今度こそ「快眠」できる12の方法 ぐっすり眠って、すっきり起きよう!

今度こそ「快眠」できる12の方法
  • 書籍:定価1430円(本体1,300円)
  • 電子書籍:定価1001円(本体910円)
  • 四六判・並製/160ページ
  • ISBN978-4-484-11212-1 C0077
  • 2011.05発行

毎晩、きちんと眠れていますか? 朝、気持ちよく起きられますか? いま日本人の5人に1人が不眠に悩んでいるといわれます。不眠のタイプ、原因は人それぞれ。大切なのは「睡眠時間」ではなく、睡眠の「質」です

書籍

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内容

毎晩、きちんと眠れていますか?
朝、気持ちよく起きられますか?

いま、日本人の5人に1人が不眠に悩んでいるといわれます。
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝の目覚めがつらい……
不眠のタイプは人それぞれ。
仕事や勉強、夜型の生活、不安やストレス、寝室環境の問題……
その原因もさまざまです。

不眠のタイプと原因がわかれば、その解決法も見えてきます。
ちょっとした工夫や気の持ちようで改善されることも。
睡眠薬だって、正しく服用すれば怖いことはなにもありません。

大切なのは「睡眠時間」ではなく、睡眠の「質」。
本書を読めば、あなたにぴったりの快眠法が、きっと見つかります。

はじめに

私たちは、人生のおよそ4分の1から3分の1を眠って過ごします。
80年あまりの人生を考えると、そのうち20年以上は眠っていることになるわけです。
睡眠は、心身を休め、今日の疲労から回復して明日に備える重要な時間です。
さらに、就床前のゆったりとした時間とそれにつながる睡眠は、
私たちに心の安らぎをもたらします。
このため、この20年をいかに快適に過ごすかは、
人生をいかに楽しく過ごすかに大きく関わってきます。
快適な睡眠が得られないと、生活の質が低下し、
人生が苦しくつらいものになってしまいます。

睡眠を研究する学問を睡眠学といいます。
この学問が始まったのは、50年あまり前からですが、
この20年に飛躍的に発展しました。
特に睡眠の起こるしくみや睡眠を起こす脳内物質などが明らかになったことは、
脳科学全体にとっても大きなブレークスルーでした。
こうした研究成果から、よく眠れないといっても、
その原因はさまざまであることがわかってきました。
寝室環境の悪さ、間違った生活習慣、心配事やストレスなど精神的問題、
眠っている間に息が詰まるなどの身体の変調、体内時計のリズムのずれなど、
人によって、年齢によって、眠れない原因は色々な可能性が考えられるわけです。

睡眠学の発展で、改めて睡眠の重要性が認識されるようになりました。
睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群があると
高血圧や心疾患、そして脳血管障害の危険性が著しく増大します。
睡眠不足や睡眠障害に基づく日中の眠気が、
交通事故などの原因となることなどが明らかにされました。
さらに、睡眠不足や不眠が、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、
うつ病の危険因子になり得ることがわかってきました。
つまり、よく眠れていないと、身体の面でも心の面でも
深刻な問題が起こってくるのです。

睡眠について問題をもつ人に対するアドバイスについても、
最新の研究に基づいて大きく変わってきました。
日本全体の調査が行なわれて、日本で成人の5人に1人が不眠を感じ、
この頻度は高齢になるほど高くなることがわかりました。
超高齢化社会を迎えつつあるわが国では、
不眠で悩む人々はさらに増加すると予想されています。
こうした不眠への対処として成人の25人に1人が睡眠薬を使用し、
60歳以上になると10人に1人になることがわかりました。
健康な人がどのような睡眠をとっているのかについても明らかになってきました。
日本では6時間台、7時間台の睡眠時間の人が多いのですが、
こうした平均的な睡眠時間の人たちが実は一番健康だということもわかりました。

少し昔の睡眠や睡眠障害に関する一般書をみると、到底眠りの問題で困っている人が
実行するのは難しいようなアドバイスが多く書かれていました。
しかし、私たちが必要としているのは、
正確な知識に基づいて睡眠に関するこだわりから頭を切り替えることなのです。

本書は、快適に眠るためのヒントと戦略を、
最新の睡眠学研究をもとに、わかりやすくまとめました。
読んでいただき、年齢や生活パターンからみた自分の睡眠の個性について気づいてもらい、
どのような対処法があるのかまず知っていただけたらと思います。
そして、自分で無理なく行なえる簡単な対処法から実行してみてください。

最後に、本当に困ったときには、ためらわずに医師にかかってください。
相談する人がいるだけでも安心でき、気持ちの面で前向きになることができると思います。
医師に相談をする場合にも、この本は、
皆さんの状況を整理してうまく伝えるのに役立つでしょう。

日本大学医学部精神医学系主任教授 内山 真

目次

はじめに

Part.1 「眠り」の基本知識

日本人の5人に1人は睡眠の問題で悩んでいる?
 「眠れない」のはあなただけじゃない
 理想の睡眠時間
眠りのメカニズムを知る
 レム睡眠とノンレム睡眠
 夢の正体
 心配ないびき
 寝返りの役割
 寝酒の効果
 眠りが心や身体に与える影響
 年齢による眠りの違い
 体内時計の働き
 「疲れたから眠る」
 「日の長さに合わせて眠る」
 眠りに関することわざ

Part.2 なぜ、眠れないのか?

自分の不眠度をチェックしてみよう
 「睡眠のトラブル」を記録する
自分の不眠タイプを知る
 「不眠症」にはさまざまなタイプがある
 原因別にみた「不眠症」
 「睡眠障害」のいろいろ

Part.3 よりよい睡眠のための工夫あれこれ

 意外と知らない睡眠クイズ
よりよい眠りを得るために
 快眠できる環境づくり
 寝る前にしていいこと、悪いこと
 目覚めたときの注意点
リラクゼーションのすすめ
 心身を落ちつけることが快眠への近道
 リラクゼーション法(1)――自律訓練法
 リラクゼーション法(2)――ストレッチ
 リラクゼーション法(3)――筋弛緩法
 リラクゼーション法(4)――ヒーリングミュージック
 リラクゼーション法(5)――アロマテラピー

Part.4 あなたのための快眠アドバイス

ビジネスパーソンのための快眠アドバイス
 ビジネスパーソンを取り巻く環境と睡眠障害…
 ビジネスパーソンに多い睡眠障害
 ビジネスパーソンの不眠解消法
 ビジネスパーソンの快眠Q&A
 働く世代の快眠10カ条
女性のための快眠アドバイス
 女性ホルモンと睡眠の関係
 女性のライフスタイルと睡眠
 女性の不眠解消法
 女性の快眠Q&A
子どものための快眠アドバイス
 あなたのお子さんは「睡眠不足」ではありませんか?
 子どもで注意すべき睡眠障害
 子どもの不眠解消法
 子どもの快眠Q&A
高齢者のための快眠アドバイス
 高齢者の不眠の特徴
 高齢者に多くみられる睡眠障害
 高齢者の不眠解消法
 高齢者の快眠Q&A

Part.5 どうしても眠れないときは――病院受診と睡眠薬について

無理せず病院で受診しましょう
 病院に行く前に
 受診の際に聞かれること
 睡眠障害の治療法
睡眠薬との上手なつき合い方
 睡眠薬のウソ? ホント?
 睡眠薬の種類
 服用する際の注意点
 副作用について
 睡眠薬のやめ方

まとめ 快眠のための12のヒント

おわりに

監修者

内山 真(うちやま・まこと)
日本大学医学部精神医学系主任教授。
1954 年神奈川県生まれ。東北大学医学部卒業。
東京医科歯科大学精神科、国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部部長などを経て現職。92~93年にはドイツ・ヘファタ神経学病院睡眠障害研究所に留学、睡眠障害および生体リズムの研究に従事する。
99年より「睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究班」班長、2000年より「生体リズム障害研究班」班長、05年より「こころの健康と休養・睡眠に関する研究班」班長(いずれも厚生労働省研究班)。日本睡眠学会認定医。NHK「きょうの健康」ほかテレビにも多数出演。
著書に『睡眠障害 うまく眠るための知恵とコツ』(家の光協会)、『名医が教える不眠症に打ち克つ本』(アーク出版)などがある。

●編集協力/杉立和嘉子
●校正/円水社
●ブックデザイン/内藤寿美子
●イラスト/森恵

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