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復活!日英同盟 インド太平洋時代の幕開け

復活!日英同盟
秋元千明 著
  • 書籍:定価1760円(本体1600円)
  • 電子書籍:価格1408円(本体1280円)
  • 四六判・並製/284ページ
  • 978-4-484-21207-4
  • 2021.3発行
・英国国家安全保障戦略が示した「日本は戦略的なパートナー」
・新型空母「クイーン・エリザベス」のアジア展開
・活発になってきた自衛隊と英国軍の共同軍事演習
・英国王立防衛安全保障研究所が重視した日本の存在

日英同盟構築への準備は、すでに始まっている。
ようやく日本は、戦後長期間にわたり続いてきた米国のくびきから解放され、戦略的自立へと進むことになる。
歴史的な同盟復活への動きと今後の課題、展望について、安全保障の専門家がわかりやすく解説した1冊。


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序章

 日本が今するべきことは、戦略的パートナーとして米国を支えることであり、そのためにはこれまでのような米国一辺倒の同盟の構造を変革し、多層的な同盟の体制を構築することである。幸い、日本の安倍晋三前政権はそのことに早くから気が付き、オーストラリアやインドなど日本や米国と関係の深いアジア諸国と新しい同盟関係を構築して、同盟のネットワークを張り巡らそうとしてきた。
 日米同盟を強化するため、別の同盟を作ろうとする試みである。そして、そのための枠組みとして「インド太平洋戦略」を構築しようとしてきた。
 インド太平洋という戦略概念を世界で初めて外交政策に取り入れ、世界に提唱したのはほかでもない日本である。
 この日本の提案に対する世界の評価は極めて高く、アジア諸国はもちろん、米国、英国、さらに欧州諸国などが相次いでこの戦略概念に賛同し、「インド太平洋戦略」は今や世界の安全保障のトレンドになろうとしている。それは当然のことである。なぜなら、米国を中心とする西側諸国はこぞって米国の指導力の低下を憂慮しているし、インド太平洋は近い将来、世界の政治、経済の中心になることが予想されるからである。
(略)
 ただ、この枠組みがすぐにインド太平洋を舞台にした新たな同盟に発展するかといえば、そう単純ではない。
 同盟の形成には、中核となる大国同士の結びつきがまず必要だからである。例えば、NATOの中核には大西洋をはさんだ米英同盟がまずあり、それにカナダと欧州諸国が参加してNATOは発展してきた。ネットワーク型の同盟には必ず中核となる大国同士の同盟がなくてはならず、それに寄り添う国家群があって多国間の同盟が作られる。だから、ただ日本が米国やアジアの友好国と連携を深めているだけでは同盟のネットワークは作れない。
 しかし、日本には幸いそれを実現できる心強く、ふさわしいパートナーが一カ国だけある。
 英国である。
 英国は日本と同様、海を通した交易によって繁栄を続けてきた海洋国家であり、地政学的にユーラシア大陸の両端に位置していることから安全保障環境が日本と酷似している。そのため、英国は一六〇〇年、ウィリアム・アダムズ、後の三浦按針が英国人として初めて徳川家康と会見し、日本とのファースト・コンタクトを取って以来、ずっと日本との交流に関心を持ち続けてきた。

目次

第1章 同盟の段階へ
第2章 グローバル・ブリテン
第3章 インド・太平洋へ
第4章 なぜ、新・日英同盟なのか
第5章 軍事同盟からの決別
第6章 動き出す新・日英同盟
第7章 英空母来航と日本

著者略歴

秋元千明(あきもと・ちあき)
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表。
早稲田大学卒業後、NHK 入局。30 年以上にわたり、軍事・安全保障専門の国際記者、解説委員を務める。東西軍備管理問題、湾岸戦争、ユーゴスラビア紛争、北朝鮮核問題、同時多発テロ、イラク戦争など、豊富な取材経験を持つ。一方、RUSI では1992 年に客員研究員として在籍した後、2009 年、日本人として初めてアソシエイト・フェローに指名された。2012 年、RUSI Japan の設立に伴い、NHKを退職、所長に就任。2019年、RUSI日本特別代表に就任。日英の安全保障コミュニティーに幅広い人脈があり、両国の専門家に交流の場を提供している。大阪大学大学院招聘教授、拓殖大学大学院非常勤講師を兼任する。著書に『戦略の地政学』(ウェッジ)等がある。


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校正 株式会社 文字工房燦光