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別冊アステイオン それぞれの山崎正和

それぞれの山崎正和
公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会 編
  • 書籍:¥1500(税別)
  • 電子書籍:¥1200(税別)
  • A5判・並製/352ページ
  • ISBN978-4-484-20235-8
  • 2020.12発行
山崎正和の多彩な足跡と業績をたどり、
改めてその意義を語る場として。


日本を代表する知識人・山崎正和の劇作家・評論家・思想家として、
または政治・行政への助言者として、
そして学術・教育・文化活動への貢献者としての人生を
60名を超す執筆陣が「それぞれの山崎正和論」で振り返る。


【執筆者】
青木 保、阿川尚之、天野文雄、安西祐一郎、五百旗頭 真、
井戸敏三、猪木武徳、ヴォルフ・レペニース、宇野重規、
遠藤 乾、大笹吉雄、岡本隆司、鹿島 茂、片山杜秀、苅部 直、
川本三郎、北岡伸一、久保文明、近藤誠一、佐渡 裕、白石 隆、
高階秀爾、田所昌幸、張 競、堤 春恵、遠山敦子、鳥井信吾、
中西 寛、沼野充義、林 公子、藤田三男、牧原 出、松本白鸚、
マーク・リラ、三浦雅士、御厨 貴、鷲田清一、渡辺 保 ほか。


*『アステイオン』は、1986年に山崎正和が創刊した
「鋭く感じ、柔らかく考える」論壇誌。公益財団法人
サントリー文化財団・アステイオン編集委員会が編集。
アステイオンとは古代ギリシャ語で「都会的な」
「洗練された」という意味を持つ言葉。
時代の大きな流れを読み解く議論を掲載する雑誌を
年2回発行し、ウェブサイトには不定期にエッセイや
レポートを掲載している。
https://www.suntory.co.jp/sfnd/asteion/




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「刊行によせて」より一部抜粋

 ライトが消えて幕が下りた。どんな芝居にも必ず終わりがあるのだし、
八六年に及ぶ人生に幕を引く直前まで、実に半世紀以上にわたって華々しい
文筆活動を続けたのだから、唐突な幕切れではないのかもしれない。それでも
もっと続いていて欲しかったという思いは禁じ得ないが、残されたわれわれ
は、劇場を出てそれぞれの家路にむけて歩む間にも、舞台の光景や台詞を反
芻し、それを胸に明日からの日常に立ち向かう力にはできるはずだ。
           *
 徒党を組むのを好まず、自由な中にも節度を持った打ち解けた他者との交
わりを実践し組織してきた故人を追悼するのに、友人知人の感傷的な思い出
話や、凡庸な取り巻きの美辞麗句は相応しくあるまい。交流のあったそれぞ
れの関係者が、劇作、哲学、評論、そして文化制度設計という長きにわたる
故人の多彩な足跡と業績をたどり、改めてその意義を語る場として本号を企
画した。
 故人の業績の意義を噛みしめることで、残されたわれわれが喪失を乗り越
え歩んでいく糧としようではないか。『アステイオン』は、われわれの感謝を
込めてこの追悼号を読者と共有し、山崎正和氏の死を悼みたい。

              『アステイオン』編集委員長 田所昌幸

目次

目次
 
再録「野暮は言わない個性」 山崎正和(『アステイオン創刊30周年ベスト論文選』より)
「刊行によせて」田所昌幸 
再録「祖父の思い出」山崎正和(『西海医報』1950年9月号初出、荒木精之編『山崎正董』[私家版、1963年]より)
 
             
プロローグ
高階秀爾 □「人間とは何かを問い続けた生涯」
張 競  「 山崎正和先生の仕事と思い出」
苅部 直  「少年使節の旅ーー山崎正和、四十歳の出発」
阿川尚之  「満洲の風景、ニューイングランドの光景」
遠山敦子  「知の巨人を悼む」 
再録 「逆説で語り続けた〈自由〉」鷲田清一(朝日新聞2020年8月23日より)
 
第1章 創作者
大笹吉雄  「山崎正和という劇作家」
松本白鸚 「レクイエムーー世阿弥元清を勤めて」
渡辺 保  「二十世紀」  
内田洋一  「芝居屋とメタシアター」
堤 春恵  「正和出帆」
片山杜秀  「無常と酒と柔らかさ」 
再録「私の関西観劇ーーくるみ座から大阪大学演劇学講座まで」 山崎正和+藤井康生(日本演劇学会『演劇学論集』41号より)
 
第2章 思索家
藤田三男  「無常について」
川本三郎  「『歐外 闘う家長』と『不機嫌の時代』のこと」
近藤誠一  「柔らかい個人主義で創る新常態」
宇野重規 「戦後日本の精神的背骨」
白石 隆  「おとなの個人性の時代――戦後の終ったあと」
沼野充義  「稀に見る知的社交の実践家」
久保文明  「アメリカの「柔らかい」政党」
中西 寛  「髙坂先生をはさんで」
田所昌幸  「二人の知識人――山崎正和と高坂正堯」
方 明生  「中国と山崎正和」
岡本隆司  「わが生涯の主題」
林 晟一 「歴史教育なんていらない」
野澤 聡  「先生との勉強会」
河野通和  「時代の手ざわり」
宇和川準一 「担当編集者として」
小林 薫  「うかがいそびれたこと」
再録 「鋭く感じ、柔らかく考えてきた三十年」山崎正和+苅部 直(『アステイオン』84号より)
             
第3章 参加する観察者
御厨 貴  「ある政治的人間像―― “地政学的位置”の観点から読み解く」
牧原 出  「言葉のパノラマに目を見張り耳を澄ます」
北岡伸一  「先生との対話」
五百旗頭 真 「優れた政治感覚の文人」
青木 保 「山崎正和氏を悼む」
安西祐一郎 「現世を舞台として」
西 正典  「私の後悔」
舩橋晴雄  「憂国の士」
櫛田 薫  「地域に生き、グローバルに考える――地方大学の学長として」
鹿島 茂  「多元性の統一を求めた“文化制度設計者”」
ヴォルフ・レペニース 「「柔らかい個人」──盟友と巡り会えた幸運」
マーク・リラ 「ビールを片手に語りあった夜」
遠藤 乾  「Correspondenceの挑戦」
宮 一穂  思い出すことども
片山 修  「『おんりい・いえすたでい‘60s』の思い出」
村山正司  「反ポピュリズム論の先見性」
 
第4章 知の演出家
鼎談 「次世代から見た山崎正和とその時代」池内 恵+細谷雄一+待鳥聡史(「国際政治チャンネル」2020年8月28日放送より)
天野文雄  「大阪大学の山崎先生」
林 公子  「恩師 山崎先生」
井戸敏三  「震災を乗り越えてーー文化力による」
藤村順一    「芸術文化センターの礎を築かれたオリジネーター」
佐渡 裕  「兵庫への思いを受け継いで」
中谷友和 「『GHETTO/ゲットー』の頃」
再録 「大文字の人間ドラマ」栗山民也(『悲劇喜劇』(2020年11月号より)
宮野公樹  「考えるを考えるが学問で……」
鳥井信吾  「永続するサロン、サントリー文化財団」
渡辺八郎  「お見通し」
猪木武徳  「「学」と「芸」を架橋する人材を育てる」
小島多恵子 「地域へのまなざし」
小泉 博 「地域に寄せる熱意に励まされ」
永井伸和  「人と本との出会い」
神谷竜介  「一〇一人目として生きていく」
宮武実知子 「演出家的教育者の後ろ姿 」
 
エピローグ
三浦雅士  「山崎正和とダニエル・ベル」
再録 「20世紀末の危機と希望――「市民社会」の命運」ダニエル・ベル+山崎正和(『アステイオン』75号より)
再録 「「市民社会」の現代的意義――山崎正和氏への手紙」ダニエル・ベル(『アステイオン』75号より)
再録 「二五年遅れの返信―ダニエル・ベル氏の霊前に」山崎正和(『アステイオン』75号より)
 
付録
山崎正和略年譜
山崎正和写真館

プロフィール

山崎正和 Masakazu Yamazaki 
1934年生まれ。劇作家。京都大学大学院美学美術史学専攻博士課程修了。
関西大学教授、大阪大学教授、東亜大学学長などを歴任。1963年『世阿弥』を
発表し、岸田国士戯曲賞を受賞。その後も『オイディプス昇天』(戯曲)、
『鷗外 闘う家長』『柔らかい個人主義の誕生』『リズムの哲学ノート』
(評論)などを発表、受賞多数。文化勲章受章者。2020年逝去。
 
 
 
アステイオン
鋭く感じ、柔らかく考える、1986年創刊の論壇誌。公益財団法人
サントリー文化財団・アステイオン編集委員会が編集。アステイオンとは
古代ギリシャ語で「都会的な」「洗練された」という意味を持つ言葉。
時代の大きな流れを読み解く議論を掲載する雑誌を年2回発行し、
ウェブサイトには不定期にエッセイやレポートを掲載している。
https://www.suntory.co.jp/sfnd/asteion/index.html
 


ブックデザイン 清原一隆(KIYO DESIGN)
ロゴ 荒田秀也
カバー写真 相澤 實
本文写真 遠藤 宏、河内 彩
校 閲 竹内輝夫
編集協力 CCCメディアハウス書籍編集部