用する商品開発や仕組みづくりを取り入れましょう。なによりも、つねにヒト・モノ・カネ・時間が不足気味の中小企業や事業部には、リスクを負ってゼロから商品開発する余裕などないからです。

そして、連携で強みをさらに伸ばすことです。一中小企業・一事業部の能力など、厳しくなる一方の経営環境のなかではたかが知れています。しかし、一社ずつ・一事業部ずつの強みを複数がもちよれば、強力な武器ができあがります。あるいは、強力なブランドや経営資源をもつ大企業や他事業と連携すれば、テコの原理が働き、単独では実現できないほどの市場を手に入れられるようになります。

(4)のためには、限定的な市場に絞り込み、商品開発や仕組みの構築では成功している企業の成功をひと工夫してマネし、さらに他社との連携によって差別化を確かなものにすることです。それが中小企業や事業部に最適な「ドラッカーの黒字戦略」(ニッチ×創造的模倣×連携)です。

本書はドラッカーの経営理論にもとづいています。しかし、たとえばドラッカーが「経営方針とも言うべきだ」と指摘する「セグメンテーション」と「ポジショニング」という経営の専門用語は使っていません。

同じように、英語表現やむずかしい漢語表現もできるかぎり使わないようにしました。また、理解がしやすいように図表などを使って「見える化」に努めました。

なぜならば、本書の目的が、経営者や管理者の皆さんにドラッカーの経営理論を解説することではなく、ドラッカーの経営理論を活用して業績を向上させるヒントを提供することだからです。

なお、本書に出てくる事例は、少数を除いて、私が主宰している【藤屋伸二の創客塾】の塾生企業の事例です。あなたの会社と同じような規模の企業が、ドラッカーの活用法を取り入れたことで、なぜ成長できたのかを確認してください。

事例からわかるとおり、利益の獲得は、知ってしまえば「なぜ気づかなかったのだろう」と思える単純なものばかりです。ですから、黒字戦略をつくって徹底的に実行すれば、あなたの会社も事業部も「すぐ黒字」→「より黒字」→「さらに黒字」→「ず〜っと黒字」を実現できます。ぜひ、事例のいずれか、あるいは、いくつかを組み合わせて創造的に模倣してみてください。

本書があなたの業績アップの一助になれば、著者として、また、ドラッカー活用の普及者として、これほどうれしいことはありません。

2014年 初冬
藤屋伸二

目次

はじめに

序 章
利益を再考する
~ドラッカーの利益のとらえ方~


01 利益には5つの役割がある
02 正しい利益で黒字にする

第1章
ダメな会社が犯しやすい5つのあやまち
~ドラッカーのマネジメント志向~


01 市場志向・顧客志向を後まわしにしている
02 強みに対する認識が不足している
03 少し業績が良くなると拡大志向に走りたがる
04 模倣は悪いことだと思い込んでいる
05 自前主義で通そうとする

第2章
顧客志向と強みにもとづく差別化
~ドラッカーのマーケティング志向~


01 黒字のための差別化戦略
02 売上げがないのは会社ではない
03 商品開発の6つの着眼点
04 差別化の打ち出し方
05 自社の魅力を社内外に周知徹底する

第3章
すぐ黒字
~ドラッカーの顧客とのコミュニケーション志向~


01 自社の魅力を顧客に聞く
02 あなたの会社の「顧客にとっての3つの魅力」
03 主力商品の「顧客にとっての3つの魅力」
04 担当者ごとの「顧客にとっての3つの魅力」
05 魅力を磨く3ステップ
06 ストーリーとしての「すぐ黒字」

第4章
より黒字
~ドラッカーの選択と集中志向~


01 腰をすえて強みを検証する
02 業績が上がる分野に強みを集中的に投入する
03 ストーリーとしての「より黒字」

第5章
さらに黒字
~ドラッカーのニッチ志向~


01 業界の常識や自分たちの習慣を疑う
02 事業目的を見直す
03 強者がいない特定市場に絞り込む
04 強みの新しい使い方を探す
05 強みに新しい要素を入れる
06 ストーリーとしての「さらに黒字」

第6章
ず~っと黒字
~ドラッカーの戦略志向~


01 この市場をねらえ
02 現在の事業を点検する
03 4つの視点でビジョンをつくる
04 黒字戦略を展開する
05 ストーリーとしての「ず~っと黒字」

おわりに
参考文献

略歴

藤屋伸二(ふじや・しんじ)

藤屋マネジメント研究所所長・差別化戦略コンサルタント

1956年福岡県生まれ。1996年に藤屋マネジメント研究所設立。ピーター・ドラッカーの著書を200回以上読み込んで独自のコンサルティング手法を編み出し、これまでに200社以上の業績伸長やV字回復を支援してきた。現在、「藤屋式ドラッカー活用法の普及」を事業目的にかかげ、おもに中小企業経営者向けにドラッカーの活用法を伝える【藤屋伸二の創客塾】を全国各地で主宰。ほかにも、差別化戦略・マーケティング戦略・中期経営計画の作成指導、社員研修、セミナー・講演、執筆活動などをおこなっており、「日本一わかりやすくドラッカーを伝える男」と呼ばれる。

『図解で学ぶドラッカー入門』(日本能率協会マネジメントセンター)、『まんがと図解でわかるドラッカー』『まんが 元自衛官みのり ドラッカー理論で会社を立て直す』『まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論』(いずれも宝島社)、『20代から身につけたいドラッカーの思考法』(中経出版)など、著書・監修書多数。累計発行部数は181万部を超える。

http://fujiya-management.jp/
●装丁/萩原弦一郎、橋本 雪(デジカル)
●企画協力/天田幸宏(コンセプトワークス)
●校正/鷗来堂
●図版制作/朝日メディアインターナショナル