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バスガイド流プレゼン術 天才ジョブズよりも身近な達人に学べ

バスガイド流プレゼン術
伊藤誠一郎 著
  • 書籍:¥1,500 (税別)
  • 電子書籍:¥1,200(税別)
  • 四六判・並製/224ページ
  • ISBN978-4-484-13222-8 C0030
  • 2013.06発行
バスガイドはなぜ暗記してスラスラ話せるのか? 説明がわかりやすいのか? 臨機応変に対応できるのか? 提案コンペ勝率8割のプレゼンの達人が、1500人以上に伝授してきた「伝わる発表」の秘訣をお教えします。

書籍

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電子書籍

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内容

バスガイドは、
旅の楽しさを伝える最高のプレゼンター。
プレゼンテーションは旅、
聴き手は旅行客と考えれば、
知識ばかりで実践が伴わなかったあなたも、
プレゼンの達人になり、
ビジネスに活かすことができます。

協力:はとバス

はとバス現役ガイドのインタビューも収録!

第1章 プレゼンターとバスガイドの共通点
第2章 観光スポットを意識してシナリオを作る
第3章 プレゼン資料は旅のガイドブック
第4章 プレゼン練習は案内する姿をイメージして
第5章 バスガイドになりきれ! プレゼン本番発表
第6章 プレゼンの達人になるための7つの心得
特別付録 はとバスのガイドさんインタビュー

はじめに

私は、プロのプレゼンテーション講師です。会社員や起業家に対して、セミナーや個別指導、企業研修を通じてプレゼンテーション力向上の支援を行っています。

もともとは医療業界で、病院向けシステムやコンサルティングの仕事に15年以上携わっていました。提案営業やプロジェクトマネジメントで、医師や看護師を対象に年間100回以上のプレゼンテーションを行っていたのです。

私は特にベンチャー企業での経験が多く、実績、総合力で圧倒的優位に立つ競合大手を押しのけ、提案コンペでの勝率は業界平均5割を大きく上回る8割を誇っていました。その実績が噂となり、なんと取引先やグループ企業から、代行プレゼンターになってほしいという要請を受けたこともあります。

こうした経験から、これまでに1500人以上のビジネスパーソンに簡潔でわかりやすいプレゼンテーションの秘訣をお伝えしてきました。その中で言い続けているのは、「プレゼンターはバスガイドになりきりましょう」ということです。

では、なぜバスガイドなのか。

今から5年前、私は車生活を卒業しました。もともとスポーツタイプの車でドライブするのが大好きでしたが、仕事が忙しくなる一方で運転する時間が取れなくなったので、保険、税金、駐車場代などのコスト削減を理由に思い切って売却してしまいました。

しかし、しばらく経つと、たまには車でどこかに出かけたくもなります。そんなときに、たまたまインターネットで見つけたのがバスツアーでした。

自分で運転こそできないものの、決められた時間と場所に行けば、バスに乗っているだけで各地の魅力的な観光スポットを効率的に楽しむことができます。

最初に参加した日帰りの「栃木イチゴ狩り&日光東照宮散策」の旅で、一口では頬張りきれないほどの大きな真っ赤なイチゴと自然に囲まれた厳かな雰囲気を満喫して、私はすっかりバス旅行の魅力にはまってしまいました。

それ以来、時間を見つけては毎月のようにバスツアーに参加しています。
 
バス旅行の魅力の中でも私が特に感動し、衝撃を受けたのが、バスガイドさんの案内の素晴らしさでした。

彼女たちは、ただ車窓からの景色や観光スポットを案内しているのではありません。旅行客と正面から向き合い、出発点から終着点まで一貫した流れの中で、旅の楽しさを作り上げていきます。

旅の行程や観光スポットの詳しい案内を正確に行うことはもちろん、ユーモアのある小話や旅行客との当意即妙なやり取りで笑いを取ったり、歌まで披露したりします。しかも、カンペなどに一度も頼ることなく、見事にそれらをやってのけるのです。

私は気がつきました。

バスガイドさんは、いわば、旅の楽しさを伝える最高のプレゼンターなのだと。バスガイドさんの役割、取り組みの中に、ビジネスプレゼンテーションにおいてプレゼンターが見習うべきポイントが数多く凝縮されているのだと。私は、実に意外なところに、プレゼンテーションの最高のお手本が存在していることを発見してしまったのです。

それからは「バスガイド研究家」として、いろいろなバス旅行に参加し、実務経験者から実際の取り組みや苦労話を聞いてきました。そして、彼女たちの案内方法とプレゼンテーションとの共通点を徹底的に研究した結果、この本ができ上がりました。
 
おそらく皆さんも、バス旅行に参加した経験があると思います。学生時代の遠足や修学旅行でも構いません。バスガイドさんの存在をちょっと思い出してみてください。

バスガイドさんの案内によって、旅の行程がよく理解でき、道中では期待感が高まって一つひとつの観光スポットがより強く印象に残ったのではないでしょうか。

バスガイドさんがいたからこそ、「楽しかった旅」という思い出が刻まれ、「機会があればまた参加したい」という気持ちになったのではないでしょうか。

つまり、バスガイドさんは旅行客に楽しい旅をプレゼンテーションしているのです。

さらに彼女たちは、状況に合わせて臨機応変にプレゼンテーションをコントロールする優れた柔軟性も持ち合わせています。

旅と一言で言っても、山や海、食べ放題や温泉、テーマパークなど見どころ・楽しみどころはさまざまです。また、参加する旅行客も、小さな子供のいる家族連れや学生同士のグループ、若いカップルや中高年の夫婦など年代や性別によってさまざまです。

バスガイドさんは、こうした状況を的確に捉えて、たとえどんな旅行客であっても確実に旅を満喫してもらわなければなりません。そこには、徹底的に相手を見て、相手のことを考え、相手に合わせていく姿勢が存在しています。

プレゼンテーションも同じことです。

テーマも、伝えるべき内容も、聴き手もさまざまです。その中でプレゼンターには、聴き手という旅行客と正面から向き合い、話の内容を心から満喫してもらうという使命があります。つまり、プレゼンターに求められる役割は、そのままバスガイドさんの役割と重なってくるのです。

この両者の共通点から、印象に残るプレゼンテーション、わかりやすいプレゼンテーションを実践するための秘訣をシンプルに導き出すのが本書の目的です。
 
今やいろいろな場面で、ビジネスにおけるプレゼンテーションの重要性が叫ばれ、成功のためのノウハウが熱く語られています。アップルの故スティーブ・ジョブズ氏のようなプレゼンテーションの名手に学ぼうといった本も刊行されています。

しかしプレゼンテーションは、断片的な知識ばかりを集めても、それだけでは実践にうまく結びつきません。私がセミナーや個別指導でお会いする方からも、「頭ではわかっているはずなのに、なかなかできない」といった悩みの声が数多く聞かれます。

知識を実践に変えるためには、シンプルな気づきが不可欠です。

そのために、一度プレゼンテーションのシナリオを考える机の上から離れてみましょう。資料を作るときのパソコンの前からも離れてみましょう。そして、プレゼンテーションを行う会議室から出てみましょう。

ちょっと視点を変えて、自分が旅に出ているつもりで、バスガイドさんの案内を聴いているつもりで、プレゼンテーションを考えてみてください。

「旅ってどういうものだろう」「バスガイドさんはどうやって案内してくれるだろう」ということに思いを巡らせれば、プレゼンターの役割に自然と気づくようになります。

また、「こんな旅はないよな」「こんなバスガイドさんがいたら嫌だな」と逆説的に考えれば、プレゼンテーションがうまくいかない原因がはっきりとわかるようになります。

誰もが知っている身近な存在ですから、イメージするのは難しくないはずです。
 
実際に、セミナーや個別指導、企業研修でこの「バスガイド流プレゼン術」を聴いていただいた方からは、「頭の中がすっきり整理できた」「具体的な取り組み方がわかった」「自分が今までダメだった理由に気づいた」という声を数多くいただいています。

また、その後の実務において、「新しい企画が満場一致で承認された」「プレゼンコンテストで優勝した」「昇進試験に合格した」など成功事例もたくさん報告されています。

本書によって、皆さんにもぜひ、プレゼンテーションに対する新たな活路を見出していただきたいと思います。そして、「プレゼンテーションは難しくない」「これなら私にもできる」と自信を持って、人前に出ていく勇気をつかんでいただけたら、筆者としてこれ以上嬉しいことはありません。

さあ、これから私と一緒にプレゼンテーションの旅に出ましょう。

目次

はじめに
 
第1章 プレゼンターとバスガイドの共通点
 
プレゼンテーションをもっとシンプルに考えよう
プレゼンターはプレゼンテーションという旅の案内役
旅の主役はバスガイドではない
プレゼン=資料の方程式を捨てよう
プレゼンテーションは「準備が9割」
プレゼンテーションは楽しませるもの、楽しむもの
 
第2章 観光スポットを意識してシナリオを作る
 
旅行客に合わせて柔軟にプレゼンを設計する
話のわかりやすさは内容の前に「形」で決まる
プレゼンマップで行き先と行程を示す
結論と目的はプレゼンという旅のテーマ
プレゼンの論点(=観光スポット)は三つ置けばよい
下地作り、展開、仕上げの3ステップで話が前に進む
ビジネスにおけるシナリオ作りの具体例
 
第3章 プレゼン資料は旅のガイドブック
 
文字で読ませたら資料を使う意味がない
資料は1枚1枚作り込むから時間がかかる
レイアウトを使った表現が資料作成の第一歩
表現内容に応じて使い分ける基本スライド6パターン
美しく丁寧な資料が相手の信頼感までも勝ち取る
美しい仕上がりは大きさと配置の「揃え」がポイント
 
第4章 プレゼン練習は案内する姿をイメージして
 
まったく練習してこないバスガイドはいない
本番で頭が真っ白にならないための準備
幼少の頃の学芸会を思い出そう
「四つの接続詞」で自分を追い込む
効率的な練習はブロックごとに時間を計測する
歩きながらの通し練習で完成度がわかる
 
第5章 バスガイドになりきれ! プレゼン本番発表
 
道順と現在地を示して相手を迷わせないようにする
雑踏の中で会話するときの声のレベルで話す
旅行客と真っ直ぐ向き合う姿勢と視線
気合の衣装と超ポジティブキャラで存在感を示す
相手によって使い分ける淡々型と情熱型のスピーチ
質疑応答はスピード感を持って乗り切る
 
第6章 プレゼンの達人になるための7つの心得
 
プレゼンはHow To の前にHow Wonderful を
プレゼンの実践力を磨くには日頃の言動から意識する
身の回りの物事を三つのポイントにまとめる習慣
超ポジティブキャラを演じる力を身につける
プレゼンは楽器演奏、まずはコピーから始めよう
無関心は敵! 未知の事柄に対して興味を持とう
プレゼンテーションの機会は自ら作り出す
 
特別付録 はとバスのガイドさんインタビュー
 
おわりに

略歴

[著者]
伊藤誠一郎(いとう・せいいちろう)
1971年生まれ。株式会社ナレッジステーション代表取締役/バスガイド研究家
プレゼンテーション講師として、これまでに企業の最前線で活躍するビジネスパーソン1500人以上に対してプレゼンテーションの指導を行っており、豊富な具体例と独特な比喩を用いた解説法が苦手意識の克服と実践力強化に役立つと、9割以上の受講者から高い評価を得ている。
たまたま参加したバス旅行で、バスガイドとプレゼンターの共通点に着目。以来、年間15回以上のバス旅行参加を通してバスガイドの案内方法の研究に専念し、独自のプレゼン上達法を確立した。
もともとは人見知り、赤面症であり、人前で話すことを苦手としていたが、大学卒業後15年以上携わった医療情報システム、コンサルティングの仕事において、年間100回以上のプレゼンテーションを行って実践力を鍛えた。ベンチャー企業での経験が多く、実績、総合力で圧倒的優位に立つ競合大手を押しのけ、提案コンペでの勝率は業界平均5割を上回る8割を誇る。
起業支援ドリームゲートアドバイザー、日本プレゼンテーション協会会員、さいたま起業家協議会経営支援委員

伊藤誠一郎オフィシャルサイト
www.knowledge-pc.com/
●カバーデザイン/萩原 睦(志岐デザイン事務所)
●本文デザイン/明昌堂
●企画協力/天田幸宏(コンセプトワークス株式会社)
●協力/株式会社はとバス