プレデターシンキング/略奪思考 欲しいものはすべて「誰かのもの」

プレデターシンキング/略奪思考
デイブ・トロット 著

服部真琴 著

  • 書籍:定価1760円(本体1,600円)
  • 電子書籍:定価1408円(本体1,280円)
  • 四六判・並製/296ページ
  • ISBN978-4-484-14115-2 C0030
  • 2014.11発行

丸暗記したルールは思考ではない。自分なりに得た教訓だけが消えずに残る。逃げるな、学べ。「今のまま」に疑問を抱き、クリエイティブに他人を出し抜け――イギリス広告業界の重鎮が古今東西から選び抜いた63のエピソードが、あなたの常識を破壊する。

書籍

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内容

逃げるか、学ぶか。

学ぶことは、教わることではない。
解決できない問題は、解決できる問題に変えろ。
「私にはわからない」と言えること、それこそが強さの証し。
「今のまま」に疑問を抱き、クリエイティブに他人を出し抜け。

  伝説のコピーライター、ウィリアム・バーンバックは言った。
  「原則は持続するが、公式は続かない」
  自分なりに得た教訓は、丸暗記したルールよりずっと強力だ。
  それは消えることなく残る。  (本文より)

長年、イギリス広告業界を牽引してきた重鎮が、
自らの思考に影響を与えた数々のエピソードを厳選。

  ピカソ、ソクラテス、伝説のコピーライター、
  第二次世界大戦の英雄、プレミアリーグの名監督、
  売れないコメディアン、夫を殺した老女……

古今東西から選び抜かれた63のエピソードが、
あなたの常識を破壊する。

クリエイティブ、それは名詞ではなく形容詞/人生はゼロサムゲーム/
広告の90%は無駄/逃げるか、学ぶか/「より少ないことは、より多いこと」
――まさしく/クリエイティビティの敵は「いいセンス」/
勝つための戦い方/形態は機能に従う/媒体は人間の心/旅こそが行き先/
「学ぶ」ことは「教わる」ことにあらず

プロローグ――なぜ「プレデターシンキング」か?

広告業界での長年の経験が私に教えてくれたこと。
それはクリエイティビティについて、そして人生全般についての、
ある重大な教訓だ。
すべてと切り離されたものはない。
すべては「コンテクスト(文脈)」のなかに存在する。
「よいもの」や「悪いもの」など存在しない。
すべては、ほかの何かと比べて「よりよい」か「より悪い」か。
既存の思考法の90%は、このコンテクストを無視している。
多くの思考法が無意味なのはそのせいだ。
カギは、問題を「逆思考」すること。
解決できない問題に直面したら、根源へさかのぼり、コンテクストを変えろ。
解決できる問題に変えろ。
自動車王ヘンリー・フォードは言った。
「小さなパーツに分解すれば、解決できない問題はない」
根源へさかのぼり、問題を分解し、障害はどこかを見極める。
変えることが可能なパーツ、それを変えれば、すべてが変わる部分はどこか。
私は手引き書やマニュアルからほとんど何も学んでいない。
その手の本は退屈だ。
すべてを無味乾燥な公式に変えてしまう。
「8つの真実」「12の法則」「10の理念」……
読んだとたんに忘れるルールばかり。
そんなものはおもしろくない、クリエイティブでない、思考ではない。
私が尊敬する伝説のコピーライター、ウィリアム・バーンバックは言った。
「原則は持続するが、公式は続かない」
自分なりに得た教訓は、丸暗記したルールよりずっと強力だ。
それは消えることなく残る。
だからこの本には、ルールではなくエピソードが登場する。
私に影響を与え、私に「プレデターシンキング」を教えてくれた
数々のエピソード。
できる限り幅広い分野から集めた具体的な実例。
これなら、原則を学び、自分なりに応用することができる。
……もしかしたら私にも予想外のやり方で。
 
それこそが「プレデターシンキング」だ

CONTENTS

プロローグ――なぜ「プレデターシンキング」か?
 
クリエイティブ、それは名詞ではなく形容詞
「いたずら」の創造性
テセウスの船
無知の力
クリエイティビティは努力の末に
視覚のユーモア
「ウィン・ウィン」を手にするために
クリエイティブな精神=問い続ける精神

人生はゼロサムゲーム
プレデターシンキング
ハードな選択
すべては手に入る――「一度に全部」でなければ

広告の90%は無駄
誰も見ていない
どんな得がある?
「本当のこと」より「本当らしいこと」
配管工と広告マン
クオリティ? 問題は「サイズ」だ……
消費者のテレスコープ
テレスコープをひっくり返せ
広告は商品を売らない

逃げるか、学ぶか
セックスをしたいなら
勝つことはいいこと、だが負けることは学ぶこと
傷つけている相手は自分
できる者は為し、できない者は教える

「より少ないことはより多いこと」、まさしく

クラスタリング
すべてが変わり、何も変わらない
黙れ
話しかける相手は、いつもひとりだけ
最高の文章
 
クリエイティビティの敵は「いいセンス」
クリエイティブな詐欺師たち
不安になっていい
専門家を疑え
本当か、嘘か
好かれようとするな
 
勝つための戦い方
フラッギング
騒動を起こせ
信頼
リスクを背負う
貢献は献身にあらず
戦略は「何を」、戦術は「どのように」
強みが弱みになるとき
神は細部に宿る

形態は機能に従う
ある者には「魚(フイツシユ)」、別の者には「魚(ポワソン)」
チャンスはつながる心に訪れる
話すな。聞け
誤った方針=誤った解決
効率と効果
 
媒体は人間の心
ゲームを変える思考
チャンスは今だけ
イマジネーション vs リアリティ
ただ、想像せよ
失敗か、陰謀か
見る物は見る者を語る
「押しの思考」 vs 「引きの思考」
変化しない唯一の媒体、それは人間
 
旅こそが行き先
旅 vs 目的
論理という名の迷信
クリエイティブディレクターに捧げる秘訣
「HAVE・DO・BE」 vs 「BE・DO・HAVE」
常識ある人々
言ってはならないことを言う
本当に「死ぬか生きるか」だったら
否定する
メディアだけが媒体ではない
 
エピローグ――「学ぶ」ことは「教わる」ことにあらず

略歴

[著者]
デイブ・トロット Dave Trott
広告会社The Gate London 代表。ロンドン生まれ。ロックフェラー奨学金を得てニューヨークのアートスクールに進学。そこから広告業界での輝かしいキャリアが始まる。数多くのヒット広告を手がけ、ニューヨークの広告業界誌Ad Age(アドエイジ)の「世界で最もクリエイティブな広告エージェンシー」に選ばれたほか、Campaign Magazine の「イヤー・オブ・エージェンシー」にも選出。2004年には長年の功績により「D&AD賞プレジデント賞」を授与された。

[訳者]
服部真琴 Makoto Hattori
翻訳家。主な訳書に『人は顔が10割』『やっぱり、あるある マーフィーの法則』『サイキック・ツーリスト』『「時間がない!」を卒業する200 のアイデア』『サード・メトリック』(いずれもCCCメディアハウス)などがある。

●ブックデザイン/吉岡秀典

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