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おしゃべり病理医のカラダと病気の図鑑 人体サプライチェーンの仕組み

小倉加奈子 著
  • 書籍:¥1600(税別)
  • 四六判・並製/304ページ
  • 978-4-484-20223-5
  • 10.1発売予定
意外と自分のカラダ、病気のことってわかっていません。
でも、誰よりも長くつきあう相手だからこそ、どんなふうに働いたり、どんなことに困っているか知っておいたほうがいい。
そこで、おしゃべりな病理医の小倉先生が「見立て」の方法を駆使して、正常な身体の仕組みから、何が原因でどんな病気になるのか、病気になったあとは、何がどんなふうになるのかについて、120点以上のイラストとともに解説。
一家に一冊必携の「カラダ」と「病」の本。


書籍

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はじめに

 1冊目の達成感に気をよくした私は、今回、がんだけではなく病気全般について解説することに挑戦しました。が、書き始めようとしてすぐに、それがどんなに困難なものであるかを思い知らされることになりました。
 病気全般を網羅するとなると途方もなく膨大な内容となり、1冊にまとめるためにどうやって編集して書いていいのかわからない。いざ意を決して、なんとか専門書を参考に書き始めると、難しすぎるし、ひどくつまらない。そもそも医学を学んだことのないみなさんに病気を理解してもらうには、正常の身体の仕組みや働きからきちんと説明しなければなりません。本書の構成をはじめ、すべてを一からやり直さなければならないと悟りました。
 この窮地を打破する方法が、「見立て」でした。見立ては、子どもの頃の「ごっこ遊び」で慣れ親しんできた方法です。
 ごっこ遊びでは、泥をこねたものをおまんじゅうに、大きい葉っぱをお皿に見立てて遊んだりします。別のものだけれど、似ているもので代用するのですね。(略)
 見立ての方法というのは、物事の仕組みを理解して、遊びや学びに活用していく根本的な思考方法です。ですから、ごっこ遊びだけではなく、学問にも活用されていますし、ことわざや俳句、歌舞伎や能など、あらゆる日本文化にも広く深く浸透しています。ならば、この方法を病気全般についてわかりやすく解説するために使うこともできるはずだと思いました。本書は、見立ての方法に活路を見出して、ようやく完成することができました。
 前著もそうでしたが、本書もなるべく専門的な内容まで踏み込むことにこだわりました。内容が浅いからわかりやすい、という本ではなく、内容が深いのにとても読みやすい、という本を目指しました。医学に限らず、専門的な知識もわかりやすく解説してもらうと、日常生活の中で浮かんでいた素朴な疑問が氷解することはよくあると思っています。本書も、身体についてのみなさんの日頃の疑問についての答えが見つかるものであればと願っています。


もくじ

Ⅰ.健康と病気のアイダ考 ~どこまで健康?どこから病気?
0.どこまで健康? どこから病気?
1.病気の基準
【おしゃべり病理ノート1】 「おぐら病」はやめよう
2.いざ病院へ 病院でわかること
【おしゃべり病理ノート2】名か実か
3.「病気」と「病態」
【病態編集稽古1】バナナの病理診断
 
Ⅱ.人体サプライチェーンの仕組み
0.つながり、つらなる人体の仕組み
1.人体のサプライチェーン
2.原材料調達の場、肺と消化管
3.肝臓はマルチな製造工場
4.物流を担う毛細血管
5.消費担当大臣 脳と骨格筋
6.身体を見守るのが“肝腎”
7.サプライチェーン・マネジメントの本社と営業所
【おしゃべり病理図解1】読書運動神経 
          
Ⅲ.つながり、つらなる病態図解 ~5つの病態を観察しよう
0.つながり、つらなる病態
1.炎症 “「ゆるゆる→パンパン→カチカチ」と進む”
2.感染症 “食べたらわかる ” 
3.循環障害 “破れるor詰まるor固まる ”
4.腫瘍 “形>ふるまい>機能の異常”
5.代謝障害 “多すぎor少なすぎ”
6.再び、つながり、つらなる病態
【おしゃべり病理図解2】音読リズム 
 
Ⅳ.個人と社会、身体と精神のアイダ考 ~誰が病気? 何が病気?
0.人体と社会、何が違う?
1.どこまで経過観察、どこから治療?
2.臨床医が力を入れる臨床推論って?
【病態編集稽古その2】腹痛妄想ワーク
3.心の病と身体の病気?
【おしゃべり病理ノート3】ゲーマーから腕のいい外科医へ
 
番外図書室

 


著者略歴

小倉加奈子(おぐら・かなこ)
順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科先任准教授、臨床検査科長。

2002年順天堂大学医学部卒業。2006年同大学院博士課程修了。
医学博士、病理専門医、臨床検査専門医。
NPO法人「病理診断の総合力を向上させる会」理事。イシス編集学校師範。
外科病理診断全般を担当し、研修医・医学生の指導にあたる。
趣味は、クラシックバレエと読書。二児の母。
 
●装幀・デザイン 寄藤文平+古屋郁美(文平銀座)
●校正 株式会社 文字工房燦光