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数字とストーリーでわかる あの会社のビジョンと戦略 ビジネスモデル分析術

ビジネスモデル分析術
望月実/花房幸範/三木孝則 共著
  • 書籍:¥1,800(税別)
  • 電子書籍:¥1,440(税別)
  • A5判・並製/336ページ
  • ISBN978-4-484-13214-3 C0034
  • 2013.04発行
フェイスブック vs. グリー、グーグル vs. ヤフー、アップル vs. ソニー、サムスン vs. パナソニック、アマゾン vs. 楽天。注目のグローバル企業5社を、日本の同業ライバル企業と徹底比較!

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内容紹介


・ヤフーがグーグルの検索エンジンを使う理由
・サムスン会長の経営哲学からわかること
・ソニーとパナソニックの復活戦略
・グリーとミクシィのビジネスモデルの違い・・・
気鋭の会計士が「経営者の思想とビジネスモデルのつながり」を立体的に解説。



第1章~5章までは、有名グローバル企業の沿革、経営理念、ビジネスモデル、経営戦略、決算書などを、同業の日本企業と比較しながら分析、その強さの秘密を探ります。またこの比較から、日本企業にとって現在、何が必要なのかも見えてくるはずです。
第6章では本書で取り上げた10企業の数字を分析。
第7章では実際にビジネスモデルを分析する際のポイントを解説します。

たんに数字(売上高、営業利益など)を見ただけでは、その企業のビジネスの本質をつかむのは難しいものです。企業のHPや経営者の発信する情報、各種報道記事などさまざまな情報を「数字」とうまく組み合わせて分析することで、はじめてその企業の本当の姿が見えてきます。本書はその方法をケーススタディ方式で示しました。

目次

まえがき
・あの企業は、なぜ儲かるのか?
・本書で学べる内容

第1章 フェイスブック VS. グリー
1.沿革と経営理念
2. 主要な数字
3. ビジネスモデル分析
 [1] ソーシャルネットワーク 対 ソーシャルゲーム
 [2] フェイスブック
 [3] グリー
4.経営戦略と注目ポイント
 [1]フェイスブック
  ・フェイスブックは誰のアイディアか
  ・ザッカーバーグの理想とプライバシー問題
  ・IPO(株式市場)と株価の推移
  ・フェイスブックの採用情報
 [2]グリー
  ・楽天社員番号77番
  ・グリーの誕生
  ・グリーとミクシィを比較する
  ・ソーシャルゲームの危ういバランス
5.決算書分析
6.分析に使用した資料

第2章 グーグル VS. ヤフー
1.沿革と経営理念
2.主要な数字
3.ビジネスモデル分析
 [1] ロボット型 対 ディレクトリ型
 [2] グーグル
 [3]ヤフー
4.経営戦略と注目ポイント
 [1]グーグル
  ・グーグルが目指すもの
  ・グーグルがしてきたこと
  ・急成長を支える買収戦略
  ・マイクロソフトとの戦い
 [2]ヤフー
  ・ヤフーを育てた井上社長
  ・宮坂新社長の挑戦
  ・ヤフーがグーグルの検索エンジンを使う理由
  ・課題解決エンジン
5.決算書分析
6.分析に使用した資料

第3章 アップル VS. ソニー
1.沿革と経営理念
2.主要な数字
3.ビジネスモデル分析
 [1]シンプル経営 対 多角化経営
 [2]アップル
 [3]ソニー
4.経営戦略と注目ポイント
 [1]アップル
  ・伝説のスピーチ
  ・ヒットした商品、失敗した商品
  ・アップルはなぜ、経営を立て直すことができたのか?
  ・グーグル、マイクロソフトとの戦い
 [2]ソニー
  ・ソニーのDNA
  ・ソニーはなぜ赤字が続くのか?
  ・ソニーの復活戦略
  ・クリエイティブとマネジメントの間で
5.決算書分析
6.分析に使用した資料

第4章 サムスン VS. パナソニック
1.沿革と経営理念
2.主要な数字
3.ビジネスモデル分析
 [1]マーケティング経営 対 技術経営
 [2]サムスン
 [3]パナソニック
4.経営戦略と注目ポイント
 [1]サムスン
  ・李健煕(イ・ゴンヒ)氏の経営哲学
  ・韓国企業と日本企業の強みを比較する
  ・サムスンの人材戦略
  ・アップルとの訴訟
 [2]パナソニック
  ・ナショナルからパナソニックへ
  ・環境革新企業を目指す
  ・パナソニックはなぜ大赤字になったのか?
  ・収益改善への努力
5.決算書分析
6.分析に使用した資料

第5章 アマゾン VS. 楽天
1.沿革と経営理念
2.主要な数字
3.ビジネスモデル分析
 [1]スーパー 対 ショッピングモール
 [2]アマゾン
 [3]楽天
4.経営戦略と注目ポイント
 [1]アマゾン
  ・秘密主義と辛抱強さ
  ・キンドル
  ・ザッポスの買収
  ・アマゾンと楽天の出店料を比較する
 [2]楽天
  ・楽天経済圏
  ・kobo Touch(コボタッチ)
  ・英語公用語化
  ・ビジネスの国際化
5.決算書分析
6.分析に使用した資料

第6章 注目企業の数字を分析する
1.時価総額、PER、PBR
2.売上高、営業利益、営業利益率
3.従業員数、1人当たり売上高、1人当たり営業利益
4.総資産、純資産、自己資本比率
5.ROE、ROA
6.のれん
7.設立からの年数、上場までの年数

第7章 ビジネスモデル分析術
1.情報収集のポイント
 [1]サービスを利用する
 [2]本を読む
 [3]インターネットから情報を入手する
2.ケーススタディ:グーグルを分析する
 [1]雛型の作成
 [2]インターネットでの情報収集
 [3]本を読む
 [4]財務情報を簡単に分析する
 [5]軸としたストーリーの上に情報を集めていく
 [6]アニュアルレポートを分析する
 
あとがき グローバル時代のコミュニケーション

まえがき

 ソニー、パナソニック、任天堂などの日本を代表する企業の業績が芳しくないなか、アップル、グーグル、サムスンなどの業績好調なグローバル企業が様々なメディアで取り上げられるようになりました。また、それらの企業について書かれた多くの本も出版されていますが、そのような本を読んでも「ジョブズやザッカーバーグの魅力は分かったけど、どんなビジネスをやっているのかがよく分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか?

 新聞や書籍を読んでもビジネスモデルが分かりにくい理由は、多くの新聞や書籍はビジネスの全体像を伝えようとするのではなく、人目を引く情報だけにフォーカスして伝えているからです。例えば、2012年10月23日にフェイスブックが第3四半期の決算発表を行いましたが、その内容の伝え方はマスコミによって大きく異なり、朝日新聞デジタルの記事のタイトルは次のようになっていました。

 米フェイスブック、5900万ドル赤字 7~9月期決算

 それに対して、ブルームバーグの記事のタイトルと第1パラグラフは次のようになっていました。

 フェイスブックの7-9月期:売上高が予想上回る、株価上昇

 両者の記事から受ける印象は180度違うのではないでしょうか。朝日新聞デジタルの記事を読んだ人は「フェイスブックは注目されているけど、全然儲かってないんだな」と感じるでしょうし、ブルームバーグの記事を読んだ人は「フェイスブックは注目されているだけではなく、ビジネスとしても有望みたいだ」と感じるでしょう。もっとも、記事を最後まで読むと、両者とも「売上は増えたにもかかわらず、それ以上にコストが増えたため、最終損益は赤字となった」という内容を読み取ることができますが、最後までじっくりと記事を読んで理解する人よりも、タイトルと第1パラグラフから、その企業に対するイメージを作ってしまう人の方が多いでしょう。

 私は会計士なので、ブルームバーグのように「フェイスブックの売上が伸びた」という記事を読むと、「じゃあ最終的な利益はどうなっているのだろう?」と考えますし、朝日新聞のように「最終損益が赤字だ」という記事を読むと、「会社の成長を表す売上はどうなっているのだろう?」と考えますが、会計に詳しくない方にとってはそのような発想は難しいと思います。このように、1つの新聞記事をとっても、その企業や数字に対しての背景知識がないと、正しい内容を読み取ることは難しくなります。

 それでは、どうすればマスコミの報道に惑わされずに、その会社の実体を理解することができるでしょうか? 私は、会社の実体を理解するためには、基本的な数字とビジネスの背景となるストーリーを読み解きながら、ビジネスモデルを立体的に理解することが大切だと考えています。基本的な数字の分析というのは、その会社の売上や利益などの様々な数字をビジネスモデルに合わせて分析していくことです。例えば、サムスンの2011年12月期の営業利益は1兆953億円となっており、「営業利益が1兆円を超えている」という数字だけに注目すると、サムスンは「すごく儲かっている会社だ」という姿しか見えてきません。

 しかしながら、営業利益1兆円の数字を分析すると、サムスンの中でも大きく儲かっている事業と赤字の事業があることが分かります。赤字の事業は今後、何らかのリストラ策を取ることが予想されますので、数字を分析することによりサムスンの未来を予想することができます。また、ストーリーというのは、経営者の思想、戦略、他社との競争関係、組織風土などの企業活動に影響を与える要素を表しています。例えば、「サムスンとアップルは世界中で激しく訴訟を行っているのに、なぜパートナーとしての取引を続けるのか?」というような疑問も、その背景となるストーリーを読み解くと理解することができます。

(後略)

略歴

[著者]
望月実(もちづき・みのる)
1972年愛知県名古屋市生まれ。立教大学卒業後、大手監査法人に入社。監査、株式公開業務、会計コンサルティング等を担当。2002年に独立し、望月公認会計士事務所を設立。現在は、就活やキャリアアップにおいて「数字センス」で状況を切り開いていく方法を伝えることをミッションとして、日本人を数字に強くするための活動を精力的に展開。執筆、講演、テレビ出演などを通じ、わかりやすく親身なアプローチと温かな視点には定評があり、切実な悩みを抱えながらもがんばっている就活生やビジネスパーソンの支持を集める。著書に『最小の努力で概略をつかむ!IFRS決算書読解術』『最小限の数字でビジネスを見抜く決算書分析術』『有価証券報告書を使った決算書速読術』『内定をもらえる人の会社研究術』『就活の新常識!学生のうちに知っておきたい会計』(以上共著、阪急コミュニケーションズ)、『いいことが起こり続ける数字の習慣』(総合法令出版)、『「数字」は語る』(日本経済新聞出版社)、『問題は「数字センス」で8割解決する』(技術評論社)、『部下には数字で指示を出せ』『課長の会計力』『会計のトリセツ』『会計を使って経済ニュースの謎を解く』(以上日本実業出版社)がある。著者Webサイト「アカウンティング・インテリジェンス」http://ac-intelligence.jp/

花房幸範(はなふさ・ゆきのり)
1975年鳥取県鳥取市生まれ。中央大学商学部卒業後、大手監査法人に入社。監査業務の他、株式公開、デューデリジェンス業務等に携わる。その後、投資会社にて財務経理部長としてM&Aに従事。現在は会計コンサルタントとして幅広く企業の経営をサポートするかたわら、地元の鳥取県をはじめとする地域再生に取り組んでいる。また会社経営のノウハウを農業ビジネスに取り入れるべく奮闘中。自身が最重要のビジネスツールの1つと考える「会計」を若手に教える活動もしている。著書に『最小の努力で概略をつかむ!IFRS決算書読解術』『最小限の数字でビジネスを見抜く決算書分析術』『有価証券報告書を使った決算書速読術』『内定をもらえる人の会社研究術』『就活の新常識!学生のうちに知っておきたい会計』(以上共著、阪急コミュニケーションズ)がある。

三木孝則(みき・たかのり)
1975年神奈川県横浜市生まれ。東京大学卒業後、大手監査法人2社で監査、内部統制対応、内部監査支援、業務改善支援等を担当するとともに、リスクマネジメント調査や各種セミナーを担当。2010年に独立し㈱ビズサプリを設立、フリーの公認会計士として活動する。現在はIFRS対応のコンサルティングやIPO支援に携わり、本質を外さないながらも柔軟な考え方や、知識の使い方を心得たコンサルティングで好評を集める。一方で、セミナー講師を通じて難しい会計や制度の話をわかりやすくかみ砕き、日本の会計スキルの底上げ、会計業界の質の向上に注力している。著書に『統制環境読本 「脱文書化3点セット」で内部統制が変わる!会社が変わる!』(共著、翔泳社)、『最小の努力で概略をつかむ!IFRS決算書読解術』(共著、阪急コミュニケーションズ)がある。㈱ビズサプリWebサイト http://biz-suppli.com/
●装丁・本文デザイン/轡田昭彦・坪井朋子