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アステイオン76

アステイオン76
公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会 編
  • 書籍:¥952(税別)
  • A5判変形・並製/276ページ
  • ISBN978-4-484-12213-7 C0030
  • 2012.05発行

特集「今、何が問題か」田所昌幸/張 競/苅部 直/細谷雄一/池内 恵/鷲田清一 [著者と語る]山崎正和+田所昌幸 ほか豪華執筆陣:松田康博/橘川武郎/遠藤 乾/中西 寛/大嶽秀夫など。

書籍

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内容

特集 今、何が問題か

われわれは絶え間なく「問題」について語っている。
少し考えてみても東日本大震災からの復興、原子力とエネルギー、
雇用や財政、TPP参加の是非といった具合に、
およそ「問題」には事欠くことがない。
だが、一〇年、二〇年はもちろん
一年もするとすっかり忘れ去られてしまった「問題」も数多い。
「今」という時の重みは小さくなり、
「問題」も大量に生産され大量に消費されている。

『アステイオン』は創刊以来の四半世紀、本質的な「問題」を正面から語り、
時代の大きな流れの中で「今」を問う試みを続けてきた。
この基本的な姿勢にはいささかの変更もないが、
新しい編集体制で臨んだ本号の特集では、
各編集委員が「今、何が問題か」について自問することで、
われわれの知的姿勢を改めて明らかにしておきたい。
あえて時間的にも地域的にも限定を設けず、
それぞれ専門を異にする編集委員が「今」と「問題」を自由に語った論考から、
何が見えてくるだろうか。

現代の諸問題を「鋭く感じ、柔らかく考える」本誌の挑戦に対する
読者諸氏のかわらぬご支援を期待しつつ、
リニューアル後の最初の特集をお届けしたい。

目次

●特集
今、何が問題か

心地よい停滞の中の不安
……田所昌幸(慶應義塾大学法学部教授)

魂の幸福を語り合うこと
……張 競(明治大学教授)

恐怖とのつきあい方
……苅部 直(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

「太平洋の世紀」に
……細谷雄一(慶應義塾大学法学部教授)

「アラブの春」がもたらしたもの
……池内 恵(東京大学先端科学技術研究センター准教授)

しんがりの思想――知性の公共的使用のために
……鷲田清一(大谷大学文学部教授)

―― ◇ ―― ◇ ――

●時評
漱石の絵画贋作
……芳賀 徹(東京大学名誉教授)

旅の東西
……高階秀爾(大原美術館館長、西洋美術振興財団理事長)

―― ◇ ―― ◇ ――

馬英九再選と台湾の「自己革新」
……松田康博(東京大学東洋文化研究所教授)

福島第一原発事故後の日本の電力産業
……橘川武郎(一橋大学大学院商学研究科教授)

―― ◇ ―― ◇ ――

●グラヴィア 地域は舞台
感動体験が子ども達を変えた 現代版組踊「肝高の阿麻和利」

―― ◇ ―― ◇ ――

●時評
ラジオの文化と「非公式」な担い手たち
……渡辺 裕(東京大学大学院人文社会系研究科教授)

「日本では木は腐るのか?」
……藤森照信(工学院大学建築学部教授)

シカが増えて……
……奥本大三郎(ファーブル昆虫館館長)

―― ◇ ―― ◇ ――

ユーロ危機の深層――「対岸の火事」を超えて
……遠藤 乾(北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院教授)

日本人にとっての「市民」
……中西 寛(京都大学大学院法学研究科教授)

ニクソンと毛沢東の現実主義
……大嶽秀夫(同志社女子大学教授)

―― ◇ ―― ◇ ――

●世界の思潮
無邪気な政治の罪
……マーク・リラ(コロンビア大学人文学教授)

ロシア政治の通奏低音
……袴田茂樹(新潟県立大学教授)

二つのポピュリズムに揺れる米国
……ジョナサン・ラウシュ(ブルッキングス研究所客員研究員)

イタリア人論の系譜
……シルヴィオ・ヴィータ(京都外国語大学教授)

―― ◇ ―― ◇ ――

●著者と語る
文明というもろい果実――その起源と行方
……山崎正和+田所昌幸/山崎正和著『世界文明史の試み――神話と舞踊』(中央公論新社)について

●アステイオン編集委員会委員
 委員長  田所昌幸
       池内 恵
       苅部 直
       張  競
       細谷雄一
       鷲田清一
 顧 問   山崎正和
●ブックデザイン/熊澤正人+尾形 忍(POWERHOUSE)
●翻訳協力/斉藤裕一、ジャネット・アシュビー
●校閲/竹内輝夫
●編集協力/林晟一、阪急コミュニケーションズ書籍編集部