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それは誰にも教えたくないほどあなたの仕事に役立つ63のエピソード。「できる者は為し、できない者は教える」篇

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私は子供のとき、11歳か12歳で受験する進学者選抜試験「11プラス」に落ちた。
この試験結果で将来がほとんど決まるため、これは悪い知らせだった。
試験に合格した生徒はグラマースクールに入学できる。
英語、数学、フランス語、ラテン語、物理、歴史を学び、義務教育修了試験に向けて勉強する。
成績が良い生徒は大学入学資格試験の勉強をし、大学へ進学する。
11プラスに落ちたら、そんな道は歩めない。
落第者が行くのはセカンダリー・モダンスクール。
男子生徒はそこで金属加工や木工を習う。
女子生徒はタイプライターの打ち方や料理を習う。
15歳で卒業したら、男子は工場勤務の工具製作者見習いを目指す。
女子は秘書になるか、結婚するか。
それが、11歳で決まる未来だった。
当然ながら、私の両親は息子が試験に落ちたことを喜ばなかった。
悪いことはまだあった。
ロンドン東部に住む私が通っていたのは、地区内で最低の学校だったのだ。
悪いことはまだまだあった。
私の成績はクラスで最低だったのだ。
これ以上、悪いことはないだろうと思っていた。
「保護者の夕べ」が来るまでは。
その日、保護者は全員列を作って、担任教師と話をする順番を待った。
教師がどの生徒について何を言っているか、並んでいる保護者には丸聞こえだった。
私の母のすぐ前は、私の友達の両親だった。
教師は彼らに、息子さんは賢いから今後も心配はないと言っていた。
母の番になった。
息子に学校を続けさせて義務教育修了試験を受けさせたい、と母は言った。
教師は笑い、その場の全員に聞こえる大声で言った。
「学校を続けさせるなんてばかげています。カネの無駄ですよ。
そのカネで新車を買ったほうがましです」
母は居並ぶ親たちの前で大恥をかいた。
父にこの一件を報告すべく、母は帰宅した。
父は夜番だったので、母はそろそろ出勤の時間だと言って父を起こした。
その後の展開を悟った私は、ありったけのコミックを抱え、公園に隠れた。
もう暗くなっていたから、私の姿は誰にも見えなかった。
だが私には、私を捜して車を走らせる父の姿が見えた。
そのうちに父は仕事へ行き、私は家へ帰った。
その後の数週間は最悪だった。
教師が私のことをどう言ったか、忘れることができなかった。
だから私は、JDウェザースプーンの創業者をすごいと思っている。
ウェザースプーンはイギリス各地にパブやホテルをチェーン展開する企業だ。
1979年にティム・マーティンが創業した。
今ではパブ800軒以上とホテル26軒を経営し、従業員は2万人強。
年間収入は9億5500万ポンド、営業利益は9700万ポンドに上る。
私は会計士ではないが、この数字はかなりのものではないか。
何にも増して感銘を受けたのは、会社の名前が「ウェザースプーン」である理由だ。
ウェザースプーンは、マーティンが教わった教師の名前だった。
この教師はマーティンの両親に、この子は大した人物にはならないと言ったという。
その言葉が間違っていたことを、マーティンは証明しようとした。
だが、自分のパブチェーンを「マーティン」と名づけても、あの教師は気づかないだろう。
マーティンはよくある名前だ。
でも自分の名前なら、気づかずにいられる人などいないと彼はわかっていた。
だから、あの教師に思い知らせるために、教師の名前を会社の名前にした。
イギリス中に「ウェザースプーン」の名が躍るさまを見せつけたかったのだ。
自分の名前を見かけるたびに、ウェザースプーンに思い知らせたかったのだ。
これを創業したのは、大した人物にならないはずだったあの少年だ、と。