家事の捨て方 「まかせて」「シェア」して毎日がもっと輝く

家事の捨て方
大澤和美 著
  • 書籍:定価1540円(本体1,400円)
  • 電子書籍:定価1232円(本体1,120円)
  • 四六判・並製/224ページ
  • 2014.12発行

“時短家事”でも“ゆる家事”でもなく、いっそのこと、家事を捨てませんか? しかし、毎日の家事は目の前に。ならば「シェア」することで、仕事の休息として考えてみては? 本書で紹介するメソッドが、あなたを家事から解放します。

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電子書籍

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内容

「捨て家事(ステカジ)はじめませんか?」

私たちが片づけるべきは「モノ」ではなく、「考え方と行動パターン」、つまり「習慣」です。
私たちは知らないうちに、やらなくていいこと(=家事)に時間を割き、やるべきこと(=家族との時間、自分の時間)をおろそかにしています。

まず手始めに「家事」を捨てる。掃除・洗濯・料理、日々の行動を見直し、やるべきこと、やらなくていいことにカタをつけましょう。

はじめに

「家事を捨てれば、家庭も仕事もうまくいきます」
 
そんなに都合のいい話があるはずがない。
そう思われるかもしれませんが本当のことです。

❖家事なんてやりたくないもの。それが本音です。
家事をやりたくないのに、「やらなくてはいけないもの」と感じて、ひとりで抱え込んでいる人。家事をやらないことに対して罪悪感を感じている人。
そして、家事を家族と役割分担しようとしたけれど、うまくいかなかった、ぎくしゃくしてしまったという人。時短家事や手抜き家事を試したけれど、長続きしなかったという人。そんなあなたのために伝えたいことがあります。
それは、「家事を捨ててください」ということ。
自分でなんとかしなくてはいけないと抱え込むのではなく、とにかく捨てていってほしいのです。家事には「必要なもの」と「必要ないもの」があります。それを見分けて、いらないものを捨てれば、「楽しさ」と「やりがい」だけが残ります。あなたがやらなくてはいけないものは、たったそれだけなのです。

❖ ただ捨てられなくて、抱え込んできた家事を捨てませんか?
私たちの親世代までは、男性が働いて女性が家事をするのがあたりまえでした。女性の社会進出がはじまっても家事は女性の役割のままで、男女平等や男性の家事参加が叫ばれるようになっても、それでもまだ男性は家事をやらないか、手伝うだけなのが現状ではないでしょうか。
家事はお金を生みださないため、労働として認識されていません。しかし、家事は毎日やることがあるので、ひとりで抱え込んでしまえば1日の多くの時間を評価されない労働に奪われてしまいます。気づかないうちに働きすぎていることになってしまっているのです。では、どうして家事を捨てられないのでしょう?

それは、「家事は女性がやるもの」という、常識への執着があるからかもしれません。もしくは、家事をしなければ家庭が崩壊してしまうかもしれないという未来への不安や、いつかは結婚したいから、家事くらいはできたほうがいいという将来への希望からかもしれません。
いずれにしても、過去と未来のことばかり考えていては、いまの現実に目を向けて生きていないことになってしまいます。いま必要なものだけを、必要なかたちで残すようにすれば、いま必要のないものはすべて捨てられるでしょう。それでは、どうすれば家事を捨てることができるのでしょうか。

❖時短や手抜きの家事で、本当に満たされていますか?
家事が苦手な人や、家事が嫌いな人がまず考えるのは、いかに簡単にするかということでしょう。私も、いろいろな時短家事や手抜き家事を試しましたが、長続きしませんでした。
それらのノウハウといえば、鏡のきれいな磨き方、シミの落とし方といった方法やコツが書かれているものがほとんどです。それらをいくつ取り入れても、ただ機械的にこなせるようになるばかりで義務感ばかりが増えてしまいます。

また、女性が家事をすることが前提になっているものが多いので、男性や子どもはあくまでも〝手伝ってもらう〟ポジションでしかありません。
「結局、家事は私がやらなくてはいけないものなのか……」と気づき、満たされることはないでしょう。

本当の意味で家事を捨てるには、家事に対する考え方を根本的に見直し、家事に対する苦手意識や嫌いな気持ちを変えていく必要があります。家事のひとつひとつをこなすことよりも、どうすれば暮らしが快適になるのかを考える。そのために必要な家事だけを選ぶようにする。そうすれば、それ以外の家事はすべて捨てられます。
私がとくに伝えたいのは、ノウハウを身につける前に、家事を捨てるマインドを身につけなければ何も解決しないということです。家事を嫌いな人も苦手な人も、このマインドを身につけることで、家事をやりたいものに変えることができます。

(つづく)

もくじ

はじめに 

Chapter1 家事の常識を捨てる
家事を義務に感じているのは、ただの勘違い。 
◎「誰かのために」を捨てれば、義務ではなくなる。 ◎「自分にしかできない」の思い込みを捨てましょう。 ◎手抜きがイヤで、家事のハードルを高くするのはやめましょう。

家事を手伝ってもらう、という発想こそが間違い。 
◎自分がやることが前提の、「手伝ってもらう」をやめましょう。 ◎家事の役割分担にも、男女平等を取り入れよう。
 
間違った常識に苦しめられていませんか? 
◎いままでの常識を捨てれば、「ラク家事」になる。 ◎気づいたときの「ついで家事」で、負担は捨てられる。 ◎家事は義務ではなく、家族が笑顔でいられる魔法です。

Chapter2 家事という発想を捨てる
家事なのに、家事ではなくなる発想転換法。 
◎理想の暮らしには、家事も必要な手段になる。 ◎「理想の暮らし」ビジュアルマップのつくり方。 ◎5W1Hで考えると、暮らしの理想が現実に変わる。

家事は、暮らしをちょっと楽しむスパイス。 
◎家事で暮らしをワンランク上げて、運気も上げよう。 ◎「おもてなし家事」ならばやりたくなる。 ◎「おもてなし気分」でインターネットを使って、得をしよう。

メリットがあれば、家事ではなくなる? 

◎「ながら家事」は、やればやるほどキレイになれる。 ◎家事にも報酬があれば、やらない理由はない。

Chapter3 家事の9割は捨てられる
やりたくない家事、できない家事は捨てればいい。 
◎家事の棚卸しで、不要な家事を捨てましょう。 ◎ネガティブからポジティブへ変えれば、無理がなくなる。 ◎余裕バロメーターで、許容サイズ以上の家事は捨てよう。

料理を好きになれば、家事の無理はなくなる。 

◎いつものごはんが楽しければ、料理は好きになれる。 ◎レコーディングクックで、料理は楽しみになる。

無駄を捨てれば、料理は好きになれる。 
◎いつもの献立は、無駄を捨ててもマンネリ化しない。 ◎料理の断捨離をすれば、本当にいいことしか残らない。

15分の積み重ねと「ついで家事」で、掃除は捨てられる。 
◎「とりあえず」と「ついで」で、片づけは捨てられる。 ◎片づけには3つの効果がある。◎モノの断捨離をすれば、掃除の無駄は捨てられる。 ◎「ぴったり」がみつかれば、掃除は楽しくなる。 ◎15分だけ続ければ、掃除の無駄はなくなる。

最初から、捨てればいい家事もある。 

◎モノの選び方で、忙しさは捨てられる。

1日を振り返れば、明日からの無駄を捨てられる。 
◎家事のスケジュール管理で、日々の無駄を捨てよう。 ◎仕事と家庭を同時進行で管理しなければ、無駄を見すごす。

ただ捨てるのではなく、最後まで使い切って捨てよう。 
◎捨てているものが、本当は一番おいしい。 ◎使い切って捨てれば満足できる。

Chapter4 家族に家事の存在を気づかせる
常識を捨てなくては、家族は家事に気づけない。 
◎家族は家事の存在に、気づいていないだけかもしれない。 ◎「ついで家事」を習慣にすれば、家事が日常になる。 ◎家事をしないという手段で、家事の大変さを伝えよう。◎レトルト、インスタントは、お助けグッズという常識を捨てる。

その家事が本当に必要かを、棚卸ししよう。 
◎家族基準で棚卸しして、家事を断捨離しよう。

家族だからこそ、話し合いが必要なのです。 
◎言葉にしないと、心の声はゼロになる。 ◎ファミリーミーティングを定期的に開こう。

Chapter5 一緒に楽しみながら家事を教える
家族と一緒に家事をすれば、時間は短縮される。 
◎家事を一緒にしながら、そのついでに教えればいい。 ◎対戦ゲームをしながら、家事のルールを共有しよう。 ◎暮らし改善プロジェクトで、一緒に家事をしよう。

時間を捨ててでも、家族に家事を教えよう。 
◎大げさなくらいほめて、伸ばそう。 ◎家事の「やる気スイッチ」を探して、役割分担しよう。 ◎ポジティブにお願いして、家事をまかせよう。

感謝の気持ちは、間接的に伝えると効果的。 
◎離れているときに伝えた気持ちは、感動として届く。 ◎インターネットを利用して、家族と世間を応援団にしよう。

Chapter6 家事をまかせて捨てる
役割にしてまかせれば、家事は捨てられる。 
◎相手を思いやる気持ちで、役割分担をしよう。
 
まかせるまでには、必要なステップがある。 
◎小さなゴールの積み重ねが、大きなゴールになる。
 
まかせるからには、捨てなくてはいけない気持ちがある。 
◎自分勝手を捨てて、できなくてもあたりまえの寛容さでいよう。 ◎やってあたりまえを捨てれば、思いやりの気持ちが連鎖する。 ◎すべてをルール化しないで、完ぺき主義を捨てよう。

Chapter7 家族の自立で面倒を捨てられる
家族の統一ルールを決めれば、面倒は捨てられる。 
◎ルールがあれば、家事にも自主的に参加したくなる。 ◎買い物とストックの管理をすれば、面倒なことも捨てられる。

家族が興味を持ったら、面倒な家事は捨てられる。 
◎家電製品はおもちゃ、家事は実験として楽しもう。 ◎「してもらう」の発想を捨てれば、優先順位は上げられる。

Chapeter8  捨て家事(ステカジ)で、家庭も仕事もうまくいく
スケジュールの思いこみを捨てれば、うまくいく。 
◎予定は決めても、ほどほどにできればそれでいい。 ◎ワークライフバランスではなく、マイライフバランスでいこう。

いつもと同じを捨てれば、うまくいく。 
◎いつもと違う演出で、マンネリを防止しよう。 ◎けんかはお互いを認識する、大切な儀式です。

家事のかたち次第で、家庭も仕事もうまくいく。 
◎自分のために家事をすれば、家庭と仕事を両立できる。 ◎捨てるということは、捨てなかったことを大切にすること。

略歴

大澤和美
(おおさわ・かずみ)

おうち起業家。 アパレル会社にデザイナーとして勤務後、広告制作クリエイティブデザイナーへ転職。14 年間の会社員経験のなかで、3 回の社長賞と電通賞を受賞。2010年に「家庭を大切にしたい」「仕事と家事を両立したい」という思いから拠点を自宅へ。企業向けの商品企画や商品開発デザイン、起業家向けのコンサルティングやデザインを行なう。そのかたわら、おうち起業講師、デザイン思考講師、執筆、メ
ディア出演、ワークショップ開催など、その活動は多岐にわたる。整理収納アドバイザー、食生活アドバイザー、食育メニュープランナーなどの資格を取得。著書に『おうち起業のはじめ方』(主婦の友社)がある。
企画/古屋荘太(本の企画)
 
装丁・本文デザイン/轡田昭彦、坪井朋子
カバーイラスト/ ©Asterisk /]]>anaimages
校閲/円水社

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