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「夢の王国」の光と影 東京ディズニーランドを創った男たち

「夢の王国」の光と影
野口 恒 著
  • 書籍:品切れ
  • 電子書籍:¥1,280(税別)
  • 四六判・上製/312ページ
  • ISBN978-4-484-91239-4
  • 1991.12発行
東京ディズニーランドのいまの隆盛をみると、もはや想像だにできない、高度経済成長の時代にスタートしたディズニーランド誘致計画。何度もの挫折を乗り越え、1983年の開業に至ったその経緯を、丹念に取材して書いた渾身のルポ。

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まえがきより抜粋

 1983年4月15日の東京ディズニーランドの開園はそうした本格的な余暇(レジャー)時代の到来を先取りした象徴的な事件でもあったのだ。
 本書は東京ディズニーランドの建設計画がもち上がり、実際に完成するまでの23年間に及ぶ紆余曲折に富んだ、ドラマティックな経緯を関係者の取材・証言を中心に構成してまとめたドキュメントである。
 日本がまだ高度経済成長のスタートをきったばかりの時に、既にもう本格的な余暇時代の到来を予見してディズニーランドの誘致建設を進めようとするプロジェクトがあった、というその事実に大変興味を覚え、取材を開始した。しかし、取材を進めていくうちにこの事業の面白さはプロジェクトの内容もさることながら、ディズニーランドの誘致・建設にかけた多くの人たちの夢と情熱、挫折と失敗、葛藤と対立、勇気と決断そして幸運と成功をめぐる人間ドラマにあると考え、その点に本書のねらいを置いた。

目次

まえがき
プロローグ 8年間で1億人を突破
 本場の2倍の速さで1億人突破
 川崎千春と高橋政知
 「埋め立ての仕事を手伝ってくれ」
 「おれは将来これをやりたい」
 冷たかったディズニー側
第1章 10ヵ月で漁民を説得
 前任者逮捕され、江戸英雄の名案
 「最後はやはりカネですよ」
 「100万坪、確保して来い」
 高橋、カッとなり友納知事と大ゲンカ
第2章 10年かけて260万坪を埋め立てる
 千葉方式で得た103万坪
 金融機関豹変、「まるで手品みたい」
 大臣の認可条件を覆して土地を取り返す
 渦まく「金権千葉」の利権
第3章 ディズニー首脳部、心を動かす
 「本業」は一つもなかった、日本の遊園地
 遊園地からテーマ・パークへ
 「ディズニーしかない」
 本場が注目した中身濃いレポート
第4章 提携交渉の入り口に立つ
 候補地は浦安か富士山麓か
 浦安埋立て地大掃除作戦
 きめこまかいプレゼンテーションと演出
 「地元ぐるみで大歓迎します」
 業務提携の基本合意なる
第5章 ディズニー側、大いに怒る
 川崎社長、退陣する
 消極姿勢の三井不動産
 「やれといわれれば、やりますよ」
 ディズニー側怒り、「交渉は打ち切り」
 坪井訪米、自ら交渉へ
 契約期間「50年間」で紛糾
 高橋訪米、再度の交渉に賭ける
 三井不動産が手を引き、高橋孤立
第6章 千葉県という強い味方
 川上知事、政治生命を賭けた闘い
 高橋と沼田副知事、金策に奔走
 中学時代宝塚のファン、菅谷隆介
 菅谷の読み――心の産業が伸びる
第7章 時間がない! 独断で契約
 菅谷、協調融資団の形成に動く
 高橋、独断で正式契約に調印
 協調融資団結成の決め手
 オリエンタルランド社の変身
 松下幸之助、すばやい反応
第8章 妥協許さぬ「こだわり精神」
 「これはエライことを引き受けた」
 「本物よりいいものをつくります」
 ディーテールを徹底的に追求
 なによりも安全第一
 ディズニー製コンピュータ
 工事費膨らみ、地下設備をあきらめる
 ディズニー側の責任のとり方
 ホテル用地を売却、借金返済
 オリエンタルランド社の光と影
 「ディズニーをやらないとつぶれる」
結び――本当のドラマはこれから

著者紹介

野口 恒(のぐち ひさし)
昭和20年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。法政大学大学院(経済学専攻)を経て、現在フリージャーナリスト。主として情報、技術、人間に関わるさまざまな問題をテーマとする。著書に『カード・ビジネス戦争』(日本経済新聞社、1985年)、『ICカード』(日本経済新聞社、1986年)、『トヨタ生産方式を創った男』(TBSブリタニカ;現CCCメディアハウス、1988年)、『日本企業の基礎研究』(日刊工業新聞社、1990年)等がある。
(1991年刊行時プロフィール)