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並外れたマネジャーになる 80対20の法則

並外れたマネジャーになる 80対20の法則
リチャード・コッチ 著
高遠裕子 訳
  • 書籍:¥1,600(税別)
  • 電子書籍:¥1,280(税別)
  • 四六判・並製/296ページ
  • ISBN978-4-484-13126-9 C0034
  • 2013.12発行
多くの努力が報われないビジネスの世界で
わずかな労力で莫大な成果をあげるには?

世界的ベストセラー『人生を変える 80対20の法則』の著者の最新作!

書籍

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電子書籍

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内容

大部分のアウトプット(産出)を生み出す
ごく少数のインプット(投入)を見抜け!


「顧客の20%が利益の80%をもたらす」「20%の努力が80%の成果を生み出す」……あの「80対20の法則」をマネジャー向けに適用、並の努力で並外れた成果を出せるマネジャーになるための10の方法をまとめたリチャード・コッチの最新作。
仕事を楽しむ方法、ストレスを感じたり長時間働いたりしなくても充実したキャリアを築く方法、自分らしさを失わず、家族や友達を犠牲にすることなく、いまよりずっと多くの成果をあげる方法を説く。

誰もが「平均」に注目するが、ビジネスを動かしているのは「極端」だ。
80対20マネジャーの本質は、結果にこだわり、世の中の偏ったパターンを利用して結果を出そうとする点にある。
80対20マネジャーであるとは、少ない労力で達成できる大きな目標は何かを日々考えることなのだ。 
――リチャード・コッチ


序文

 一年あまり前、わたしは『人生を変える80対20の法則』を読んでいた。この本を読むのはかれこれ10回目だ。当時、世界的な大企業数社の幹部と仕事をしていたのだが、マネジメントにこの法則が取り入れられていないことを知って愕然とした。法則自体は知っているらしいのだが、日々の仕事にこの法則の実践的なパワーを活かしていないのだ。
 そこでリチャードに手紙を書いて、マネジャー向けの本を書くよう提案した。そうして出来たのが、いまあなたが手にしている、この本だ。
 なぜ、そんな提案をしたのか。
 世界中に80対20の法則を実践するマネジャーを増やしたいからだ。それだけじゃない。
 大きな成果をあげる幹部がどんどん出てきて、会社を変えて欲しい。部下が最高の仕事ができるよう手助けしてもらいたい。それと同時に、自分自身が生き生きとして、満ち足りた状態で、幸せを感じてもらいたい。何よりも、その気になりさえすれば、仕事のやり方そのものを変えて、並の努力で並外れた成果を出せることに、すべての人たちに気づいてもらいたいのだ。
 この本の良さは、どこまでも実践的なところにある。本を読み終えたら、すぐにでも教訓を活かすことができる。あなたの人生、そして仕事を次のレベルに引き上げられる。準備はいいだろうか。
 80対20の法則がすごいのは、常識に反しているところにある。リチャード・コッチがすごいのは、常識に反していることをわかるようにしてくれるところにある。
 リチャードに従えば大きな成果を簡単にあげることができるが、とはいえ普段とは違った努力もせずに、それが実現できるというわけではない。大事なのは、普段と違う努力が「苦」にならない、ということだ。心が折れることもないし、価値観を曲げる必要もない。自分自身や愛する人たちを必要以上のリスクにさらすこともない。じつは、苦痛を感じたり、心が折れたり、価値観を曲げたり、必要以上のリスクにさらされたりしているのなら、やり方が間違っているという明確なサインなのだ。
 この本が見事に示してくれているが、普段と違った努力とは心のなかのことなのだ。考え方をがらりと変えて、新たなレベルに上りたくはないだろうか。もし、そう思うなら、その道の達人にお願いするのがいい。いちばん効率的な梃子の使い方を教えてくれる。その多くは、自分には手が届かないと思っていたものだ。
 この本で学んだことを実践してみると、それが自分だけでなく、周りの人たちにとっても楽しい営みだと気づくはずだ。80対20の法則は、正しく使えば、みんなの人生を豊かにしてくれるのだ。
 この本が出来上がる過程を楽しく見せてもらった。リチャードの仕事ぶりを間近で眺め、アイデアを発展させていく過程を知り、読者の役に立ちたいという情熱に接することができたのは幸せだった。この本は、読者自身が最高の自分になるとともに、周りの人たちがより良い人生を送れるよう手助けするのに役立つ本だ。
 楽しみながらお読みいただきたい。そして、実践してほしい。そうすれば、人生を変えてくれる本であることがおわかりいただけるだろう。
 誰もが80対20マネジャーの下で働きたいと思っている。
 さあ、あなたの出番だ。

 2012年6月 フロリダ州シンガー・アイランドにて
 マシュー・ケリー(『ドリーム・マネジャー』の筆者)

プロローグ

 仕事や人生をシンプルにしたくないだろうか。仕事の量に圧倒されて、遅れがちになっていないだろうか。仕事を管理するのではなく、仕事に管理されていないだろうか。
 もし、そう思ったとしても、あなただけじゃない。多くのマネジャーがそう感じている。いまのようにむずかしい時代なら、とくにそうだ。
 だが、解決法はある。その解決法は、パフォーマンスを飛躍的に改善してくれる。しかも、力を抜くことによって。
 そんなことがありえるだろうか。ありえるのだ。
 いまよりずっと効率的なマネジャーになればいい。この本でその方法をお教えしよう。仕事を楽しむ方法、ストレスを感じたり、長時間働いたりしなくても充実したキャリアを築く方法、さらには、自分らしさを失わず、家族や友達を犠牲にすることなく、いまよりずっと多くの成果をあげる方法をお教えしよう。
 どうすれば、そんなことができるのだろう。
 たいていの企業は、そして大半のマネジャーは、産出(アウトプット)よりも投入(インプット)を重視している。彼らが見ているのは、プロセス──毎週やるべき1001のタスクだが、見るべきは結果だ。とくに何が最高の結果を生み出したかを見なくていけない。ただし、この本であきらかにしていくが、大きな成果をもたらした要因を調べていくと意外なことがわかる。
 大きな成果は、小さな行動やわずかな労力で達成されている場合が多いのだ。だが、大きな成果を生み出す小さなインプットは、一握りの良い結果と、多くの悪い結果しか出さない大量のインプットに埋もれている。企業もマネジャーも、平均にばかり目を向け、例外や極端には目を向けない。だが、意外なことに、ほんとうに大事なのは、こうした例外や極端だ。

(中略)

 15年前、わたしは、80対20の法則を個人の生活に活かす方法について本を書いた。今回は、企業のマネジャーがこの法則を活かし、最大の成果をあげるにはどうすればいいかを論じていく。最初に、法則とその仕組みを紹介する。だが、本書はあくまで実践の書であり、できるだけ簡単に、そしてできるだけシンプルに法則を実践する方法をお教えするつもりだ。数字が苦手なら、法則自体を取り上げた第2章は読み飛ばしても構わない(もっとも、経済や統計学の予備知識や興味といったものは必要ないが)。この本の肝は第2部であり、できるマネジャーになるための10の方法を紹介していく。奇妙で常識に反するように思えても、10の方法はすべて、証明済みの経済原則にもとづいているので、ご安心いただきたい。
 できるマネジャーになるにはまず、われわれが奇妙な世界に暮らしていることを理解しなければならない。それができれば、戦いの半分は終わったも同然だ。その世界では、ほとんどの努力は無駄になり、選び抜いた数少ない戦略によって、自分自身や周りの人生を変えることができる。読み進むにつれて、あなたの人生や仕事に対する考え方を一変させるような意外な発
見に数多く出会うだろう。以下に、その例を挙げておこう。

・マネジャーがわずかな努力で大きな成果を出すには、梃子が必要だ。梃子になる七つの資源を取り上げる。わかりやすいものもあれば、そうでないものもあるが、どれも十分に活用されていない。
・できるマネジャーは、自分のことだけでは終わらない。他の人を助ける。違う世界に行って、知らない人同士を結びつける。
・尊敬され(愛されている)マネジャーは、ほんの少しでも、部下を励ましたり、相談に乗ったり、指導したりする時間をとっている。ごくわずかな労力で、生産性が上がり、チームの結束力が強まるさまには驚かされる。
・できるマネジャーは、部下に自由にやらせる。得意なことを任せる。だが、これは生易しい選択ではない。上司と部下の双方が誠実であり、心を開かねばならない。要求水準を高く設定する必要もある。
・マネジャーは時間が足りないわけではない。じつは、時間はあり余っている。喧騒から離れることで、大きな成果があげられる。
・キャリアの成功は、数少ない重大な決断で決まる。
・大きな進歩は、洗練された怠惰と高度な思索と、とてつもない野心の組み合わせから生まれる。


 できるマネジャーになるための10の方法には、簡単なものもあれば、努力が必要なものもある。ただし努力と言っても、自分のやり方を変えようとする強い意志をもつ、といった意味であって、我慢をするとか、やみくもに進むといった従来型の意味ではない。10の方法は、長い目でみれば、驚くほど見返りが大きいものばかりだ。金銭的な見返りばかりではない。周りの人たちの人生をより良くしているので、自分に誇りがもてるのだ。
 そんなうまい話はないと思うかもしれない。何か裏があるのではないか。じつは、ある。裏というわけではないが、やるべきことが三つある。
 まず、新しい方法を活かすには、古い固定観念や習慣を断ち切らなければならない。群れに従うのをやめ、何事も自分の頭で考える。慣れるまでは大変かもしれない。
 第二に、どんな仕事につき、どんな会社で、どんな上司の下で働くかを決めることが重要だ。大ざっぱにいえば、がんじがらめにして、創造力を抑えつける会社ではなく、創造力を発揮できるよう伸び伸びやらせてくれる会社で、裁量権を確保できる方がいい。残念ながら、ほとんどの会社はそうではない。ただ、そういう会社は確かに存在するし、簡単に見つかるものだ。勢いがあって、他社が伸び悩んだり、売り上げが減少したりしているときにも成長している。従業員の満足度もきわめて高い。
 第三に、人生に関わる何かを本気で望まなくてはならない。全身全霊をかけて、本気でそうなりたいと思うこと。本気なら、何を望んでも構わない。
 この三つを聞いてうんざりしていないなら、読み進めてほしい。19世紀の偉大な思想家、カール・マルクスもこう言っている。自分を縛るくびき以外に、失うものは何もない。
 さあ、素晴らしい世界を手に入れよう!

目次

序文

プロローグ

第1部 質問――途方に暮れていないか

第1章 仕事や生活をシンプルにしたくないか
マネジメントの2つのタイプ

第2章 秘密兵器
80対20の法則とは
80対20の法則の起源
50対5、20対1、50対1の法則
「ロング・テール」はどうなのか
マネジャーにとって、なぜ80対20の法則が重要なのか

第2部 答え――80対20マネジャーになるための10の方法

第1の方法 探偵マネジャー 
ビジネスを整理する
探求心
主要顧客は誰か。どこが違うのか
どの製品ラインがドル箱で……どの製品ラインがお荷物か
自社の「コア」とは何か
自分自身に問いかけるべき7つの質問
成功への道

第2の方法 連結の達人(スーパー・コネクティング)マネジャー
弱いつながりの絶大な効果
赤いくじと緑のくじ
連結の達人
連結の達人になるには

第3の方法 メンタリング・マネジャー
マシュー・ケリーの物語
メンタリング・マネジャーになるには
最高のメンターの見つけ方
80対20流のメンタリング

第4の方法 レバレッジ・マネジャー
優れた成果を出すための7つの梃子

第5の方法 自由にやらせるマネジャー
創造力を活かす
恐れの限界
自由を選ぶ

第6の方法 意義を求めるマネジャー
意義は80対20の法則とどう関係するのか
選り好みする
キャリアはわが手に
プロフェッショナルとして個性を発揮する
自分の核を見つける

第7の方法 時間に余裕をもつマネジャー
「時はカネなり」はつねに真実か
トレンドに逆らって時間を節約する
労働時間は短く、成果は多く
時間に余裕をもつ人になる8つの方法/避けるべき10の時間の罠
なぜ時間は不足していないのか

第8の方法 単純化するマネジャー
単純化する才能
単純化の実際
仕事を単純化する方法
現実を捉え直す
組織を簡素化する

第9の方法 怠け者マネジャー
怠け者の大物上司
正しい怠け者
どうすれば怠けられるか

第10の方法 戦略的マネジャー
戦略的マネジメントの先駆者
戦略的マネジャーの本質的性格
戦略的に成功する秘訣
戦略的マネジャー――究極の80対20マネジャー

論点の整理 完全なる80対20マネジャー

エピローグ 80対20マネジャーと80対20企業

原注

訳者あとがき

略歴

[著者]
リチャード・コッチ Richard Koch
起業家、投資家、経営コンサルタント、作家。ボストン・コンサルティング・グループやベイン・アンド・カンパニーで数多くの欧米優良企業のアドバイザーを務めた後、1983年に2人のパートナーとコンサルティング会社L.E.K.を設立(89年に独立)。投資先はファイロファックス、プリマス・ジン、ベルゴ&ベッドフェアなど。英国出身でジブラルタル在住。代表作の『人生を変える 80対20の法則』(阪急コミュニケーションズ)は多くの言語に翻訳され、100万部超のベストセラーに。本書はこれをマネジャー向けに適用した最新刊。

[訳者]
高遠裕子 Yuko Takato
翻訳者。主な訳書に、ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと』『未来を発明するためにいまできること』、リチャード・コッチ『楽して幸福を手に入れる 80対20の法則 生活実践編』(以上阪急コミュニケーションズ)、『心のなかの幸福のバケツ』(日本経済新聞出版社)など。
●装丁・本文デザイン/轡田昭彦、坪井朋子