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伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHIの技術

世界標準のNEMAWASHIの技術
新 将命 著
  • 書籍:¥1,500(税別)
  • 電子書籍:¥1,200(税別)
  • 四六判・並製/240ページ
  • ISBN978-4-484-14230-2 C0030
  • 2014.10発行
ガラパゴス化した日本的根回しではなくグローバルで通用するNEMAWASHIこそ、ビジネスと人間関係に必須の基本動作だ。ジョンソン・エンド・ジョンソンなど外資3社で社長を歴任した著者が、基本的なルールから“最後の切り札”人間力の磨き方までを存分に語る。

書籍

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電子書籍

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内容

仕事や人間関係がうまくいかない原因の8割はネマワシ不足。

「ネマワシ」はけっして日本独特のものではない。国際会議の舞台裏は、実は公然と「ネマワシ」の応酬が展開されている場だし、世界にはロビイストという“タフ・ネマワシスト”が大勢いる。洋の東西を問わず「ネマワシ上手」「相談上手」はビジネスパーソンにとって(彼/彼女が意欲的で革新的であればあるほど)死活的に重要なスキルであり、これなしではけっして一流にはなれない。

本書では、外資系トップを歴任した著者が「世界中で通用するネマワシの方法」「社内外を動かす効果的な相談のしかたと段取りのつけ方」を体験に基づいて語る。

目次

はじめに
NEMAWASHI10ヵ条

第1章
NEMAWASHIは人間関係能力の重要スキル!
ビジネスで結果を出すために駆使するのは世界共通


1 世界のビジネスはNEMAWASHIで回っている
 グローバルビジネスではNEMAWASHIは時間のムダではなく必要技術
 NEMAWASHIもAIDMAで
 ついてない! その原因の八割以上はNEMAWASHI不足
2 世界で通用するNEMAWASHIの基本ルール
 グッド・ネマワシストは「天の時」「地の利」「人の和」を大事にする
 「仕事はすべからくFUNであるべし」だからNEMAWASHIもFUNで
 自分の意思に反する部分があっても決まったことは嬉々として実行せよ
 日本人が気をつけるべきこと
3 NEMAWASHIでも有効な「相談のテクニック」
 NEMAWASHIはトレード・オフではなくトレード・オン
 最初は口頭で、話が進んだらペーパーも。ただし一枚!
 パートナーシップNEMAWASHIで商談成功!

第2章
ここが違ってここが同じ!
日本的根回しと世界のNEMAWASHI


1 日本のビジネス社会だけで通用する「ガラパゴス・ルール」 
 ガラパゴス化している日本的根回しと稟議制度
 会すれども議せず、世にも稀な日本の「しゃんしゃん会議」
 「考えておく」と‶I will think about it". は別物である
 NOから始まるアメリカ人と論争回避の日本人
 NEMAWASHIと根回しの本質的な違いは組織文化の違い
 NEMAWASHIは相手を重要視しているという信号
2 目的と論理と利益が明確な欧米のNEMAWASHI
 理と利があるのがNEMAWASHIの本質
 理(Logic)と利(Benefi t)は大義(Cause)に及ばず
 最も大事な言葉「We」、最も重要でない言葉「I」
 大義と使命感を背負えば世界中で通らないものはない
 ジョンソン・エンド・ジョンソンで行われた大義あるNEMAWASHI

第3章
世界標準の鉄則!
NEMAWASHIはキーパーソンを落とせ


1 「キーパーソンはだれか」を見抜く技術
 合衆国憲法修正でキーパーソンを落としたリンカーンのNEMAWASHI
 薩長同盟のキーパーソンを西郷と見抜いた龍馬 
 日米共通! 二〇%を固めれば八〇%は落とせる
 だれがキーパーソンか、肩書きだけで判断すると間違う
 利によって同調する者は利によって離反する
2 対象別キーパーソンの落とし方
 NEMAWASHIの極意はボス・マネジメントにあり
 NEMAWASHIもチームワークで
 「NEMAWASHIしながら想定問答集をつくる」が有効なとき
 NEMAWASHIでは手柄ははじめから上司にプレゼントせよ
3 手ごわいキーパーソンに立ち向かうときの秘策
 苦手な相手ほどNEMAWASHIは手間をかけてていねいに
 ベストな仲介者を探せ
 難物キーパーソンを落とす「エレファント・テクニック
 キーパーソンを落とす会話の基本スタイルは「YES型」

第4章
外資系エリートが駆使するNEMAWASHIスキル20


1 NEMAWASHIの準備作業 心構えと情報収集
 1 NEMAWASHIを説得と考えるのは二流
 2 NEMAWASHIで勝つのは常に「己を知る者」
 3 自分自身の正しい姿を知る技術
2 NEMAWASHIの基本動作① コミュニケーションの技術
 4 NEMAWASHIを支える三つのT
 5 メールでNEMAWASHIするべからず
 6 NEMAWASHIの大原則はF to F(フェイス・トゥ・フェイス)
3 NEMAWASHIの基本動作② 導入のテクニック
 7 いきなり結論はNG。まず問題意識の共有から
 8 日本人には事情を聴け、アメリカ人には意見を聴け
 9 YESと言わせるアサーションの技術
 10 二人一組のNEMAWASHIでは、過剰な役割分担はかえってマイナス
4 NEMAWASHIの基本動作③ クロージングのテクニック
 11 「○○さんからはOKをもらいました」情報の出し方とタイミングの見極め方
 12 NEMAWASHIで示すプランは三択で
 13 NEMAWASHIはマージナルな過半数をとっても勝ったと思うな
 14 一度NEMAWASHIした相手には、バッドニュースほど率先してレポート
 15 一度OKをもらえばゴールではない――NEMAWASHIのロードマップ
5 NEMAWASHIの応用技術① 微妙な本音を探る方法
 16 事前の瀬踏みは高度なNEMAWASHIの第一歩
 17 上から下へのNEMAWASHIは「下情上通」が意外に効果的
 18 こちらのねらいに落とし込む文書づくりのスキル
 NEMAWASHIの応用技術② 難航したときの逆転の秘策
 19 NEMAWASHIの相手から助け船を出してもらうテクニック
 20 欧米人だけじゃない! 日本人にも通じる沈黙戦術は大胆にやってこそ効果的

第5章
世界標準の切り札!
世界どこでも最後にものを言うのはやっぱり「人間力」

 

1 NEMAWASHIの力をレベルアップさせる人間力の磨き方
 「グッド・ネマワシスト」の条件は志と明確な目標意識のバランスである
 人は人によって磨かれる! 人間力を磨くのは修羅場
 成功体験を再点検して「初心」を思い出せ
2 人間力で見事なNEMAWASHIを成し遂げた達人たち
 人間力はスキルではなくパワー
 捨て身のNEMAWASHIがリーダーシップの切り札だった二宮尊徳
 「歩き回る経営」‶Management by Wandering Around"は究極のNEMAWASHIである
 豊かな人間観と深い洞察力を持つ者はリッチなNEMAWASHIができる

おわりに

はじめに

 「ネマワシ」というと、日本独特の文化・習慣のように思われるかもしれませんが、けっしてそうではありません。それを表す言葉は違えど、世界の企業でも同じようなことが行われています。
 外資系企業では、プレゼンテーションの出来映えが、日本企業の場合より三〜四倍も、評価に大きく影響します。グローバル企業の日本支社で働く日本人の場合、総本社のトップとの接触が少ないので、限られたプレゼンテーションの機会で評価が決まってしまうのです。
 事実、トップに対するプレゼンテーションを失敗したことで、日常的には仕事もよくできて、実績も残している役員がクビになったことさえありました。
 プレゼンテーションの出来は、事前準備で決まります。
 “Well prepared is well done”. (備えあれば憂いなし)。その事前準備で、大きな効果を発揮するのが、「今度のプレゼンテーションでは、こんなことを言おうと思っているのですが……」と、キーパーソンに事前に意見を求め、最低でも反対されないレベルまでの基礎固めをしておくことです。
 これは、すなわち「ネマワシ」です。
 英語では、事前の準備や下調べのことをホームワーク(Homework)といいます。公式の活動ではありませんが、結果がうまくいくかいかないかはホームワーク次第。まさに、「ネマワシ」はホームワークの重要な要素、欠くべからざる要素と言えます。

 かつて、私の部下に抜群の成績を上げる営業部長がいました。
 彼は、得意先のキーパーソンに、毎年、自筆のバースデイ・カードを贈っていました。先方が異動、転勤になっても、追いかけて誕生日にカードを贈り続けていました。仕事の関係は切れても、人間関係は切らさない彼の評判は、年々高くなります。そうして何年か後に、再び先方が元の部署に責任者として戻ってきたときには、以前に増した取引が行われるようになりました。
 これもまたホームワークであり、「ネマワシ」のひとつです。

 「ネマワシ」の心とは、K(気配り)K(気づかい)S(下準備)で、これは万国共通です。
 私の五〇年に及ぶビジネス経験からいって、よい結果が出ない原因の八割は「原理原則」に反した行動にあります。「ネマワシ」もまた、この「原理原則」のひとつなのです。
 アイデア、プラン、アクションが斬新、つまり前例のないものであり、かつ大胆であればあるほど、「ネマワシ」の必要性は高くなります。
 日常的な仕事を日常的な範囲で、従来どおりにこなすのであれば、「ネマワシ」は要らないのですから、「ネマワシ」は意欲的で革新的なビジネスパーソンにこそ必要なスキルと言えます。
 私の失敗談を告白すれば、ネマワシ不足の結果、一度はアメリカ総本社から社長職の解任を言い渡された苦い経験もあります。
 “Tall trees catch much wind”. (高い木はたくさんの風を受ける)、日本語でいうと「出る杭は打たれる」。意欲的で革新的な仕事をすれば、さまざまな抵抗や軋轢に遭うものです。「ネマワシ」は、そういうアクティブなビジネスパーソンにとって、「出る杭でも打たれない」ための技術であり、ビジネスの知恵でもあるのです。

 ネマワシは世界中で行われていますが、日本的ネマワシと世界標準のネマワシでは、微妙に異なる部分があることも事実です。
 そこで、本文では、日本的ネマワシを「根回し」、世界標準のネマワシを「NEMAWASHI」と、区別して表記しています。
 本書のテーマは、世界に通じるNEMAWASHIについてです。
 日本でしか通じない「根回し」は、やがて消え行く過去の文化のようなものだと思います。
 しかし、日本的「根回し」は、いまでも日本の企業風土として根強く残っており、日本の企業で働いている以上、それを無視しては仕事は一ミリも進まない、というのもまた事実です。
 そのため、日本的根回しについても、本文ではその問題点は指摘しつつ、ビジネスパーソンとしての適切な対応の仕方を詳述しています。

 世界の一流ビジネスパーソンは、NEMAWASHIも一流です。
 NEMAWASHIは、コミュニケーションやマーケティングなどのスキルと同様に、ビジネスパーソンに求められる基本スキル。基本スキルである以上、スキルアップは一流のビジネスパーソンになるための必須条件であるとも言えます。
 ビジネスがグローバル化する中で、日本人同士だけの商売で済むという範囲はどんどん狭くなっています。一方、外国人クライアントに、外国人上司に、あるいは外国人の部下に、NEMAWASHIをしなければならないシーンは年を追うごとに増えています。
 どうか、この機会に「グッド・ネマワシスト」を目指してください。

 なお、本書で紹介している事例の登場人物、企業名等のうち、一部についてはご本人の迷惑とならないよう匿名としています。

 二〇一四年一〇月   新 将命

略歴

新 将命(あたらし・まさみ)
1936年東京生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスを含むグローバル・エクセレント・カンパニー6社で40数年にわたり社長職を3社、副社長職を1社経験。2003年から2011年まで住友商事を含む数社のアドバイザリー・ボードメンバーを務める。2014年より株式会社ティーガイアの社外取締役。
現在は、長年の経験と実績をベースに経営者、経営幹部を対象に経営とリーダーシップに関する講演・セミナーを通じて国内外で「リーダー人財」および「グローバル人財」の育成に取り組んでいる。また“エグゼクティブ・メンター”として、経営者・経営者グループに対する経営指導・相談の役割を果たしている。
実質的内容の希薄な虚論や空論とは異なり、実際に役に立つ“実論”の提唱を眼目とした、独自の経営論・リーダーシップ論には定評がある。『経営の教科書 社長が押さえておくべき30の基礎科目』(ダイヤモンド社)をはじめ、著書・CD教材多数。
メールアドレス:atarashi-m@sepia.plala.or.jp
●装丁・本文デザイン/轡田昭彦・坪井朋子
●編集協力/亀谷敏朗