トップ > ニュース > それは誰にも教えたくないほどあなたの仕事に役立つ63のエピソード。「勝つことはいいこと、だが負けることは学ぶこと」篇

ニュースニュース一覧

それは誰にも教えたくないほどあなたの仕事に役立つ63のエピソード。「勝つことはいいこと、だが負けることは学ぶこと」篇

predatory_obi-thumb-180xauto-1328.jpg

 
ランディ・パウシュはアメリカの大学のコンピューター科学教授だった。
あるとき、彼は「最後の授業」と題した講義を行った。
さまざまな人物を講師として招く特別講義シリーズの一環だった。
講師に与えられるテーマはいつでも同じ。
これが、あなたが行う最後の授業だとしたら、何について語りますか。
あなたが伝えておきたい最も大切なアドバイスとは何ですか。
ランディ・パウシュの場合、それが本当に最後の授業だった。
彼は余命数カ月と診断された身だった。
そして、講義からしばらくして亡くなった。
死は、精神を研ぎ澄ます働きをする。
彼のアドバイスは平凡なものではなかった。
彼が最も大切な教訓を学んだのは、アメリカンフットボールのチームに入ったときのことだ。
トレーニングの初日、コーチは彼を怒鳴りまくった。
彼がすることはどれも駄目で、何をしても不十分だった。
それなのに、自分よりはるかに劣るチームメイトは怒鳴られもしない。
自分のように走れなくても、タックルができなくても。
トレーニングのあと、彼はすっかり落ち込んで更衣室に座っていた。
そんなに自分を嫌いなら、コーチは放っておいてくれればいいのに。
チームをやめてしまったほうがいいのかもしれない。
更衣室では、アシスタントコーチが片づけをしていた。
彼はこう話しかけてきた。「コーチはよっぽどおまえを気に入ったみたいだな」
パウシュは言った。「そんなわけないですよ。一日中、怒鳴られてばかりで」
アシスタントコーチは言った。「そこだよ、俺が言っているのはまさにそこだ」
「おまえにはかまうだけの価値があると、コーチは思っている。
ほかの奴らには話しかけもしなかっただろう?
あいつらをいい選手に育てようとするのはエネルギーの無駄だとわかっているからだ」
そのとき、パウシュは学んだー批判は悪いものとは限らない。
批判は成長のチャンスになりうる。
誰もが、称賛こそがいいものだと考える。
だが、称賛は成長の助けにならない。
称賛の意味はこうだ。「そのままで正しい。変わるな」
称賛は心地のいいもの、だが、その快感はすぐに消える。
デイヴ・モリスは優秀な広告の講師だった。
彼から聞いた話を紹介しよう。
―講師を始めたころ、ロン・コリンズがワークショップで教えていた。
彼は短気で付き合いづらいことで有名だったが、ある作品がまったく気に入らなかった。
どれほど気に入らないか、それを作った生徒にずけずけ言った。
徹底的に分析して、授業中ずっとその欠点をあげつらった。
言いたいことはわかった、生徒も自分の作品はゴミだとよくわかっている。
だから、もう彼のことは放っておいてあげろよ、と私は思った。
でも、口に出してそう言うだけの勇気がなかった。
ラッキーなことに、すごくいい作品があって、ロンの機嫌も直った。
授業のあと、お気に入りの作品を手がけた生徒のために、ロンはシャンパンを持ってきた。
おかげで、その夜はいい雰囲気で終わった。
みんなが帰ろうとしたとき、ロンが言った。「シャンパンを獲得した生徒の作品はよかった」
「だが、彼に残るのはそれだけ、自分は優秀だということだけだ。
今夜のワークショップで最も多くを学んだのは、あそこにいる彼だろう。
さんざん批判されて、傷ついて、同じ過ちは二度としないと考えているはずだ。
だから、いちばん大きな収穫を手にしたのは彼だと思う」―
その言葉は正しい。
フェラーリ社の創業者エンツォ・フェラーリに言わせれば、こういうことだ。
「勝利よりも敗北から多くを学ぶことがある」
多くの場合、批判は称賛よりも役に立つ。
学ぶ意欲、成長する意欲がどれだけあるかで人は決まる。
怠惰な者は成長したがらない。
彼らが望むのは「あなたがしていることは正しい」と言われることだけ。
今のレベルにとどまることで満足する。
優れた者は成長したがる。
彼らが望むのは、はしごの次の段へ上ること。
はしごのてっぺんまで上りつめること。
だから彼らは、称賛でなく批判を求める。
ミュージシャンのエリック・クラプトンは言った。
「少しでもましな人間は、もっとましになれることを知っている」